やまめ

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3/24/2024, 1:52:13 PM

 元気?今日は朝から雨が降ってるよ。見えてる?
 君の住んでるところは、ずっと晴れているのかい?それとも、もうそんな概念自体、存在しないのかな。

 君の顔を最後に見たあの日は、ほんとにすごい雨だった。君との別れが延びるかもしれないなんて、見せかけの希望が頭をよぎったけれど、そんなことはなかった。額縁に収まったいつかの君は笑っていて、同じ空間に生きていたはずの君は澄ました顔で目を閉じていて、思わず蹴っ飛ばしたくなったよ。
 ざーざーしとしと、うるさかった。僕の涙が流れない分、雨はずっと降り続いた。

 …ねえ、夕方には止むらしいよ。虹が出たらいいな。そしてそれが、君からも見えたらいいな。

 あれ?おかしいな。なんか、雨で溺れちゃったみたいに視界がぼやけてる。頬が濡れてべたべたするよ。
 君にあげようと思ってた花束に、僕から溢れた雨粒が落ちちゃった。花びらに雫、綺麗だよ。

 ごめんね、挨拶しに行くの遅れちゃって。今から行くから。

 傘は、もうささないよ。

3/23/2024, 4:50:38 PM

僕が関わりたいと思う人たちは、どうでもいいと思えない人たちは、そりゃ皆、好きだよ。だけどね、どうしても、あの人だけは違うんだよ。
世界で一番、大好きだと思ってしまうんだよ。
だけど、願う愛の形は、他の人と一緒なんだ。幸せでいてほしい。ただそれだけ。僕はそれを、見ていたいだけ。
そりゃ、思ったよ。僕があの人を幸せにできたら、って。だけど、あの人はもう十分幸せそうで、じゃなくてももう十分1人で立ってて、僕はあの人と同じ世界でたまたま生きている(だけかもしれない)というひとりとしてしか、たぶんあの人を幸せにできない。いや、もうそれで十分なんだけどね。
僕自身があの人を特別に思う気持ちは、ただ単に愛なんだ。僕にとって特別なだけなんだよ。
いいんだな、僕はこれでいいと、本当にそう思ってるんだ。
だけどね、生きててほしい。曲がりなりにも、僕はかなり深くあの人を愛してる。そんな人、また会いたいなって思うに決まってる。また会いたいじゃないか。

だからさ、誰にも死ぬなんて言って欲しかないよ。躊躇うってことはさ、躊躇うくらいには人の中で生きてきたんでしょう。なら、あの人を想う僕みたいに、あなたを想ってる人、いたっておかしくないんだよ。それが、あなたが生きている、そして生きていた、証拠品だよ。一ミリでも大切に思われてるって思うなら、そう思ってる人たちをあまり傷つけたくないって、思うなら、どうか、その人たちの世界から消えないで。ありきたりな人たちの中から、ありきたりなひとりが消えることは、僕にとってはありきたりな出来事じゃないんだと思う。
これを読んでくれた人は、もう僕にとってはどうでもいい人じゃないからさ。ありがとう。

ところでさ、僕ごなんでやまめって名前にしたかっていうとね、あの人が僕のシャツにプリントされてたやまめを見て、「やーまーめ。」って読み上げたことが、なんとなーく忘れられないからなんだ。自分の存在って、思っても見ないところで生きてたりするよね。

詭弁かな。諭してるみたいだね。そんなつもりはないんだけどさ。

3/22/2024, 3:21:52 PM

ほんと、バカみたいだと思ってるよ。あなたに届く訳ないのにさ。それでも心の中で話し続ける。無駄な時間、だとは思わないからさ。
あなたからもらったどうでもいいメモ、あなたがくれた些細な日常、ささやかな言葉、全部全部捨てられないんだ。
卒業式の後、初めてあなたを抱きしめたよね。交際禁止の3年間で、私が育んだのは、健やかで温かな、恋なんかどうでもよくなるくらいの、物語の世界をいくつもつくりあげてしまうくらいの、大きな愛だった。
あなたを抱きしめた時、ただ安心が私を包んだ。やっと、私にもこの資格がある。愛を以てあなたを抱きしめることができる。ようやく、ここまで歩いてきたんだ。
あなたがいることで、こんなにエネルギーを費やしたおかげで、あんなに美しい物語が書けるのなら、私はバカでもいい。バカみたいだと笑われてもいいんだ。
知らないでしょう、私がどれだけ幸せだったか。あなたのおかげで、あなたがいたから、それを何度繰り返してきたのか。
もう足踏みしない。あなたが生きていると、バカみたいにそう信じるよ。
だから、さようなら。そしてまた会おう。

3/18/2024, 7:00:48 AM

泣かないよ、心だって泣いてはないしさ。
ただね、それでもね、いつか寂しくなるんだろうね。
信じてるから、寂しいなんて思えない。いつかまた会うって、あなたは明日も生きているって、そう信じている。
去り際にあなたを抱きしめた。あなたは柔らかく私を抱きしめ返した。
どうか、消えないで。なんて望めやしない。実感もないし。だってここにあなたの身体があるのを、今身をもって知ったから。疑いようがないほどに。
でもね、向かいのホームのベンチに座るあなたが、早く目をそらせって言ってるみたいに儚く笑ってるんだ。泡みたいに、いつパチンと消えちゃうかわからない。
あーあって目を閉じた。
泣かないから、涙だけは見逃してね。

1/15/2024, 2:12:17 AM

どうして見た目で判断するの。
どうして決めつけるの。
どうしてこっちが正解だと笑うって思うの。

どうしてうまく飲み込めないの。
どうして。

どうして、

多様性なんて言っちゃうの。

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