今日もこの窓の向こうでは、誰かが恐怖に怯え、絶望の涙を流している。
世界とはそういう場所。
この部屋を出てはいけない。
安全地帯に閉じこもるんだ。
温かい空調の効いた我が家で、今日も明日も明後日も、歪んだ外の世界との温度差を感じている。
こんな世界で、誰を救いに行くの。
旅立ったあなたの心を、誰が温めてくれるの。
閉ざされたドアの前で、「ひとりじゃないよ」と話しかける。
人間は誰しもがひとりなのに。
たったひとりで、恐怖に怯え、絶望の涙を流すものなのに。
世界とは、そういう場所なんだって、メディアがずっと伝えてくれる。
温かい毛布と、心を込めた料理だけで、人は幸せになれるのに、それすらも届かない人達に、世界は命の糧を与えてはくれない。
「だから私が行くんだよ」
あなたはそう言って、重いリュックを背負いながら、閉ざされた心のドアを開けに行く。
愚かな人間だけの行為。
人が人を殺し、人が人を癒やす。
世界は今日も変わらず、歪んだ現状を晒し、それをマスメディアが自慢気に披露する。
残された道は、ひとりひとりが未来へ目を向けて生きること。
救う人の誘いを受けて、閉ざされた心のドアを開け、不安に満ちた世界へと飛び出すことを決めた人々へ。
良いお年を。
まさに、このアプリへの投稿を続けた一年間。
筋トレもエアロバイクも数日と続かない私が、これだけは日々しっかりと続けることが出来た。
もう、誰かに褒めてもらいたいくらい。
時には、仕事中にネタが浮かんじゃってこっそりスマホをイジったり、逆にネタが浮かばなくて悶々と眠れない夜を過ごしたり…なんてことはないか、考えてると気付いたら寝てたな。
とにかく、日々の生活に大きな影響を与えてくれた。
物語を考えるって、楽しくて時に苦しい。
苦しくても、そこから何かを生み出せた時はさらに嬉しくなる。
生み出したところで、健康になるわけでも裕福になるわけでもないのに、ただただ嬉しくなる。
この世界に、自分だけの作品を生み出せたという喜び。
これは、人間だけが為せる業。
ここ最近、リブートされた「猿の惑星」シリーズを観ているからか、なおさら「人間であることに誇りを持とう」なんて意識に囚われている。
いや、映画の中では、猿の方が賢い設定なんだけど。
人間の愚かさを垣間見せられて、その想いを強くしたというか。
…と、「猿の惑星」シリーズを振り返るお題ではなかったな。
この1年間を振り返ると、昨年このお題で書いた内容よりも、もう少しポジティブに頑張れた年だった気がする。
まあ、どんな年になるかなんて、終わってみなきゃ分からないんだから、その時その時を頑張って、楽しんでいられりゃそれでいいや。
…と、来年の今頃も気楽に考えていられますように。
ゆずに続き、みかん。
去年の今日は、なんか幻想的なものを書こうとして失敗した感じ。
無理やり話を繋げた感が凄い。
みかんが転がる先の未来って…我ながら意味が分からない。
まあそれはさておき、みかんにも大した思い入れはない。
ゆずよりもっと大衆的な気がする。
改めて、みかんについて考えてみると、皮に包まれ、いくつもの房に分かれていて、そのひとつひとつが、ちょうど一口サイズだったりして、「えっ?人間に食べられるために存在してるの?」などと、勘ぐってしまう。
いや、食べられるために存在してるには違いないんだが…最初からその意図で作られた?…誰が?とか、有神論にまで及ぶ思考展開となりそうな果物。
ビタミンとかミネラルも豊富だし。
そんな素晴らしい果物を、心のどこかで、おばあちゃんに似合う食べ物、なんて卑下している自分がいた。
これは戒めないといかん。
言い訳をするなら、冬のこたつの上に山になって置かれている大衆的でありふれた果物、というイメージから来るものだと思うが、そのイメージは、冬の温かく幸せな風物詩、とも言える。
家族皆でこたつを囲んで、テーブルの真ん中に乗ったみかんを手を伸ばして取り、それぞれが自分の手元でムキムキして、一口頬張った時の甘酸っぱさ。
至福だね。冬はこれだね。
…今回も、迷走している。
まったく何が言いたいのか、まとまらない。
去年の浸りきった自己陶酔作品の方が良かったかも。
一年経っても成長の跡が見えないとは、ホント、私はまだまだ未完な人間なんだな。
…ダジャレで終わらせちゃうあたりも。
猫が日なたぼっこ。
あったかいコーヒー飲んで、窓の外の淡い青を見上げる。
BGMは、名も知らぬアーティストのスムースジャズ。
こんな時間の過ごし方を、私は幸せと呼ぶ。
仕事も、嫌いではない。
イイ意味でハマれば、生きている充実感だって感じることが出来る。
でも、心のどこかで、「やらされている」感が否めない。
ホントにこれが、自分のやりたいことか?と問われれば、胸を張って「Yes!」と答える自信はない。
だからこそ、この休日のひとときが至福なものとなる。
日なたぼっこの猫もそう教えてくれる。
人は、何もしなくても幸せでいられるんだな。
すべては心の持ちよう。
のんびりとした、冬休み。
なんか、嫌なこともあったけど、今年が終わるのと一緒にサヨナラしよう。
社会人にとっては、冬休みと言うより、年末年始。
終わりと始まりだ。
自分ごと、生まれ変わってしまってもいい。
すべては、心の持ちようなんだから。
あなたの両手を、温めるために存在しています。
それぐらいしか出来ません。
でも、この季節になると、必要としてくれる。
忘れられていなかったのだと、嬉しくなる。
何故、両足は毎日のように包みこんでいるのに、その美しい両手には、冬の間しか私を必要としないのか。
あなたの両手を包み込み、守りたい。
私の名前は、手ぶくろ。
そろそろ、一年ぶりの再会でしょうか。
表に出ると、手がかじかんでしまう寒さです。
気付けば私は、クローゼットの奥の方に追いやられていますが、きっとあなたは、私を探し出してくれる。
あなたが心から愛する、あの人からのプレゼント。
それが私。だからきっと特別。
毎日あなたの両足を包み、一日をともにする靴下達が、「最近会っていないようだ」と囁き合っていても。
私には、あなたの両手を温める、それぐらいしか出来ないから。
そのためにこの世界に存在しているから。
もしも、あなたの心が冷え切ってしまっていたとしても、私が温められるのは、あなたの両手だけ。
今年の冬は、クローゼットの奥に埋もれたまま、あなたの両手に触れられることはないのかもしれない。
それでもいい。
きっと、新しい「手ぶくろ」が、あなたの両手を温めてくれるから。
私の目的は、あなたの両手を温めること。
それを私以外の誰かに託すことも、やぶさかではない。
ただ、あなたの心を、そして両手を、氷のように冷やしてしまうことは受け入れがたい。
だから私は、あの人を許さない。
クローゼットより愛をこめて。
そして、憎しみの念をこめて。