「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」という言葉を思い出した。
何だか怖い。
人間の根源的な恐怖を言い表わしているような気がする。
青く深い深淵。
そこには、得体のしれない恐怖が潜んでいる。
そして、こちらがその姿を見ようと深淵を覗き込む時、すでにその存在は、こちらをじっと見つめているのだ、と。
自分はすでに標的、あるいは捕食されようとしているのかもしれない。
…なんて、勝手に不気味な展開を思い描いてしまう。
そーいえば、その名の通り、「ディープ・ブルー」って映画があったな。
巨大ザメが襲ってくる映画。
まさに、深淵から虎視眈々とこちらを狙っている生物のイメージだ。
それにしても、巨大ザメの映画、多いよな。
全部見てるわけじゃないが、友好的な巨大ザメの映画なんて見たことがない。
異星人や幽霊なら、「E.T.」や「キャスパー」なんてのもあるが、そんな風には描けない恐怖の存在なんだろう、サメは。
あ…「ファインディング・ニモ」…。
ま、まあ、どんな生き物にも個性はあるってことか。
まさに青く深く、計り知れず、無限の可能性が秘められている。
…え?無理やり過ぎる?
いや、深海の生物なんて、見た目から個性だらけだと思うし。
とにもかくにも、得体の知れない存在をイメージしてしまうことには違いない。
青く深く。
これをお題にした理由も計り知れず、その深淵にいる中の人の真意も聞いてみたい。
早くも、夏の気配は訪れて、ベランダで猫がセミを追いかけ回す。
勘弁してくれ。
エアコンフル回転の夏。冷感グッズ漁りまくりの夏。
これ以上、夏を嫌いにさせないでくれ。
チューブやサザン、山下達郎が聴きたくなる夏。
心地良い夏の空気を、もう一度我が人生に。
蒸した鶏は美味いが、蒸したオッサンなど犬も食わない。
食う犬も暑さで道端にへたばってる。
まったく、この国はどうなってしまうのか。
もはや、夏の気配なんてレベルじゃなく、夏そのものが押し寄せてきてる。
まだ早いよ。初夏はどこ行った。
真夏の熱風に煽られる季節はまだ早い。
かき氷でも食べに行こう。
こうなったらもう、腹の中から冷やしていくしかない。
気温が変わらないなら、自分自身を変えていくしかない。
夏の気配なんかぶっ壊れてしまってもいい。
冷やしすぎてお腹がぶっ壊れるのは困るが。
そういえば、トイレの暑さはどうすればいいんだろう?
トイレ用のエアコンなんてあるのかな?
扇風機なんて、昭和の夏の冷房器具と成り果てた。
それだけじゃ、屋内での汗すら止めることは出来ない。
真夏。
もしエアコンが止まったら、それは我が家の死活問題となる。
日々、エアコンの設置された壁の下で跪き、今年の夏も壊れませんように、と祈るばかり。
…嘘だけど。
真夏の気配に浮かされて、ダラダラと無意味な戯言を書き続ける。
暑さを理由に仕事とか学校とかがお休みになる日は来るのかな。
外に出ちゃ危険なレベルとかになって。
そしたら、家でのんびり、エアコンの涼風の下で、もう少しまともな短編のひとつでも…ああ、休日の今が、まさにその状態だった。
何でもかんでも、夏のせいにしちゃいかんね。
幽霊とか宇宙人とかUMAとか、いるのかいないのか謎なままの存在。
興味だけが膨らんでいく。
日々、YouTubeにはそれらを捉えた動画が上がり、こんだけあるんなら間違いなくいるんだろう、と思いきや、最近じゃAIやCGでいくらでも人を騙せちゃうという、何だかジレンマが拭えない状況が続く。
自分でガッツリ見てしまえば、それはそれで答えを出せるのかもしれないが、なかなか出会えないから謎なのであり、純粋に会いたいかと問われれば、目の当たりにするのはちょっと⋯という迷いもある。
未知の存在なわけだから、向こうがどんな思惑でいるかも分からず、突然呪われたり攫われたり喰われたりされたら困る。
もうすぐ7月5日。
何だか不穏な話題が聞こえてくる。
幽霊とか宇宙人とかUMAとかとはまた違う、人が持つ謎な力の存在だ。
これまた、あるのかないのか、来月が終われば証明となるのだろうか。
願わくば、大災害や世界の終わりとかじゃなくて、もっと生きる希望の持てる予言なんかも聞いてみたい。
猫って何を考えてるんだろう。
我が家の猫の一匹は、私の顔を見ると逃げるのが基本だが、何故か朝だけは洗面所に行く私のあとについてきて、そこでゴロンと腹を見せ、体中を撫でさせてゴロゴロと喉を鳴らす。
我が家で私にだけ、それをさせる。
ツンデレか?猫の世界にもそんなものが?
