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《君を探して旅に出る。》


小説じゃよく読んだけれど、
まさか僕が同じ言葉を発するなんて考えもしなかったな……


「 飛海、何してるの。」


「……んー?…自分探し中。」


「……。」
僕は、小さく息を吐きながら隣に座った。


「…いつもここにくるんだな。」


「まぁーね」


「………」


沈黙が心地いい。


が、今は大切なことを…


「ところで、しめ」

めという言葉がでかかった頃……いや、
正確にはしと息を吐ききった時だったかもしれない。


「いまそれナシ!!!!!!」

大声で飛海に釘を刺された。


「……。」
じっとりとした目で飛海を見つめる。


「……い、いや…サ、
ほら……逆に書くためにここに来たんだし……???」


「たっつんが、来てくれたことだし、さっそくそれを題材に書こうじゃないか!!」


「……ところで、し」


「んだからッッッ!!!」


「…めなわ飾った?」


「……」
飛海が口を尖らせてしまった。


「…僕も手伝うから。」

「ほら…どこで詰まってるの?」



「……いい、いじわるしたもん…たっつん」


「ん、もーー………」


「へっへーうそだよ〜ん」


「……」


「たっつんにしかえししてやったなり〜〜!」
「……探しに来てくれて、ありがと。」


「…これも僕の仕事だからね。」


「ふーーーん???」


「やめろ妙ににやにやするな。」

「…え〜してないよーー」


「…!これいいんじゃないか?」


「…?」


「素直になれない二人の小説書くとか。」



3/15/2025, 5:52:29 AM