Ryu

Open App
1/5/2025, 1:35:06 PM

のんびりと、リビングでくつろぐ時間。
窓の外に広がる冬晴れの空は魅力的だが、騙されちゃいけない、外は凍えるような寒さだ。
あったかい部屋の中で、お気に入りの映画でも観よう。

明日から仕事始め。
当たり前の日々が戻ってくる。
いつもより長い休みがあって、ついに最後の日が訪れた。
もうちょっと、もうちょっとだけ、この至福の時間を味わいたい。

「夜はお鍋でいいかな」
妻からの提案。異論はないね。
「じゃあ、買い物に行きたいから車出してくれる?」
この寒空の下、出掛けるって?
「帰ってきたら、あったかいお鍋が食べられるよ」
それは…魅力的な交渉条件だけど、騙されちゃいけない、外は凍えるような寒さだよ。
「冬が寒いのは当たり前。だからお鍋が美味しいの」

言いくるめられて、車を出す。
正月も明けて、街はすでに当たり前を取り戻していた。
「人出が多いね。皆、寒くても動き始めてる」
「人間は、冬眠という素晴らしい習性を身に付けるべきだよ。無駄なエネルギーを使わずに、あったかいベッドの中でぬくぬくと…」
「そんな自堕落なものじゃないと思うよ。動物達の冬眠は」

冬晴れの空に騙されて、人は冬ごもりから抜け出してしまう。
あったかいリビングは心地良くて、そこで観る映画達は心に染みるのに、人は着膨れてこんな場所に集まってくる。
「明日から仕事か。また早朝の寒さに震えて出勤するんだな」
「当たり前の日常が始まるね。冬眠する動物達と違って、この季節も満喫するのが人間だからね」
「満喫?出来るの、そんなの」
「今夜はお鍋だよ」

夜、明日の仕事に備えて、数日振りのスーツや鞄の中身をチェックする。
食卓の上には、白い湯気を上げる鍋が鎮座して、その湯気の向こうに、妻の笑顔が揺れる。
鍋をつついて、はんぺんを一口。
「うまっ!」
冬晴れの空の下に出向いたおかげで、天晴れな夕食にありつくことが出来た。
これが、冬を満喫するということか。

…確かに、冬眠してたら味わえないな。

1/4/2025, 3:06:44 PM

幸せの定義なんてない。
あえて言うなら、幸せだと思い込める能天気さ。
これがあるかないか。
自分には…ないかな。
でも、能天気でいようと試行錯誤する前向きさはあると思ってる。
ややこしいけど、頑張るに値するもんだと信じてるってこと。

どんな劣悪な環境にいても、自分は幸せなんだと感じられる。
この時代には非常に難しいことだと思うけど、時折ふと思うのは、「生きてるだけで丸儲け」ってのはまんざら詭弁でもないと。
楽しいこともあって、辛いこともあって、悲しいこともあって、ムカつくこともあって。
こんなにいろんな経験が出来ることが、生きてるってことな訳で。

それをすべてひっくるめて、「幸せ」と呼べるような人間になりたい。

…と思いながら、早五十余年。

1/3/2025, 1:16:49 PM

日の出を待った。
心が苦しくて、ともすれば潰れそうになるのを堪えて。
この暗闇の時間を、一人きりで過ごすことの苦しみを、一人きりであるが故に、誰とも分かち合えないのが辛い。
そんな夜。

でも、朝はやって来る。
日の出とともに、たくさんの人々が動き出す気配を感じる。
実際には、まだ夜も明けぬうちから活動している人達はいるはずだが、この暗闇はその物音すら隠してしまう。
だから、たった一人。生きることは、一人に慣れること。
痛いほど分かっているはずなのに、日が昇る瞬間に期待してしまう。

昨日、別れを告げた太陽が、また会いに来てくれる夜明け。
一人であることに変わりはなくても、この繰り返しがあることが生きている証になる。
だから、日の出を待った。
心が苦しくて、ともすれば潰れそうになるのを堪えて。
昨日失った幸せの一欠片を、取り戻せるような気がして。

愚かなのは、新しい一日が始まれば、まだやれそうな気持ちを持ってしまうこと。
何も変わらないのに、何かが変わるんじゃないかと期待してしまうこと。
その愚かさのおかげで、今日も二本の足で立つ。
きっとうまくいく、きっとうまくいく、と心に言い聞かせて。

日の出を待った。
水平線の向こうに、昨日別れを告げた太陽が姿を見せる。
ありがとう。今日も生きていけるんだね。
昨日と同じ一日を繰り返すだけだとしても、その積み重ねがきっとかけがえのない人生になる。
だってそれは、自分にしか経験できないものだから。

日の出とともに、僕も動き出す。

1/2/2025, 6:25:42 PM

今年の抱負、というか、自分に対する訓示。
生きてれば、嫌なことやムカつくこと、悲しいことは起こる。
その度に、心を揺らして擦り減らせるのは、自分にとって良くない。
無駄が多すぎる。
脳みそから抜き出して、いったん部屋の隅の引き出しにでも片してしまおう。

処分してしまいたいけど、これからも生きていくんならそうもいかないこともある。
それについて、きっちり対応しなきゃいけない時が来るかもしれない。
だけど、その時が来るまでは考えるだけ無駄な話だ。
自分を擦り減らすだけ。
そんなもんを片付ける引き出しを用意しとこう。
思考の外側に。

出来るかどうかはやってみないと分からない。
だけど幸い、気をそらすための方法はいくらでもあるからね。
家族と話したり、映画を見たり、音楽を聴いたり、ゲームをやったり。
自分の人生にとって、今悩んでも仕方ないことより、こっちの方が大切なんだって思い込めれば完璧。
どれだけ重大な悩みだって、今動いても何も出来ない時は、忘れて楽しく生きてる方が幸せだしね。

あとは、そのトラブルに対して行動が取れる時が来たら、がむしゃらに頑張るだけ。
そして、頑張ってもどうにもならないんだと気付いたら、その時はまた、放置してしまっていいと思う。
とゆーか、それしか出来ないんだから。
そのうち時間が何とかしてくれる。
何とかしてくれなくても、行き着く先は皆同じだし、そこに辿り着くまでは、精一杯楽しんだもん勝ちだと思う。

一度しかない人生だから。

1/1/2025, 12:00:28 PM

まずは、新年明けましておめでとうございます。
まあ、年が明けたところで何がめでたいのやら、ですが、昨年の今日のような悲しい出来事が起こりませんように。
それだけは切に願う。

きっと今年も、いくつかの困難に出会ったりもするだろう。
生きていて良かったのか?なんて思う瞬間もあるかもしれない。
でも、生きていたからこそ、その困難と向き合って、それを乗り越えた時の喜びを味わうことが出来る。
だから、いつだって答えは、「生きていて良かった」だ。

新年を迎えて、いや、新年を迎えられたことに、ただただ感謝。
こんな気持ちを感じる節目として、一年という区切りがあるのかもしれないな。
昨日と今日では何も変わらないけど、新年明けたところで別にめでたいこともないけど、自分の気持ちの上で、ここまで生きていることを実感し、感謝して前へ進むために。

生きていて良かった、と。

Next