Ryu

Open App
3/20/2025, 10:14:28 PM

20年以上前、「ICO」ってゲームが発売されて、ハマった。
角の生えた少年イコが、言葉の通じない少女ヨルダとずっと手を繋いで、影の化け物と戦いながら、古城からの脱出を目指すゲーム。

この、手を繋いで、ってのがキモになってて、あるボタンを押すと少女を呼んで手を繋ぐ、押し続けてる間は手を繋いでいるが、離すとその手を離してしまうという、なんだか胸アツな演出がたまらなかった。
今調べてみたら、キャッチコピーが「この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから」だって。
どこぞの恋愛映画かって思うほどの名文句。

音楽も、郷愁を誘うような、切なくなるような、私のボキャブラリーでは説明できないような、素晴らしい名曲揃いだった。
今でも就寝時にBGMとして流したりするほど、心に染み込むようなメロディにあふれていた。
その音楽と、幻想的な映像に魅せられて、仕事明けの夜を徹して古城を彷徨い続けた思い出。

その後、同じゲームデザイナーの人が作った、「ワンダと巨像」、「人喰いの大鷲トリコ」をプレイした。
どちらも最高だった。
特にトリコはボロボロ泣いたっけな。
ゲームでこんな体験が出来ることが奇跡のように感じられた。
主人公は自分だからね。
そりゃ、感情移入の度合いがハンパないわけで。
それ以外にも、いろんなゲームをやったけど、あの三本はやっぱり秀逸だったな。

感情移入、臨場感ということで言うと、最近はVRゲームにハマってて、今は「The Walking Dead」の世界を体感してる。
家族のいるリビングで、自分一人だけ、ゾンビがウヨウヨいる街の片隅に立ち、時に怯えて声を上げながら、迫りくるゾンビを倒してるわけだ。
傍から見たら笑ってしまうシチュエーションだが、こっちはマジ修羅場にいるからね。
振り返ったらホントに目の前にゾンビがいたりして、もー怖すぎて面白い。
なんなら、誰かと手を繋いで、助け合いながらプレイしたいくらいだ。

…と、ゲーム談義に終始してしまった。
手を繋いで、ってお題からは、何かロマンチックな物語が出来そうな気もしたのだが、気のせいだったようだ。
いや、「ICO」は限りなくロマンチックだったが。
なんてったってキャッチコピーが「この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから」
これを読んで少しでも気になった方は、古いゲーム機を調達してプレイしてもらうか、YouTubeの実況動画でも見てもらいたい。
きっと誰かと手を繋ぎたくなるはずだから。

3/20/2025, 3:09:48 AM

ねー僕の右腕、どこ?

さあな、それより私の目玉を知らないか?何も見えないんだ。

俺はお腹のバネが伸びすぎて戻らなくなったぞ。これじゃ歩きにくくてかなわん。

散らばったコインを集めてくれ。どーも体が軽くてうまく立っていられないんだ。

あー、レックスの右腕は君の後ろ。ポテトヘッドの目玉はミセスの頭の上に乗せられてるよ。スリンキーのバネは、体を縮めて弾力を戻すんだ。よし、皆で、落ちたコインを拾い集めて、ハムのお腹に戻してあげよう。

ありがとう、ウッディ。どうにも、最近のアンディは荒っぽくて困る。男の子の成長は、喜ばしいとともに脅威だな。…ところで、バズは?

んー、確か、アンデイに捕まって飛ばされてたな。羽を広げられてたから、窓の外へ飛んでいったのかも。コインを集め終わったら、皆で窓から探してみよう。

まさに、無限の彼方へ飛ばされたのか。しかしそれじゃ、人間の手でも借りない限り、バズはこの部屋に戻ってこれないんじゃないか?どうする?

その時は、皆で外の世界へ出て救出作戦だ。前にもやったろ。もう怖いものなんてない。おもちゃの団結力があればきっとうまくいく。そうだろ?

そうだな。続編は賛否両論だが、仲間は救わなくちゃな。

3/18/2025, 8:03:32 PM

僕はね、君が大好きだよ。
ずっと一緒にいて、いろんな場所を一緒に旅して、遊んだり、闘ったり、いろんな仲間に出会ったり。
力を合わせて困難を乗り越えたのも、一度や二度じゃない。

僕があの、青と赤の二人組みに狙われてるせいで、ホントに大変な思いをしたよね。
あいつらと一緒にいる猫も悪巧みばかり。
ホントは、そんなに悪い奴じゃないんだけどな。

出会いはあんまりイイ感じじゃなかったけど、僕の電気を使った技を気に入ってくれて、そして友達として受け入れてくれて、僕は今、ホントに楽しい毎日を送れているよ。

ありがとう、サトシ。
君が大好きだよ。

「どうしたんだ?ピカチュウ。さっきから何か言ってるみたいだけど…お腹でも空いたのか?」

3/17/2025, 9:37:36 PM

思うんだけど、推し活と浮気って違うのかな?
パートナーがちゃんといるにもかかわらず、他の人に恋焦がれて追いかけるってのは、道理は一緒じゃないのかなって思う。
あ、もちろん、異性推しの場合で、今現在パートナーがいない人は論外となる。
それは浮気にもならないし。

