泣かないよ、心だって泣いてはないしさ。
ただね、それでもね、いつか寂しくなるんだろうね。
信じてるから、寂しいなんて思えない。いつかまた会うって、あなたは明日も生きているって、そう信じている。
去り際にあなたを抱きしめた。あなたは柔らかく私を抱きしめ返した。
どうか、消えないで。なんて望めやしない。実感もないし。だってここにあなたの身体があるのを、今身をもって知ったから。疑いようがないほどに。
でもね、向かいのホームのベンチに座るあなたが、早く目をそらせって言ってるみたいに儚く笑ってるんだ。泡みたいに、いつパチンと消えちゃうかわからない。
あーあって目を閉じた。
泣かないから、涙だけは見逃してね。
3/18/2024, 7:00:48 AM