Ryu

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日の出を待った。
心が苦しくて、ともすれば潰れそうになるのを堪えて。
この暗闇の時間を、一人きりで過ごすことの苦しみを、一人きりであるが故に、誰とも分かち合えないのが辛い。
そんな夜。

でも、朝はやって来る。
日の出とともに、たくさんの人々が動き出す気配を感じる。
実際には、まだ夜も明けぬうちから活動している人達はいるはずだが、この暗闇はその物音すら隠してしまう。
だから、たった一人。生きることは、一人に慣れること。
痛いほど分かっているはずなのに、日が昇る瞬間に期待してしまう。

昨日、別れを告げた太陽が、また会いに来てくれる夜明け。
一人であることに変わりはなくても、この繰り返しがあることが生きている証になる。
だから、日の出を待った。
心が苦しくて、ともすれば潰れそうになるのを堪えて。
昨日失った幸せの一欠片を、取り戻せるような気がして。

愚かなのは、新しい一日が始まれば、まだやれそうな気持ちを持ってしまうこと。
何も変わらないのに、何かが変わるんじゃないかと期待してしまうこと。
その愚かさのおかげで、今日も二本の足で立つ。
きっとうまくいく、きっとうまくいく、と心に言い聞かせて。

日の出を待った。
水平線の向こうに、昨日別れを告げた太陽が姿を見せる。
ありがとう。今日も生きていけるんだね。
昨日と同じ一日を繰り返すだけだとしても、その積み重ねがきっとかけがえのない人生になる。
だってそれは、自分にしか経験できないものだから。

日の出とともに、僕も動き出す。

1/3/2025, 1:16:49 PM