ゆかぽんたす

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3/28/2024, 9:54:38 AM

あぁ
君のことを思うたびこの胸の高鳴りは止まらないよ
どうすれば、君にこの気持ちを伝えられる?
僕はもうこんなにも恋に落ちている
届け僕の熱い思い
きっと受け入れてくれるよねMy Heart
今すぐにでもI want you
君とならどこまでも駆け抜けていけそうさ
さぁ
僕らの羽根を休めるにはまだ早い
恐れないで
僕を見つめて
君の瞳に今からTake offするから











「みたいなことを書き綴っていたポエムノートを何処かに落としてしまったんだ」
「それ、死んだほうがマシなヤツだな」
「あぁ……」
昨日からいつも持参しているノートがない。そこには僕の愛の叫びが惜しげもなく書き記されている。いわゆる僕の趣味だ。その、僕の痛々しい本性を唯一知っている友人にこのことを打ち明けたら憐れんだ目で僕を見てきた。
「とりあえず、どーするよ?思い当たる場所はもう探したんだろ?」
「探した。けど無かった」
「じゃもう誰かが拾ったんだな」
「おそらくそうだろうな」
「ワンチャン、センコーが拾ってくれればいいのにな?そしたら別にそこまで大ごとにならないで済むんじゃね?」
「まぁ……そのほうが傷は浅いのかもしれない」
「あの、」
僕らの会話の中に1人の女子生徒が入ってきた。確か隣のクラスの子。あんまり話したことはないが顔は知っていた。そして、その彼女が手にしているのがA6サイズの見慣れたノートだと知った瞬間、全身の毛穴から一気に汗が吹き出てきた。
「そ、そそそそそそそそ、それ、は……」
「やっぱり、七瀬くんのだったんだね。はいこれ」
「や、あ、ど、なっ、あ、その、がはっ」
「落ち着けよお前」
友人が僕の背中をばしんと叩く。息を吸うことをすっかり忘れていた。気を取り直して、いや取り直すなんてもう無理なんだけどさっきより気持ちが落ち着いたので僕は彼女に話しかける。
「これ、どこにありましたか?あっ、拾ってくれてありがとう」
「学食のテーブルに置かれてたよ。もしかして昼休み行ったんじゃない?」
「行きました……」
「うわあ」
僕も友人も考えていることは多分同じだ。このノートは学食なんていう大勢の生徒が行き来する場所に放置されていた。ということはつまり、ノートの中身を見たのは彼女だけじゃない。何人、いや、何十人もの生徒たちが僕の愛の言霊を読んで笑いものにしたんだろう。どうしよう、汗が止まらない。おまけに目眩までしてきた。友人の言うとおり、いっそ死んだほうがマシなのかもしれない。
「ごめんね、誰のだろうと思ってちょっと中見ちゃったんだけど……」
「ヒイ」
「七瀬くんって、すごくロマンチックな人なのね。じゃあね」
「へ……?」
てっきり、“キモイウザイヘンタイ”のたぐいの言葉を浴びせられるかと思ったのに。そうではなくて、彼女の口から出たのは、まさかの称賛だった。
「おい、やったじゃねーか!」
やった……のか、これは。分からないけど、彼女は僕にそれ以上追求することなく行ってしまった。僕は阿呆みたいに、彼女の後ろ姿をじっと見つめていた。やがえ姿が消えても、ずっと。
「多分お前のそのノートの中身に共感したんだろうな」
「そうなのか……?」
「だとしたら、やることは1つだ。そうだろ?七瀬」
「お?」
「その隠れてコソコソ書き溜めたクサイ言葉集を今こそその口で言うんだよ。もちろん、2人きりの場所で」
「な、なんだって」
「俺がお膳立てしてやるからよ。そしたらお前、晴れて初彼女ゲットだ。ついでに……童貞卒業も近いかもしれねーなぁ?」
友人が意地悪くにやりと笑う。余計なお世話だ、と反論したが、はたしてそんなことあり得るのか?
「それまでに、新作作っとけよ」
「お、おお」
なんだかよく分からないが、できる気がしてきた。
そうだ。僕はやればできる子なのだ。あの子にだってきっと届く。待っててくれ。この僕のおさまらないMy Heartを、胸のビートに刻みつけてやるからさ!

