雲り。
雨。
晴れ。
夏。
どれも愛する瞬間だった。
いつだって僕を見守ってくれていた。
今日の空は何色だろうか。
眩しいくらいの、水色か、
恵みをもたらす灰色か?
それでも明日には、光は差すのだろうか。
何億年と続いてきたこの世界。
僕もその一員に成れるだろうか。
「生を繰り返してるお前さんにゃ、もう立派な一員じゃねぇが。」
驚いた。
座った老人が笑顔で見つめていた。
「……そう…ですね。」
微笑みが移ってしまった。
と同時に、胸に暖かさがじんわり広がっていった。
「ありがとう…ございます。」
今日も明日も、これからも……ずっと、
いい日になるといいな。
手を繋いで。
この時を紡ごう。
決して離れることのない様に。
はぐれることのないように…
とっさに僕は手を掴み走り出す。
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「う〜〜〜ん……」
「こんなこと言えたらいいのになぁ…」
「あら、私は好きよ。」
「!?!?茶斗!?!?いたのか!?!?」
「ノックならしたわよ?はい、アイス。」
「あっ…ありがと……」
「…今のままでもいいんふぁない?」
((あいすをかじりながら、そう言ってくれる彼女が愛おしい。))
「目の前の優しいあなた……
…小説の前だと大胆になるあなた。」
「どっちとも愛することは楽しいもの。」
「…大好き。」
「……犬好き?」
「……もう、にごさないでよ、」
「……へへ、ごめん…」
「あんたねぇ、どうしたら、 だいすき が いぬすき に聞こえるわけ??」
「……だって、文字で書いたらそうなるもん…?」
「………」
「……ごめんごめん。」
「だって、どうしてもオレから伝えたくてさ!」
「…!」
「へへ、愛してるよ。」
《君を探して旅に出る。》
小説じゃよく読んだけれど、
まさか僕が同じ言葉を発するなんて考えもしなかったな……
「 飛海、何してるの。」
「……んー?…自分探し中。」
「……。」
僕は、小さく息を吐きながら隣に座った。
「…いつもここにくるんだな。」
「まぁーね」
「………」
沈黙が心地いい。
が、今は大切なことを…
「ところで、しめ」
めという言葉がでかかった頃……いや、
正確にはしと息を吐ききった時だったかもしれない。
「いまそれナシ!!!!!!」
大声で飛海に釘を刺された。
「……。」
じっとりとした目で飛海を見つめる。
「……い、いや…サ、
ほら……逆に書くためにここに来たんだし……???」
「たっつんが、来てくれたことだし、さっそくそれを題材に書こうじゃないか!!」
「……ところで、し」
「んだからッッッ!!!」
「…めなわ飾った?」
「……」
飛海が口を尖らせてしまった。
「…僕も手伝うから。」
「ほら…どこで詰まってるの?」
「……いい、いじわるしたもん…たっつん」
「ん、もーー………」
「へっへーうそだよ〜ん」
「……」
「たっつんにしかえししてやったなり〜〜!」
「……探しに来てくれて、ありがと。」
「…これも僕の仕事だからね。」
「ふーーーん???」
「やめろ妙ににやにやするな。」
「…え〜してないよーー」
「…!これいいんじゃないか?」
「…?」
「素直になれない二人の小説書くとか。」
透明無色
君は恥ずかしそうにしているけれど、
私にはとっても綺麗に見えるよ。
出会ってくれて、ありがとう。