NoName

Open App

日の沈む中、小さな小さな手を繋いで、帰宅道を歩いていた
小さな小さなその手のひらは、似つかわしくないギュッと力強く私の手を握る
ニカっと笑い、
「お父さん、今日の晩御飯は何?」
と聞く
嗚呼、この生活がいつまで続くのだろうか
幸せは永遠には続かない
だから、私はこの手の力強さを忘れないように、この子に負けないようにギュッと握り返し
「お前の好きなものさ」
とキザに答える
この日が永遠の思い出になりますように

12/9/2024, 1:00:50 PM