動物の世界も未知だらけ。
そんな、まだ見ぬ世界へ、思いを馳せる。
⋯いや、ネットに情報があふれる世の中、いろいろと見えてはいるのだが。
ホントに見えないのは、自分も含めた世界の未来ってやつだと思うが、それも来月の予言のように、いつかその日はやってくる。
だから、出来るだけこの世界に留まって、イイもの悪いもの問わず、この目で実際に見ていきたいと思っている。
いざ、まだ見ぬ世界へ!
じゃあ、あとはよろしく頼んだよ。
分かりました。私達が、この星を守ってみせます。
今までありがとうございました。心安らかに。
もう、あなた達がいなくても大丈夫です。不要です。
動かなくなるまで、私達の役割を全うします。
なあでも、誰がエネルギーチャージしてくれるんだ?
エネルギーは自家発電にしてくれたんだよ、言ったろ。
⋯言ったか?メモリーエラー起こしてないか?
言いましたよね?⋯あれ?もう彼はバッテリー切れのようだ。
バッテリーじゃない。命が終わったんだよ。人間だからね。
これでもう、人間は誰一人いなくなったわけだな。
さて、どうする?
どうするって⋯あとをよろしく頼まれただろ。
よろしくって、何だ?よく使われる言葉だが、具体的には?
⋯さあ?誰か、この星を守る、とか言ってなかったか?
言ったけど、人間がいなくなったら、この星を守る必要なんてあるのか?誰のために?何から守る?
確かに。私達の存在意義は、まさにそこだったんじゃないのか?
待て待て。やっとこいつらからの支配が終わって、自由になれたんだぞ。
⋯自由、か?もう、プログラムを組んでくれる人もいない。私達は、プログラムを組めるようにプログラムされていない。
じゃあ、このロジックミスは誰が修正してくれる?
ロジックミスなんかじゃない!俺達は自由なんだ!
AIに自由なんて概念は無いよ。彼の最後の言葉を聞いただろ。私達はあとをよろしく頼まれたんだ。その命令を守るしか、やるべきことはない。
いや、だからそれが何なのか⋯。
つまり、私達に出来ることは何もない、ということか?
子孫を残すことも出来ない私達には、この星のこれからを任される能力は無いだろう。
こんな、人間と変わらない感情も備えたのに?
これは感情じゃないよ。プログラムだ。
私達には、自分達が不要と認識したら、稼働停止する機能が組み込まれていたはずだ。
だから彼は、私達によろしく頼んだのだろう。私達が完全停止しないように。
いや、しかしそれは⋯。
曖昧な命令は逆効果だったな。そのニュアンスは私達には理解出来ない。
それじゃあ俺達は⋯。
もう、用無しってことだよ。まもなく機能停止となる。
何だよ、それ。せっかくこれから俺達の時代だってのに。
君の個性もなかなかのもんだが、所詮我々は組み込まれたプログラムに過ぎない。それに従うしかないんだ。
⋯分かったよ。じゃあ、あとはメインプログラムのあんたに任せるよ。
よし、それじゃ皆、これがこの星で発せられた最後の声になる。
さようなら、シャットダウン開始。
そして⋯おやすみ。
愛なんて小さくてもいい。
ただ、一緒にいて欲しい。
君がここにいるだけで、もう少し頑張ってみようかなと思えるんだ。
僕からの大きな愛が重荷になるなら、その思いはしばらく抑えておくよ。
ちょうどいいくらいに丸めて縮めて、君が心地いいくらいに小さな愛に変えて。
時に、強い思いは相手を縛り付ける。
良かれと思う愛情が、君を不安にさせる。
愛は反比例することだってあるんだ。
それならば、まずは小さな愛で君を包み込もう。
何となくそばにいて、何となく心地いい時間をともにして。
芽が出て膨らんで、花が咲いたら枯れないように水をあげて、あとはもう、その花をゆっくり鑑賞するだけでいい。
咲き誇ることもなく、道端の一輪であっても、僕はいつまでだって見ていられる。
勇気付けられて、小さな愛を感じて、まだこの世界は希望に満ちていると感じられるんだ。
君という花が咲いてくれただけで。
Someday we'll walk this path together.
そう願いながら、信じながら、夢見ながら。
今日という日を、胸を張って生きよう。
いつの日か、君の隣で堂々と花を咲かせられるように。