その人はいつも雨を楽しみにしていた。僕からすれば、濡れるわ湿気で髪は酷いわ頭痛がするわで嫌なことなんて一つもないのに。
「雨の音が好き。匂いも雨空も」
という、全く共感できないことを言ったのだ。何を持ってそんなふうに思えるのか。彼女の思考回路は分からない。もともと頭のいい人だとは思っていたけど、失礼ながらその部分には尊敬の気持ちが生まれなくて。ふぅん、という気持ちで聞き流していた。
「あとあれ」
窓の外を指差す彼女につられ僕も同じ方向を見る。校庭のそばには紫陽花が咲いていた。
「紫陽花?」
「うん、雨の日だと一層綺麗に見えない?」
「まあ、そうかもだけど」
梅雨時の代表的な花だから雨と相性がいいんだろうな。紫陽花と一言で言っても最近は品種改良が進んでいるせいか、様々な色形のものがある。僕の知ってる、ちょっと青みがかった紫の紫陽花ももちろん校庭に咲いていた。でもそれ以外に、ピンクだったり白だったり、ちょっと変わったグラデーションのものもある。不思議なもので、彼女と並んで見ていると雨なんかどうでもよくなっていた、紫陽花を引き立たせるために降っているんだと思うと、そこまで厄介なものじゃないかもしれない。
「紫陽花の花言葉って知ってる?」
「全く」
「ふふふ」
教えてくれないのかよ。彼女は含み笑いを僕に見せ、また窓の向こうへと視線を飛ばした。
そろそろ関東は梅雨入りだ。雨続きの毎日が続くのだろう。でもこんなふうに彼女がご機嫌になるなら、期間限定で、普段よりも雨の煩わしさを感じないかもしれないな。
キミはアイツが好きだけど、アイツはあの子のことがずっと前から好きらしい。でも、あの子はアイツのことなんか好きじゃない。むしろ嫌いなんだそうだ。あの子が本当に好きなのはあの子の友達の彼氏なんだって。とんだ修羅場だな。で、その彼氏は本当は今の彼女のことなんか好きじゃないらしい。流れで付き合ったけど、本当に好きなのはその彼女の妹なんだってさ。その妹ときたらこれがまたけっこうヤバいやつで。お姉さんの彼氏から好かれてるのを自覚してるらしく、好きでもないのにわざと2人の仲をかき乱そうとしてるんだって。妹自身は彼のこと、好きなんかじゃないんだよ。彼女の好きな人は、まさかの僕。でもそんな過激な子から好かれたところで僕は好きになれないな。むしろ嫌いな方だ。ていうか僕にだってちゃんと好きな人、いるし。誰だと思う?なんでこんな話をキミにしたんだと思う?いろんな矢印があっちこっち向いててすごい相関図だよね、ようやくスタートのキミにまで戻ってきた。僕の矢印は、キミに向いている。キミはアイツが好きだけど、僕だってキミが好きなんだよ。
今日は、お題無視します。
今日はめちゃめちゃ嬉しいことがあった。
仕事で褒められた、即戦力だと見なされてるんだと思った、もっと頑張ろうと思った。
ちょーーーーーー嬉しかったからただの日記。
明日からまたお題のお話書くのがんばろ。
・作ったことないメニューに挑戦する
・花に囲まれた生活
・バーチカル手帳を作る
・将棋のルールを覚えたい
・スタバでカッコよくカスタマイズしてみたい
・オーダーメイドの香水を作りたい
・スカートをたくさん履く
・某有名な激辛専門店に行ってみる
・旅行をたくさんしたい
・行ったことない場所、見たことないものを沢山見たい
・自分に似合わないと思ってる色の洋服を着こなす
・共通の趣味の友達を増やしたい
・
・
・
とりあえず今は、こんくらい。
毎日、身の丈にあった、平和で穏やかな生活を送りたい。
これが一番のやりたいこと
どんなに辛い日だって、明けない夜は無いんだよ。
昔、ある人が僕にそう教えてくれました。
その人は優しくて温かくて、怒ったところなんか一度も見たことがなかったのです。
けれどある日、その人のご主人が事故に巻き込まれて帰れなくなってしまいました。その日から彼女は人が変わってしまった。暗い部屋に閉じ籠もり、もう出ないはずなのに涙を流し、人じゃないみたいな奇声をあげていました。
その日を境に、あんなに綺麗で優しくて笑顔の絶えない人が一切笑わなくなってしまいました。僕はそんな人の豹変ぶりを目の当たりにして、誰も信じられなくなってしまいました。
僕の悩みなんて、世間一般的にはせいぜい大した事ない部類に入るんだろうけど、突然もう何もかもが怖くなってしまいました。人も、外の世界も、太陽も。
誰とも関わらなければ諍いも生まれやしないから、ずっとこの閉ざされた空間の中で生きてけば問題ないじゃないか。そう思っていたのに。
ある日突然君という人間が僕の前に現れました。
僕のことを軽蔑するでも鼻で笑うでもなく、そっと手を差し伸べてくれました。なんでか分からないけど、僕はその手を掴んみました。僕より温かくて小さくて柔らかな手。そのまま窓の側まで連れ出され外を僕に見せてくれました。あんなに怖かった太陽が煌々と空に昇っていました。眩しくて光が目に染みて痛い。でも不意に、あの人のことを思い出しました。いつも優しかった彼女。最愛の人を亡くして変わってしまったけれど、それはとてつもなく絶望していたからだと知りました。誰かが彼女に寄り添ってあげてればもしかしたら、彼女は今ごろはとっくに笑顔の毎日を送っていたんじゃないかな、とも。今さらそう思っても意味はないけど、今朝日を浴びながらふと思ったのです。
僕も彼女も、その他大勢の人も。泣いたり笑ったり絶望したり裏切られたり死にたくなったり。でもどうにかして、生きてゆくんだな。
それでも、どんなに辛くとも明けない夜はない。あの時の言葉が頭の中で広がる。彼女の言うとおりです。夜は必ず明けるし、時は流れる。
僕が克服できたように、あの人もどうか、寂しさとか絶望から解き放たれるように祈ってます。
そして君よ、ありがとう。間違いなく、君は僕の光です。これからもずっと。