推し活は世間に認められてるけど、浮気は悪とされてる。
どれだけ追いかけても、推しは自分のものにならないからセーフ?
叶わぬ夢だから?
でも、気持ちが他に移ってしまっているのは同じじゃないのかな。
浮気っていうくらいだし。

恋人と推しは別。
なんか、都合よくね?
それは、相手側がどう思うかであって、自分が勝手に線引きしていい話じゃない。
かと言って、恋人と別れてまで推しを追いかけるのも違う気がする。
理想と現実は違うから。
とはいえ、推しが理想で彼氏が現実、と言ってしまった時点で、かなりこれも問題ありかと思うが。

こんな話題に答えは出せないけど、浮気相手に貢いだら離婚案件だよね。
推し活にお金を注ぎ込むのは?
なんか、打ち込めるものがあるのはイイコトだ、とか言われるけど、浮気や不倫にハマったら社会悪にされる。
なんだろ、コレ。よく分からない。
ぶっちゃけ、体の関係があるかないかについても、捉え方は人それぞれ違うし。

ふと思ったことを書いてみた。
別に、推し活を否定するつもりはない。
ただ、疑問に思ったことを並べてみただけ。
今、我が家の奥さんは、推しを追いかけて遠征中。
気持ち良く送り出している自分がいる。
ホント、よく分からない。

ただ、たとえ自分のものにならなくても、きっと推し活中の彼女達は、その夢を叶えてるんだろうな。
追いかけること自体が毎日を楽しくしてくれるなんて、徳川の埋蔵金みたいなもんなのか?
…いや、あれは手に入れることが目的か。
いずれにせよ、お宝を存在を知ってしまったら、人は動かずにはいられないってことなんだろうな。

そんな存在を見つけられない自分にとっては、そんな生き方そのものが叶わぬ夢ってことか。
…無理やり過ぎる?

3/16/2025, 10:49:46 PM

「今は幸せなんですか?」
その質問とともに、君は車をスタートさせた。
「幸せだよ。少なくとも、あの頃よりは」
私は答え、車窓に流れる街並みを眺める。
「それは良かった。私も今は充実しています。」
強がりには聞こえない。
僕の方も、嘘は言っていない。
君と喧嘩ばかりしていた頃に比べれば、少なくとも今の方が幸せだ。

別れた妻と一年振りに会って、僕達の恩師でもあり、仲人でもあった人のお墓参り。
お互いに今は独身で、付き合っている恋人はいるが、このお墓参りだけは二人で行くことにした。
少しの後ろめたさを感じながらも、それぞれの相手には関係のない人だからと勝手に納得して。
そして、二人で一緒に顔を見せた方が恩師も喜ぶだろうと。

「彼氏にはなんて言ってきたの?」
「そのまま伝えたよ。元旦那とお世話になった人のお墓参りに行くって」
「へー、ちゃんと受け入れてくれるんだ。僕は、男友達と競馬に行くって嘘ついてきたけど」
「やめなよ、そーゆーの。後でバレたらマズイよ」
「今バレてもマズイんだよ。そーゆー人なの」
「ふーん、ホントに愛されてるんだね。あの頃の私とは大違いだ」
「そーだっけ?君にもそんな時があったような気がするけど」
「えー、もう、思い出せないな。イイ奥さんやってた記憶はないよ」
「それはお互い様だよ。だから僕達、別れたんだろ」

一時間ほどで到着して、お墓の清掃を行い、花を手向ける。
君が用意してくれた、キンセンカ。
道中の車の中で、うっすらと甘い香りと、ハーブのような独特の香りを漂わせていた。
二人並んで手を合わせ、しばらく思いを馳せる。
空の高いところで、トンビの鳴く声が響いた。

「次のお墓参りはどうしようか?」
帰りの車中。ほのかに、花の香りが漂う。
「次は…別々かな。彼がね、結婚しようって言ってくれてるの。まだ、時期は未定なんだけど」
「そっか、おめでとう。先を越されたな。僕もちゃんと将来を考えないとな」
「そーだね。きっと彼女も待ってると思うよ。嘘ついて出かけてるなんて知られたら、ショック受けちゃうかも」
「うん…ちゃんと考えるよ。今日はありがとう。車と、花と、アドバイス」
「どーいたしまして。それじゃ、この辺でいいかな。車止めるね」

君の車を降りて、小さく君に手を振る。
君も笑顔で手を振って、車をスタートさせた。
君が離れてゆく。
車に残っていたキンセンカの独特な香りが、僕の記憶の中で君と結びつく。
「今は幸せなんですか?」
そう聞かれて、喧嘩ばかりしていた頃と比べてしまった。
そうじゃない時期のことを、無理やり心の奥に閉じ込めて。
いや…もう、やめよう。
君は今や、僕にとって赤の他人。
うまくやれてた頃の思い出なんて、あればあるほど辛くなる。

キンセンカの香りとともに、君の記憶を消してゆく。
自宅アパートへの帰路を辿りながら、忘れるための努力をする。
家に着いてドアを開ければ、また違う香りを感じることが出来るだろう。
それが、今の僕にとっての、幸せの種となる。
だけど、きっとこれからも、あのキンセンカの香りとともに、君を思い出すことになるのかもしれない。

もう、会うことのない君を。

Next