ゆかぽんたす

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5/17/2024, 7:37:59 AM

あたしはたぁくんが好きでたぁくんもあたしが好き。だからお互いの言うことは何でも聞くべきだと思うの。
なのに今日、あたしのお願いにたぁくんは「無理だよ」と言った。なんで、って聞いたらたぁくんはすごく困った顔をした。呆れてるふうにも見えた。そんなことも分からないのかって顔で、あたしのこと見下してた。たぁくんの全部が大好きだけど、その顔はあんまり好きじゃなかった。
それでもあたしは食い下がる。なんで言うこと聞いてくれないのって、しつこいくらいに問い詰めた。あたしのこと好きでしょ?愛してるでしょ?なら、あたしの言うこと聞いてってば。
「そんなの愛じゃない」
それだけ言って、たぁくんはあたしのもとから離れてった。何それ、どーゆう意味?愛じゃないって、何?あたしのお願い、どうして聞けないの?隣りのクラスの子がたぁくんのこと色目使って見てたから、“その女にブスって言ってよ”ってお願いしたの。なんでそれができないの?あたしのほうがあの子よりかわいいでしょ?もしかして、あの子のことかわいいとか思ってたりするの?
まさか、そんな、やだよ。絶対許さないからね。あたしのこと愛してるでしょ?愛してるって言ってよ、ねぇたぁくん。
バカみたいに叫んで、周りの視線浴びるくらい喚いたのに、たぁくんは戻ってきてはくれなかった。バカ。さみしいよ。
……もしかして、あたしのこと試してるの?これで愛想尽かさないかって考えてる?
そんなわけないじゃん。あたしはいつまでもたぁくんのもの。いつまででも待つからね。だから早く迎えにきてよ。あたしのこと置いてっちゃってから、もう丸一日ここにいるの。勝手に動いてもし入れ違いにたぁくんが来たら悪いかなって思って、ずっとここに座ってるの。みんなが見てくるけど、全然気にならない。まだかなまだかなって、ずっと待ってる。待ってるからね、あたしの王子様。

5/16/2024, 8:00:42 AM

あんな顔させるつもりじゃなかったの。
本当に今さらだけど、
もう何言っても許されないかもだけど。

ごめん。

本当は大好きだったよ。
あんなの嘘だよ。
心にもないこと言ったって自分でも分かってる。
反省してる。
悪かったと思ってる。

やっぱりもう、私たち無理かな。
もとに戻ろうだなんて虫が良すぎるよね。
ごめんね、最後まで迷惑ばっかりかけて。
もう何も言わないから。
あなたのこと、思い出にするから。
だからどうか、幸せになってね。
1日でも早くこの後悔の気持ちが、あなたへの感謝に変わるようにするからね。

今までありがとう。
さようなら。

5/15/2024, 1:19:00 AM

「なら、今なんじゃない?」
彼女は言った。まるで息を吐くように、さも簡単に、当たり前のように。
正直、そんな軽々しく言うなよ、と思った。これはオレだけの問題じゃない。周りのこととか、他にも都合云々が関わってくると言うのに。
「そんなの言い訳だよ。始める、って決めたんなら、あとはなんにも考えずにやってみればいいんだよ」
ほらまた、そんなふうに。生憎オレはそんな楽観的に考えられる質じゃないんだ。物事を決める時は、慎重に、確実に。石橋を叩いて渡るような生き方のほうが良いんだから。
「でもそれだとあなたは、石橋を叩いて壊してるよ」
あれこれ余計なこと考えすぎて、せっかくの橋を自分で壊しちゃってるんだよ。これまた彼女はひょうひょうと言った。そんなこと初めて言われたから、何も返せなかった。同時に納得もしてしまう。時には大胆になりなよ。まるでオレの心にとどめを刺すかのようにそうつけ加えた。
「明日のことは明日の自分がなんとかしてくれるんだから。あれこれ考えたってしょうがないでしょ」
羽のように軽い声と笑顔だった。きっとオレは、この何百倍の頭の重さをしているんだろう。たしかにこんな鉛みたいな考え方じゃ、いつまでたっても変われないよな。
さっきから彼女の言葉はまるで魔法の呪文のようにオレの心に響いてくる。聞いてるうちに何でもできそうな気がしてくる。
そして、次の言葉がとうとうオレを突き動かした。
「たまには委ねてみなよ。風に身を任せたら、案外遠くに飛べちゃったりして」
風に任せる、か。うまく乗りこなせたら、予想外な場所へ連れて行ってくれるかもしれないな。だからもう文句を垂れるのはやめよう。オレは黙って頷いた。彼女はにっこり笑ってくれた。
有難うよ、オレよりずっと若い魔法使いさん。

5/14/2024, 9:08:22 AM

なんで。

こうなるの。




好きになんかならなきゃよかった。

5/13/2024, 9:28:31 AM

ずっと子どものままでいられたら、あの人のこと独占できるのにな。
だからあたしは大人になんかなりたくない。
子どものままなら、あの人が心配してくれるから。
あの人が、あたしの名前を呼んで毎日駅まで迎えにきてくれるから。
今日もほら。
あたしの分の傘まで持って改札の前で待っててくれる。

はずだったのに。
あの人は一人じゃなかった。
隣りに綺麗なお姉さんも立っている。
あんな綺麗な人見たことない。
私に気づくとにこりと笑って顔を傾けた。
同じアパートに引っ越して来たんだって。
それで、意気投合してお付き合いを始めたんだって。
“意気投合”って言葉ですべてを片付けられた気がした。
美鈴ちゃんもいつかきっと素敵な人に出会えるよ、って。
そんな無責任なことも言われた。
大人ってみんなこう。その場しのぎのことしか言わないの。
だからあたしは子どものままでいい。

あの人とお姉さんは、私を送り届けたあとまた駅に戻っていった。
これから電車に乗ってどっか行くのかな。
子どものあたしには分かんないけど、そう遠くないうちに2人は一緒になる気がする。

くやしい。

くやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしい。

大人にならなきゃ勝てないじゃん。
子どものままでいたいのに、これじゃ最初からあたしの負けじゃん。
それを知ってから、あたしはもう子どものままでいたいなんて思わなくなった。
明日から、あたしは大人になる。
何をもってして大人に認定されるのか知らないけど、あの人の知らないところでこっそり大人になってやるんだから。

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