NoName

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12/13/2024, 12:34:29 PM

愛を注いで
足りない足りない足りない足りない
私には愛が足りない
お母さんもお父さんもお姉ちゃんも友達も
私を愛してくれなかった
心に空いている大きな穴が、幸せを簡単に取りこぼす
お願い
誰でも良いの
私に
哀れな私に
愛を注いで

12/12/2024, 1:09:29 PM

心と心で通じ合う
そんなことが本当に可能なのだろうか
人間は生きているうちでたくさんの人と関わりあう
しかし、以心伝心で、言葉に出さずとも相手を理解することはできないだろう
だから人間関係のトラブルは無くならないのだ
自分が思うに心と心で通じ合うということは言わずも理解し合うことではなく、理解できない事を相手に質問し、快く答えるという関係性なのではないだろうか
人間は言葉を持っているのだから、言葉がなくとも理解するという現実的ではない、まるでアニメのような人間関係は諦め、自分の言葉で一つ一つを相手に伝える事だ
それが心と心で通じ合う最大の近道であろう

12/11/2024, 2:08:12 PM

「あなたはなんでもない風に装うのが上手ね」
 少し肌寒い季節になったある日、初めて僕がプロポーズした、世にも珍しい赤色の砂浜で君は目を細めて笑った。
 その様が何とも寂しげで、僕は思わず眉を顰めた。
 でもね、僕は思うんだ。
 君の方が何でもない風を装うのが上手だと。
 本心を見せてくれない君に腹が立つ。
 だから僕も、たとえ君が泣いて僕に「教えてくれ。隠し事を全て打ち明けてくれ」と縋ったって、絶対に教えてやらない。
「そうでもないさ」
「そう?」
 また二人の嘘が海に沈む。

12/10/2024, 12:46:00 PM

「信頼できる仲間を探しているんだ」
そう言って手を差し伸べてきた勇者を、怪訝そうな顔で見上げる魔物
「僕は人間を殺した魔物だ。信頼も何もないじゃないか。憎むべき存在じゃないか」
そう言うと勇者は憐れむように眉をひそめ、
「それは彼らが君を殺そうとしたからだろ。正当防衛さ。それに僕は君を信じちゃいない。僕は、君を信じる僕自身を信じているんだ。」

懐かしい夢を見ていた
魔王を倒した勇者一行は既に死去している
今、世界の秩序を守っているのは、勇者一行の生き残りである魔物、たった一人だ
「ねぇ、なんでせかいのちつじょをまもりつづけているの?」
街の子供が尋ねると、魔物は決まって答えるのだ
「僕は彼らが迎えにきてくれるのを待っているんだよ。だって彼らは唯一僕を信じてくれた『仲間』だもの」
彼にとっての仲間は種族でも年齢でも性別でもなく、本当に信頼できる存在なのだろう
勇者が彼を信頼していなくとも、この魔物は心の底から勇者たちを仲間と思っているのだ

12/9/2024, 1:00:50 PM

日の沈む中、小さな小さな手を繋いで、帰宅道を歩いていた
小さな小さなその手のひらは、似つかわしくないギュッと力強く私の手を握る
ニカっと笑い、
「お父さん、今日の晩御飯は何?」
と聞く
嗚呼、この生活がいつまで続くのだろうか
幸せは永遠には続かない
だから、私はこの手の力強さを忘れないように、この子に負けないようにギュッと握り返し
「お前の好きなものさ」
とキザに答える
この日が永遠の思い出になりますように

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