umina*

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4/8/2024, 5:22:41 PM

朝が怖い
人々が嫌でも頑張っていることを
知らしめられるから

夜が怖い
明日も当たり前に夜は来るっていうのに
孤独が襲うから

今に始まったことじゃない
世界は舞台じゃないって
NPCはここにはいないって
知った時から

もう誰も信じられなかった
自分の力でだって
飛び降れなかったから

心の汚れをずっと抱えている
拭えないまま
拭う方法も分からないから

拭う方法を
自分で自分を救う方法を
ずっと探し続けている

これからも、ずっと

4/7/2024, 3:20:30 PM



今日も公園で君を待っている。
息苦しい生活にも、この時だけは落ち着ける。
ブランコの軋む音で、時間を刻む。


君と会ったのは、この公園。
休日、家に1人でいるのが辛くなった時に、
ここで心を落ち着けていた。
そしたら、君が話しかけてくれた。


やがて、休みの日はほとんどここで過ごすようになった。
ただ他愛のない話ばかりする。
職場の愚痴だったり、美味しかった料理の話とか。
君も奇抜な人がいただとか、晩御飯の香りの話とかを。

そしていつも日が沈む前に別れる。

最近、君が来ない日がある。
なんだか忙しそうだった。



日が沈みそうだ。今日も来なかった。

「さて、帰るか」ため息をつきながら、立ち上がる。
目線をあげた先には君がいた。

「ごめん、遅くなった」
走ってきたんだろうか、君は息を切らしながら言う。
「これを、渡したくって」

よれた手紙をもらう。君が恥ずかしそうに笑った。

「じゃあ、帰るね」
僕から離れていく。
「えっ、ちょっと、まっ…」
君が逃げた先に夕日。

眩しくって、君の手を掴めなかった手で光を遮った。
君が大きく手をふる。笑顔で。

きっとまた会えるって確信していた。
君のことなんにも知らないのに。



君からもらった手紙を開く。
そこには、君の秘密が書かれていた。

数年前、交通事故にあったこと。
もう実体ではないこと。
人々の記憶から忘れさられれば、消えてしまうこと。

最後に綴られていた言葉は、
「君に私が見えたことは、本当に奇跡だったんだ、ありがとう」



あの日、夕日を背に笑う君が忘れられない。

逆光でほとんど見えないはずなのに、
君の笑った顔が見えたのは、夕日が透けていたから。

横断歩道を渡る前、何も無い電柱に花を手向けていた。
この街の誰もが君を忘れても、僕は君を忘れない。


4/4/2024, 3:22:42 PM


いつも思いつくまま描いていた。
どんどん書き溜めていった。
誰にも見せるつもりなどない作品。
自分にとって「満足」な仕上がり。


だから、変な期待をして作品を投稿した。
みんなが読んでくれて、とっても嬉しかった。
また読みたいと反応してくれる人もいた。


こうなると自然と読者側を考えてしまう。
作ったシナリオたちは他人にとって面白いかどうか。
書いては消し、書いては消しの繰り返し。


だんだん何故か苦しくなっていった。
きっと誰もが当たるであろう問題。

自分も再三、ぶち当たってきた。
でも、この答えはもう知っている。


自分が書きたいものを書けばいい。
それでいい。それでいいんだって。

4/3/2024, 4:11:22 PM

貴方に銃口を向ける。
大事な人で傷つけたくないのに。
もう許せなかった。
貴方だったから、許せなかった。



私には、別の友人がいた。
貴方と出会う前、私の傍にいてくれた人。

だけど、今は連絡が取れない状態。
どこにいるのかも分からない。
何も言わずにいなくなってしまった。

大事な人を失った私を支えてくれたのは、貴方だった。

けれど、知っていた。
貴方は、私に傍にいる為にあの人を排除したことを。



あなたに、銃を向ける。

なんで私の大切なものを奪ったのか。
なんでずっと一緒にいてくれたのか。
なんで私を苦しめるのか。

抱えていた疑問を全てぶつけて、貴方を傷つけた。

だけど、これまで貴方が私を支えて、傍にいたこと。
それら全て、嘘じゃないこと。

もう分かっていた。
だから、私は貴方をもう許していた。



だけど私は、1つだけ許せないことがあった。
あの人を、貴方を苦しめた私の事。

「だからもう終わりにしよう」

貴方がなにか言う前に、私は私を貫いた。





4/2/2024, 3:25:54 PM


キラキラ光る、ハートの偽宝石

どこかのゲームセンターで使われていたコイン

文字が書けないほど短くなった鉛筆

授業中にふざけて書いたメモ紙


幼い私は、大切な缶ケースにそれらを詰め込んだ。
あの時は、これが大切なかけがえのないものだった。



時が経って、

おもちゃや大切なお友達は、姿を消した。

大切なものはだんだん増えていって、
欲しいものもだいたい買えるようになった。

あの時詰め込んだ、大切なものは、
私にとって、なんの価値も意味も無いゴミとなった。



それでも、

例え大人になった日が来たとしても、
あの時にしかなかった気持ちを忘れたくない。
その過去は、私の一部だから。

大切なものだったものは、確かに今でも大切なものだ。




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