NoName

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10/14/2025, 12:38:07 PM

大きな梨が一つ
僕の手の中に落ちていた
丸々と太った 黄金に輝く梨の実だ
父はそれを取り上げて 一つ一つ丁寧にコンテナに積んでいく
それらは見知らぬ人の手に渡るだろう
それがなんだか悔しいような けれどもなんだか嬉しいような
甘くて 水々しくて 幸せを感じる
この小さいようで大きな生命の種の素晴らしさを
誰かと分かち合いたいと 思っただけなんだ

3/25/2025, 1:30:32 PM

人生は長く、そして悲しみに包まれたものである
人との出会いと別れ
永遠の時間を共に過ごすことは許されない
大切なあの人だって
記憶の中でしか会うことができない
会いに行くのは簡単なのかもしれない
きっと、決意が固まればいつだって会いに行ける
でも、そうしないのはきっと
記憶の中のあの人が
笑いかけてくれるから

3/11/2025, 12:44:10 PM

下を見る
辛い時は下を見る
真っ黒なコンクリートが一面に広がって、自分が今どこに立っているのかも分からなくなる
上を見る
永遠の暗闇に星が眩い
どんな暗闇の中にも、必ず光があるのだと
教えてくれる

1/13/2025, 11:58:14 AM

小学生になれば好きなことができる
中学生になれば友達が増える
高校生になれば夢が増える
社会人になれば自由が増える
いつだって希望は未来にあった
どんな未来になるかは自分自身が決めることだ
まだ見ぬ景色は自分が作るものだ

12/25/2024, 11:42:59 PM

夜な夜な、仕事終わりにコンビニに寄る
人の少ない店内で、一人用のショートケーキを購入する
雪が降る中、イルミネーションの前でいちゃつくカップルを横目に、家路を辿る
悴んだ手でドアノブを捻り、誰もいない室内に
「ただいま」
と呟く
荷物は放って、無造作にスーツを脱ぐ
先ほど購入したショートケーキと、一緒に買ってきたコンビニ弁当を広げ、テレビをつける
クリスマスの特集だ
クリスマスの思い出
街ゆく人は必ず相手がいる
弁当を貪り食っていると一人の男性が目についた
何でも独身で、今から帰宅するそうだ
自分と同じ境遇の男に自然と親近感が湧く
『じゃあクリスマスは誰かと一緒に過ごす予定はないんですね』
とある芸能人の質問に、鼻を赤くした男が答える
早く帰りたいだろうに
『そうですね、今年も相手はいないので一人です。クリぼっちです笑』
『今街ゆく人にクリスマスの思い出を聞いているんですけど、何かありますか?』
『思い出かぁ、、そう言われると、思い浮かばないけど、、あ!でもね、毎年両親に感謝の電話をかけてます』
『ご両親に?そりゃまた何で?』
『だって、クリスマスってキリストの誕生日を祝うじゃないですか。でも日本はキリストと深い関わりがあるわけでもないし、ましては教会に出向くなんてこともない。それに仕事とか学校も祝日にならないし笑。ヨーロッパではキリストが何よりも大切な存在なんですよ。生き方を教えてくれて、人生の苦悩から救ってくれる存在だから。じゃあ、僕にとって生き方を教えてくれて、辛い時はそばにいてくれたのって誰だろうって考えた時、不思議と両親の顔が浮かぶんです。だから僕は毎年、両親に感謝の電話をするんだと思います。』
スタジオで「偉い!」という言葉が飛び交った
『じゃあ今日も帰ったら電話するんですか?』
「そうですね、もう寝てるかもしれないけど、ダメ元で電話してみます笑』
何よりも大切な存在か
そう考えた時、自分も両親の顔が浮かんだ
電話、してみようかな
先ほど放り投げた鞄を引き寄せ、中から携帯を取り出す
母の電話番号を押し、携帯を耳に当てる
何故か緊張している
『はい、もしもし』
母の声だ
すぐに出たな笑
『あ、母さん?俺だけど…

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