朝が怖い
人々が嫌でも頑張っていることを
知らしめられるから
夜が怖い
明日も当たり前に夜は来るっていうのに
孤独が襲うから
今に始まったことじゃない
世界は舞台じゃないって
NPCはここにはいないって
知った時から
もう誰も信じられなかった
自分の力でだって
飛び降れなかったから
心の汚れをずっと抱えている
拭えないまま
拭う方法も分からないから
拭う方法を
自分で自分を救う方法を
ずっと探し続けている
これからも、ずっと
今日も公園で君を待っている。
息苦しい生活にも、この時だけは落ち着ける。
ブランコの軋む音で、時間を刻む。
君と会ったのは、この公園。
休日、家に1人でいるのが辛くなった時に、
ここで心を落ち着けていた。
そしたら、君が話しかけてくれた。
やがて、休みの日はほとんどここで過ごすようになった。
ただ他愛のない話ばかりする。
職場の愚痴だったり、美味しかった料理の話とか。
君も奇抜な人がいただとか、晩御飯の香りの話とかを。
そしていつも日が沈む前に別れる。
最近、君が来ない日がある。
なんだか忙しそうだった。
日が沈みそうだ。今日も来なかった。
「さて、帰るか」ため息をつきながら、立ち上がる。
目線をあげた先には君がいた。
「ごめん、遅くなった」
走ってきたんだろうか、君は息を切らしながら言う。
「これを、渡したくって」
よれた手紙をもらう。君が恥ずかしそうに笑った。
「じゃあ、帰るね」
僕から離れていく。
「えっ、ちょっと、まっ…」
君が逃げた先に夕日。
眩しくって、君の手を掴めなかった手で光を遮った。
君が大きく手をふる。笑顔で。
きっとまた会えるって確信していた。
君のことなんにも知らないのに。
君からもらった手紙を開く。
そこには、君の秘密が書かれていた。
数年前、交通事故にあったこと。
もう実体ではないこと。
人々の記憶から忘れさられれば、消えてしまうこと。
最後に綴られていた言葉は、
「君に私が見えたことは、本当に奇跡だったんだ、ありがとう」
あの日、夕日を背に笑う君が忘れられない。
逆光でほとんど見えないはずなのに、
君の笑った顔が見えたのは、夕日が透けていたから。
横断歩道を渡る前、何も無い電柱に花を手向けていた。
この街の誰もが君を忘れても、僕は君を忘れない。
いつも思いつくまま描いていた。
どんどん書き溜めていった。
誰にも見せるつもりなどない作品。
自分にとって「満足」な仕上がり。
だから、変な期待をして作品を投稿した。
みんなが読んでくれて、とっても嬉しかった。
また読みたいと反応してくれる人もいた。
こうなると自然と読者側を考えてしまう。
作ったシナリオたちは他人にとって面白いかどうか。
書いては消し、書いては消しの繰り返し。
だんだん何故か苦しくなっていった。
きっと誰もが当たるであろう問題。
自分も再三、ぶち当たってきた。
でも、この答えはもう知っている。
自分が書きたいものを書けばいい。
それでいい。それでいいんだって。
貴方に銃口を向ける。
大事な人で傷つけたくないのに。
もう許せなかった。
貴方だったから、許せなかった。
私には、別の友人がいた。
貴方と出会う前、私の傍にいてくれた人。
だけど、今は連絡が取れない状態。
どこにいるのかも分からない。
何も言わずにいなくなってしまった。
大事な人を失った私を支えてくれたのは、貴方だった。
けれど、知っていた。
貴方は、私に傍にいる為にあの人を排除したことを。
あなたに、銃を向ける。
なんで私の大切なものを奪ったのか。
なんでずっと一緒にいてくれたのか。
なんで私を苦しめるのか。
抱えていた疑問を全てぶつけて、貴方を傷つけた。
だけど、これまで貴方が私を支えて、傍にいたこと。
それら全て、嘘じゃないこと。
もう分かっていた。
だから、私は貴方をもう許していた。
だけど私は、1つだけ許せないことがあった。
あの人を、貴方を苦しめた私の事。
「だからもう終わりにしよう」
貴方がなにか言う前に、私は私を貫いた。
キラキラ光る、ハートの偽宝石
どこかのゲームセンターで使われていたコイン
文字が書けないほど短くなった鉛筆
授業中にふざけて書いたメモ紙
幼い私は、大切な缶ケースにそれらを詰め込んだ。
あの時は、これが大切なかけがえのないものだった。
時が経って、
おもちゃや大切なお友達は、姿を消した。
大切なものはだんだん増えていって、
欲しいものもだいたい買えるようになった。
あの時詰め込んだ、大切なものは、
私にとって、なんの価値も意味も無いゴミとなった。
それでも、
例え大人になった日が来たとしても、
あの時にしかなかった気持ちを忘れたくない。
その過去は、私の一部だから。
大切なものだったものは、確かに今でも大切なものだ。