失われた響き…
「あーーーーー。」
「ふむ…声が響きずらいのぉ。」
「洲都や、おい洲都やーー!」
「……寝ておるのか…、」
「ここ最近元気がないと思うたら、このお部屋の有り様じゃ…。」
「洲都やぁ、
親からよく言われておったじゃろう?」
「片付けたら、良いものが入ってくる、と。」
「音が響くほど綺麗になさい……と、」
「…今のお部屋は、やんちゃしとるよのぉ、」
「しかたがない、わしが、代わりに片付けようか。」
「…冗談じゃ。」
「わしに、ものを動かす力はもとより備わっておらん。」
「 …… 」
「……そうよのぉ、わしにできることといえば、ここに残ることくらいかのぉ。」
「なぁに、わしの、呼び寄せる力は変わらんよ。」
「いつかでええ。
元気になったその日にまた、大きな声を響かせておくれや。」
「わしは、部屋が汚かろうと出て行く気はないから、安心して眠れ。」
「入ってくるものは、おらぬとも、
出て行くものもおらんのじゃからな。」
光と影
反対みたいに見えるけど、
僕はね、お互いが支え合ってるように見えるんだよ。
影があるから、明るいことが分かるし、
光があるから、影ができる。
僕たちみたいじゃない?
どうかな?
秘密の箱…
そう聞いたら、あなたは何を思い浮かべる…?
宝物を、詰め込んだかわいい箱?
それとも、こっそりお金を貯めている、大切なもの?
…そうだよね。
きっと、夢のあるものを考える人が多いんじゃないかなぁ?
でもね、きっと、僕が持っているものは、おそろしくものろいの箱なんだ。
自分で作ったの?って?あはは、まさか。
じゃあ拾ったの?
それもちがうよ、渡されたんだ。
サングラスと、マスクした人に、これ持っててって。
突然だよ?
え、あはい。 って思わず答えちゃった。
一瞬持っててってって意味かと思うじゃん?
ふふっ、
もう、かれこれ2時間待ってるよ。
…そういえば、
渡してきた人の、ポケットからチケットがはみ出てたな。
今考えたら、遊びにいくために、預けたのかもしれない。
理由はわかんないけど。
あーあ、連絡先くらいきいとけばよかったな。
あー、僕ってほんとお人好し。
でも、こんなに待つとはおもはないじゃん?
渡した瞬間走り去っていったし、
低身長仲間として、よくやっていきたかったんだけどー……
……ここに置いとくの、ありかなーー?
僕はここに縛り付けられてる気がしてならないよ。
ようやくの休日なのに。
……本来の僕なら、移動を終えて、まるかく 遊園地で遊んでる頃だろうなー……
あ、…まじで、一気にブルー。
それに、なんか人の視線感じる。
そろそろ限界かも。
もういいかな?
もういいよね。
ここにおいて……
っ!?!?
「まるかく 遊園地で、事件が起きました。」
「被害は大きく……
あー、全部、わかった。
とりあえず、未来の僕ありがと。
END
※この話はフィクションです。
実在する全てに関係ありません。
解説
読んで頂きありがとうございます!
今回は、最後で謎が解ける感じで書いてみました〜。
1 箱を渡した人は、マスクとサングラスをしていた。
2 ポケットからは、何かのチケットがはみ出していた。
3 低身長仲間
4 お人好しな主人公
5 行くはずだった、遊園地で事件
この話の主人公の彼は、
実験が好きな男の子です。科学が大好きで、のめり込んでます。(すてき)
頭もいいです。
5つのヒントと、自分の趣味から、
本来の自分は、今日、事件に遭った。
なんとか生きて帰ってきたが、
彼はその日のことを回避できないかとずっと考えていた。
来る日も来る日も、実験にのめり込み、ついに完成した装置で、
過去の自分に戻り、
主人公に、謎の箱を渡し、今の場所へ縛り付けた。
自分がお人好しな性格は誰よりもわかっているので、この方法をとりました。
1 箱を渡した人は、マスクとサングラスをしていた。
(自分と同じ顔だと知られないため、事件の後遺症を隠すため。)
2 ポケットからは、何かのチケットがはみ出していた。
(主人公が行く予定のまるかく遊園地のチケットだった。)
3 低身長仲間
(主人公と同一人物のため。)
という感じです。
今の彼は、
まるかく遊園地の事件を、止めたい。 と考えています。
次はどんな方法をとるんでしょうか?
作者も気になります。
台風が過ぎ去って光が差しこむかのように、
君の目を映す。
大雨のあとの君は、
眩しくてたまらない。
必ずではないが、虹がかかるように、
雨が降っても、いいことが起きるのかもしれない。
上書きされた、今日の記憶。
窓ガラスのテープを剥がしながら、
2人で喋った。
変えようのない世界
それでも、
君が見る世界は変えられるはず。
麦茶を出しながら、
明日の予定を考える。
短くも、この季節を楽しむには、どうすればいいのか。
君がいれば、なんでも楽しいか。
雨と君
雨の温度と、君の手の冷たさは似ている。
時に雷が鳴り、僕のために怒ってくれる様もまた同じ。
雷のように予測できない、
その優しさに僕は救われたんだ。
きっと、
君も涙の水たまりを超えて、
僕に出会ってくれたんだよね。
だから、僕は傘をさしたい。
そして、雨に濡れない、靴とカッパも用意しよう。
だって、
今度は、僕の番だから。