3/27/2024, 8:51:06 AM

あの子より、私のほうが幸せ。
私のほうが頭が良いし、沢山の洋服やブランドバッグを持ってる。お小遣いだってママにお願いすればいつでももらえちゃう。
なのになんで、こんなに私のほうが沢山持ってるのにあの子に勝てないんだろう。
あの子のお家は貧乏で、毎日小さいお弁当持参してて、毛皮のコートなんか持っちゃいない。でもいつも楽しそう。私よりも周りに女のコが集まってくる。なにかくだらない話題で楽しそうにみんなでケタケタ笑ってる。

バカみたい。

私のほうがすごいのに。
私のほうが恵まれてるのに。
そんなふうに無理して笑う必要ないのに。

なんだか面白くなくて、いつもあの子の周りにいた女のコたちとってみた。新商品のコスメあげるよ、って言ったらみんなあの子を置いて私のほうに来た。友情ってちょろいもんね。
あの子はめでたく独り。さてどうしてるかなって思って見てたら黙々と読書をしてた。友達もいなくなっちゃったから、することないんだな。いい気味だなって思ったの。
なのにあの子はちっとも寂しそうじゃない。ずっと動かず本に夢中になってる。とうとう同じクラスの男の子に「何読んでるの」って話しかけられてた。あっという間に2人は仲良くなって、何か楽しげに談笑しだした。

嘘でしょ。
どうしても独りじゃいられないわけ?いつもそうやって、誰かを巻き込むのが得意なんだね。

バカみたい。

ううん。

バカなのはあの子じゃない。

たぶん、バカなのは私。

3/26/2024, 9:46:22 AM

なんなの、アイツ。

好きじゃないのに目に入る。だって私の前でやたら転んだりプリントぶちまけたり物落としたりしてんだもん。そんなに注目されたいわけ?
「あ……ごめん、ありがとう」
別に無視しても良かったけど、あまりにも派手なコケ方するから見て見ぬふりできなかっただけ。どんくさいったらありゃしない。
よくあれでいつも試験の順位上位取れてるよね。頭の良さと反射神経は比例しないってことか。
「助かったよ、ありがとね」
まき散らしたプリントを抱えてアイツはどこかへ歩いてゆく。あんな量1人で抱えてるから落とすんだ。もうひとりの学級委員に頼めばいいのに。……ていうか、あたしが持ってあげても良かったけど。頼まれたらそうしてたけど、いっか。もう行っちゃったし。せいぜいもう転ばないでくださいよって感じ。
はーあ。アイツのせいで昼休みの時間減っちゃったよ。アイツはご飯、食べたのかな。なんかまたパシられてそのまま食いそびれてそう。これから学食行くけど、パンでも買ってってあげようかな。もちろん金とるけど。
……気が向いたら、買ってあげよ。

3/25/2024, 1:25:25 AM

今日は全国的に晴天に恵まれるでしょう。

『あ、もしもし?今日さ、予定無くなっちゃったから会えることになったんだ。どうする?会う?オッケー、そしたら2時過ぎに駅前でよろしく。また連絡すんね』

ですが、場所に寄っては雲の多い気候となりそうです。

『ごめーん、なんかバイトの先輩が熱出たっぽくてヘルプで呼ばれちゃった。今から来れる?って店長から電話きて断れなくて行くことになった。だから行ってくんね。ほんとごめん。もし、早く上がれそうなら電話するから』

また、沿岸部のみところにより雨でしょう。

『やば。なんかあたしの乗ってた電車が人身事故起こしたっぽい。げー、マジでこれじゃ遅刻だよ。そうなると多分最後まで出るようかも……今日会えないかも』

ですが雨は一時的で次第に天気は回復するでしょう。

『今店長から連絡来たんだけどさ、今日はそんな混んでないから残りの人でまわせるって。だから来なくていーよーだって。なんなん、最初からそう言えし。ま、いっか。おかげで行かなくて良くなったんだし。てことでめでたくあたしフリーになりました。今どこにいんの?あ、そうなの、ならあたしがそっち向かうよ。どっか適当に店入って時間潰してて。なるべくいそぐね!』

3/24/2024, 9:47:56 AM

気づいたら目で追ってる。そんな存在。
向こうは僕のこと名前すら知らないかもだけど。
僕は、君が優しくしてくれたあの日からずっとあの笑顔が忘れられないんだ。
行動しなきゃ距離は縮まらない。僕のこと認識すらしてもらえない。
だからいい加減こんなふうにコソコソしてないで話しかけなきゃいけないんだけど、勇気が、なあ。
でもそんなことしてたら君は誰かにとられちゃう。それも嫌だ。だから意を決して話しかけるよ。めちゃくちゃ緊張する。どんな顔向けられるんだろう。不安ばっかり頭によぎる。
でも、それでも君のこともっと知りたいから。僕の一匙にも満たないような勇気を振り絞って。今から君の名前を呼ぶから。だからどうか、受け入れて。
「ねぇ、あのさ――」

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