NN BOX 出会いをありがとう!

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6/25/2025, 6:10:46 AM

空はこんなにも澄んでいる。


……絵の具をたらしたのならどうなるんだろう。


どんどん滲んでいって、最後には絵の具と同化してしまうのか。


色が増えるほど、
本当の色がわかんなくなっていく。


僕も、空みたいだったのかな。


にごった色は、もう……



……なーんて。



こころを くもりあめ にしてみると、たまにすっきりする。




にごった水は、僕の生きてきた証をしめしてる。


線画は、黒で描くだろう?


きっと、今は人生の枠組みを完成させてるんだ。


色塗りは、いつだってゆっくりしていけばいい。



黒を知ったのなら、何色にだってなっていける。


黒は、最強の色ってわけだ!
かっこいいしな!!


雨のち晴。


すっきりした!


さ、行こうっと!




6/22/2025, 5:00:35 AM

君の背中をおって走った。
だって、まだ伝えてないことがたくさんあった。
「待って!!!」


「お願い……っ!!」
僕の思いと逆みたいに、どんどん声が小さくなっていく。


っ…!
どんどん里の背中が小さくなっていく。
僕は、最後の力を振り絞ってめいいっぱいに叫んだ。



「里、ひとりにしないで……大好きだから!!!!」


普段の僕には、出せない言葉。
今なら、素直に言えた。



「……知ってるよ。そんなこと。」
少し間をあけて、笑いながら、里は振り返ってくれた。


「…っ!」



「俺だって、大好きだよ。
こんな親友しんでも会えねえよ。」
「ありがとな、里。」


「…っ!まって!!!」
「それなら、僕も一緒に行く!!!!」



「だめだ。」


「……っ!」


「俺の親友なんだから、分かってんだろ?」



「さ……と。」



「少し、離れるだけだ。」
「俺たちの絆があれば、また会えるさ。」


「さと……さと……」

里の名前を繰り返す自分を客観的に見てしまう。
どうして、言葉がでてこないんだろう。
僕は、僕は………


「はぁ……しゃぁねえな。」


冷たい身体が里に引き寄せられる。


「言葉なんて、いらねえよ。
おまえの顔で分かるっての。」

「また会えるから。本当だから、
またいつもみたいに、笑ってくれよ、な?」



「……うん。」

「また会おうな、湊。」


僕は、今の全部の気持ちを込めて、笑顔を贈った。




(二人がさいかいするのは、もう少し後のお話……)



HAPPY END



冷たい身体というのは、
里を失うと、身体が機能しないくらいという感じを込めてます。
(N N BOX)




4/30/2025, 1:00:11 PM

【軌跡】


「…これなんて読むんだ?」


「きせき だよ。」


「へぇー!なんかロマンチックな読み方だなーー。」


「ふふっ…」


「なんだよ、ニヤニヤしやがって。」


「え、してないよ?」


「し・て・た!!!!!割と鼻息まで聞こえてた!!」


「…ごめんごめんって、なんか可愛くて」
(三津のせいいっぱいのドヤ顔)
「へへ、この前はcuteって言ってくれたから、
僕からの可愛いのプレゼントだよ〜〜」



「…そっか、そっか。」



ーーー
2月27 日に登場していた二人にまた来てもらいました🤏
NN BOX より

4/26/2025, 10:03:45 AM



「クリスマスかぁ…」


たくさんの喋り声の中で呟く。


色とりどりなプレゼント、イルミネーション。
そして、セールのお姉さんの元気な声……


少し通っただけだったが、
明るいムードに自然と足が速くなる。


少しして、暗い中一人しゃがみ込む。


「クリスマスのプレゼントをもって来たよ。」


今の俺の顔はどんなふうに見えているのだろうか。
…叶うのなら、ぜひ感想を聞かせて欲しい。


きっと、涙と鼻水まみれの顔をしている思うのだけれど。



「今年もね、たくさんの料理を作ったんだよ。」
「あと飾り付けも…頑張ってみたんだ。」
「それに未久の大好きなシチューもたくさん…」


あの日、鳴らされるはずだったベルの音は鳴らなかった。



もう二年はたっただろうか。
ここにくれば、ついてきてくれるんじゃないかなんて期待してしまう。



「こっちに恋。」 
「……なーんて。」
「かっこいいだろ?この文字考えた方天才だと思わないか?」


携帯で目にした言葉に、自分なりの愛を込めて呟いてみた。


「愛にきて。」
「な〜んて返事をしてくれてもいいんだぞ?」


「………。」


返答がないのはわかっている。


「……っと、ちと寒くなったな、待っててな。
いつもの自販機でここあ買ってくるから。」


半年前だったら、しゃがみ続けてすぐ動かせないはずの足も3秒たたない内に、歩き出せるようになった。


「待ってるよ。」


背中から聞こえた声に驚く。


「ははっ、未久らしいや。」


滴る涙が暖かかった。



〜〜〜〜

去年の冬に、下書きのままだったお話(ベルの音のお題)
と、今回のお題を組み合わせて見ました!


お披露目できて嬉しいです。

(NN BOX より。)

4/24/2025, 9:13:47 AM

どこへ行こう。


僕らはどこへだっていける。


そう思っていたあの頃も、理解してしまった今も。


きっと、思う気持ちは変わってない。


蝉の声に、流れる汗。


べとべとしてしまった体と服。


きもちわるいなんて、気にしながらも進む足は止めなかった。


この先に何があるんだろう。


持ち続けていたのは、大きな期待1つ。


子どもには、大きいものも、大人になると小さくなる?


まるで、僕と期待が入れ替わったみたいだ。


空を見上げて、ふと考える。


じゃあ、大人になった僕が、たくさん期待を胸にしたらどれくらい大きくなるんだろう。


って。


昼休憩。


夏はもうすぐ、


縮まった、心に息を吹きかけるように、


大きく深呼吸した。


今年こそは、実家にでも帰ろうか。


「課長、少しいいですか。」


きっと、忘れられない夏になる。








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