「クリスマスかぁ…」
たくさんの喋り声の中で呟く。
色とりどりなプレゼント、イルミネーション。
そして、セールのお姉さんの元気な声……
少し通っただけだったが、
明るいムードに自然と足が速くなる。
少しして、暗い中一人しゃがみ込む。
「クリスマスのプレゼントをもって来たよ。」
今の俺の顔はどんなふうに見えているのだろうか。
…叶うのなら、ぜひ感想を聞かせて欲しい。
きっと、涙と鼻水まみれの顔をしている思うのだけれど。
「今年もね、たくさんの料理を作ったんだよ。」
「あと飾り付けも…頑張ってみたんだ。」
「それに未久の大好きなシチューもたくさん…」
あの日、鳴らされるはずだったベルの音は鳴らなかった。
もう二年はたっただろうか。
ここにくれば、ついてきてくれるんじゃないかなんて期待してしまう。
「こっちに恋。」
「……なーんて。」
「かっこいいだろ?この文字考えた方天才だと思わないか?」
携帯で目にした言葉に、自分なりの愛を込めて呟いてみた。
「愛にきて。」
「な〜んて返事をしてくれてもいいんだぞ?」
「………。」
返答がないのはわかっている。
「……っと、ちと寒くなったな、待っててな。
いつもの自販機でここあ買ってくるから。」
半年前だったら、しゃがみ続けてすぐ動かせないはずの足も3秒たたない内に、歩き出せるようになった。
「待ってるよ。」
背中から聞こえた声に驚く。
「ははっ、未久らしいや。」
滴る涙が暖かかった。
〜〜〜〜
去年の冬に、下書きのままだったお話(ベルの音のお題)
と、今回のお題を組み合わせて見ました!
お披露目できて嬉しいです。
(NN BOX より。)
どこへ行こう。
僕らはどこへだっていける。
そう思っていたあの頃も、理解してしまった今も。
きっと、思う気持ちは変わってない。
蝉の声に、流れる汗。
べとべとしてしまった体と服。
きもちわるいなんて、気にしながらも進む足は止めなかった。
この先に何があるんだろう。
持ち続けていたのは、大きな期待1つ。
子どもには、大きいものも、大人になると小さくなる?
まるで、僕と期待が入れ替わったみたいだ。
空を見上げて、ふと考える。
じゃあ、大人になった僕が、たくさん期待を胸にしたらどれくらい大きくなるんだろう。
って。
昼休憩。
夏はもうすぐ、
縮まった、心に息を吹きかけるように、
大きく深呼吸した。
今年こそは、実家にでも帰ろうか。
「課長、少しいいですか。」
きっと、忘れられない夏になる。
君はささやき見えなくなった。
「また会えるその日まで。」
続きは聞こえなかった。
さよなら。だろうか。
またね、だろうか。
どちらにせよ次に伝える言葉は決まっている。
「久しぶり。」
遠い約束を思い出し、涙を流す。
なぜ発明なんてしてしまったのだろう。
きっと今を生きることが美しかった。
それでも、
今がくらくみえるほど、未来に希望を与えてもらった。
「君と会えるのはあと何年後だろうな、海未。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
装置を作る。
↓
主人公は未来に行き、恋人の海未に出会う。
↓
(今の自分で)もう一度、恋に落ちる。
↓
約束する。
↓
現代に戻って来る。
↓
未来の約束へ想いを馳せる。
フラワーアイ
君の目に僕の花束が映る。
それはだんだんと歪んでいった。
「喜んでくれて、嬉しい。ありがとう。」