ここじゃないどこかを
見つめるふりしてもさ
たぶんばれてんだよ
そうだよ
君がいる方をずっと見てる
とはいえ見えるのは灰色の壁
良くて青色に光る窓達
どうしようね 困っちゃうよ
僕はもう君の顔を思い出せないんだ
記憶の中にある君を
綺麗だと思ったことは憶えてる
最後に会った君と
「久しぶり」すら交わせなかったことは
いっそ忘れてしまいたい
どれだけ目を眇めたって
いつも君の存在はなくて
欠片でもいいから見つけたいのに
そんなものなくたって構わない
と思ってしまうんだ
痛みが苦しくなってきた
最後になるかもしれないから
いつもそうやって覚悟決めてたから
そんなに寂しくはないんだよ
だけど少しだけ
君の笑顔を思い出したいな
どれだけ君とまた会ったって
君は僕の向こうを見つめてる
だとしても君と目が合うことが
ほんとに僕は嬉しくてさ
いつか君の見てる何かを
見れるくらいになりたいや
これからも、ずっとずっとあなたが1番
って言いたいけど
たぶん無理だね ごめんね
だけどさ 今の僕には言えるんだよ
心からそうとしか思えないんだよ
これから先もあなたが1番って
なんて 今だけかな
この先あなたより好きな誰かと出逢いたいのに
やっぱりそう思うってことは…
って考えちゃって
もうどうしようもないんだ
今ここにいる僕はあなたが世界で1番
それがわかってるから
僕の隣に君はいないけど
大丈夫 構わない
君の好きなあの人と幸せな姿を見せて欲しい
それは僕の永遠に続く幸せ
何を願えば届きますか。
どんな言葉ならきいてもらえますか。
あなたのいない星空の下で、
もう夜に潰されてしまいたいんです。
「バーボンをロックで」
そんな言葉が虚しく響く。
六畳一間に私は独り。
いつか言いたいの、
そう言ってた君のかわりに、孤独を背負って。
いっそ雨が降って欲しい。
君以外と見る星なんて、
ただの夜空なんだ。
飛んでいく君を
追いかけなかった私への罰が、
綺麗だと言い合った天の川で
溺れる君の夢。
生きてあなたといたい。
汚い君の字を見た途端、
もう誰もいない君の体に
透明な涙をひとしずく。
ごめんね、ごめんね、
出てきたのは唸り声だった。
「大丈夫?」
何度この言葉を言われたかわからない。
「何が?」
あと何度そう言えばほっといてもらえるだろう。
そんなこと思っちゃうのは、
全部あなたのせいなんだよ。
それにしても、神様って酷いよね。
いくらあなたが全てを委ねる相手でも、
私はあなたのために神様に頼ってたんだから。
それなのに
私の世界からあなたを連れ去ってしまうなんて、
なんて試練を与えてくるんだ。
でもあなたにとっては違うかもね。
神様の御元へ招かれたんだから。
「神様がいるから、私は一人でも生きていける」
と言ってたあなたは。
でもさ、私は見たくないよ。
あなたの姿を前にして
涙を堪えきれないあの人の横顔も、
悲しくて寂しくて
嗚咽をもらすあいつのつむじも、
まだよくわかってなくて
「ママは?」と首を傾げるあの子の少し空いた口も、
全部、見たって嬉しかないよ。
元気にしてましたか?
今、私はあなたの肉体を前に
あなたに語りかける。
やっと会えた、
何年ぶりだろうね?
私はあなたに再会するために生きてきたのに、
なんで、あなたのこんな顔見なくちゃいけないの?
「ねえ神様。あのさ、
ちゃんともてなしてよ?
その人は私の大切な人なんだから。
世界で一番好きな人なんだから。
きちんと愛するために、
私は神様に祈ったんだから」
今日はあなたの顔を見れる最期の日だから。
もし奇跡が起こって、
あなたが私の顔を見ることがあったらって思ってさ、
そういう時のために、
私は今日ちゃんと笑顔でいるよ。
言いたくないな。
でも、でも、
さようなら。
ひとつだけ、
ひとつだけわがままを言うなら、
またあなたに会いたい。
あなたの姿を、あなたの声を、
僕の五感でとらえたい。
どれだけ頑張っても、
あなたにさようならは言えそうにないんだ。
こうやって書くだけで、
悲しくてたまらなくなってくるからね。
会う度にこれが最後かもしれないなんて
思ってみるけど、
だからこそ悔いのないように
笑って手を振るけれど、
だけど、
本当はいつもあなたに会いたい。
毎日のようにおはようを言えた日々は
たしかにあったんだ。
それがどれだけ幸せなことか。
それにどれだけ元気づけられたか。
あなたに会える、たったそれだけで、
僕は何日だって、何週間だって頑張れたんだよ。
ねえ、もうひとつのわがままを呟いてみるから。
健やかであれ。と。
大丈夫、きっとまた会いに来るよ。
大丈夫、だから、僕は、大丈夫。
信じて、手を振るんだ。
またね、がふさわしい僕でありたい。
じゃあ、また。