冬晴れ
私はまさに冬晴れの雲ひとつない空色の傘が欲しい。
きっとどんな土砂降りの日だろうと
明るくいられる気がするから。
夜空を超えて
メッセージアプリの右上についた通知を不信に思いたっぷした。
「私はもう、行くよ。いつまでもここにとどまってるだ けじゃ変わらないって気づいたんだ。君もいつか、日の 当たる場所に行けるといいね。」
ああ、彼女も外に出れるようになったんだ。
僕は、まだ夜空の下のままなのに。
カーテンで完全に締め切られた部屋で、また自分の事が
嫌いになった。
僕も、夜空を超えてみたい。
そう、思うだけで布団の中からは出られない。
無人島に行くならば
私の家のポストにはきっと
大量のチラシと不在票が貯まるだろう。
そうでもなければ、私が無人島に行ったことは
分かりっこない。
無人島に行くならば
1年近く、外に出れていない私は1日も経たずに野生動物のエサになるだろう。
無人島に行くならば
きっと、星がきれいに見えるだろう。
「答えは、まだ
決まっていないから面白いんじゃないか!」
声高々に宣言するあなた。
あなたはニヤリと笑って、こちらに視線をよこす。
「答えは、まだ
決められない。急がないと。」
そう、ボソッと呟く私。
あぁ、うらやましい。
この状況で明るさを保っていられるあなたに、
少しだけ、イラっとする。
今も、メンバーの1人の相談にのっているあなた。
余裕があるんだな。と思った。
私の周りには、誰もいない。
私は自分の作業に戻ることにした。
すっかり、暗くなったオフィスの中でブルーライトの光がひとつ付いている。
こんな、遅くまで私と誰が残っているんだ?
光の出所はあなただった。
机の上には、エナジードリンクの空き缶が無数に
転がっている。
あなたはバッと顔をあげて私を見た。
いつもの笑顔ではなく、驚いた顔だった。
まさか、自分以外に残っている人などいないだろうと
思っていたのだろう。
ふと、私は、あなたの机に目を落とした。
つかれた。
子供のような字でメモ用紙に落とされていたその言葉に
目が留まった。
答えは、まだ決まらない。
だけど、あなたと今日を諦めることは、もう決まった。
8月31日、午後5時
田んぼがもう黄金色になりかけている
窓の外から鈴虫の声が聞こえる
もう、日が落ちそうだ
秋が来る
突然、家の中が騒がしくなった
「おかあさん!!!どうしよう…
一行日記、描いてない…」
前言撤回
まだ、夏だね…