Ryu

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9/24/2024, 11:22:40 AM

あなたへの、ありがとうの気持ち。
プレゼントにして渡す手もあるけど、毎日感謝してるから、お金がいくらあっても足りないよ。
言葉を使うのが一番イイと思うけど、改まって伝えるタイミングが難しいんだよな。
じゃあ、以心伝心。
自分にとって、一番楽な方法に落ち着いてしまう。

せめて、言葉を文字に変えて贈ろうか。
手紙だと仰々しいから、LINEで一言、「いつもありがとう」
きっと、何か良からぬことでも考えてるのかと訝しがられる。
それは、普段言ってないセリフだから。
以心伝心に頼ってばかりいるからだ。

形の無いものを形にして、相手に分かる形で伝えなきゃ。
伝えなきゃ伝わらない。
生きているうちに、どれだけの気持ちを伝えられたか選手権。
結果が出るのはまだ先の予定だけど、地区大会くらいはエントリーされないと。

審査員はあなた。ライバルもあなただ。

9/23/2024, 1:20:37 PM

ジャングルジムのてっぺんに登って、世界を見下ろした。
小学校の校庭は、あの頃の自分にとって世界のほとんどだった。
男女がいて、年の違う人達がいて、好きな子がいて、嫌いな子がいて、知らない子がいて、それですべてだった。
ジャングルジムのてっぺんに登れば、それらをすべて支配した気持ちになれた。

這い上がってくる奴らを蹴落とし、王様として君臨するのは気分が良かった。
玉座は渡さない。この休み時間の間だけでも。
ふんぞり返り、空を見上げる。
まだまだ、世界は広かった。
でも今は、この砦を守ることで精一杯だ。

突然バランスを崩し、足を滑らし、真っ逆さまに地面に落ちた。
いつかこんな時が来るとは分かっていたが、代償は思いのほか大きかった。
子供達の、そして先生の叫ぶ声。
しばらくして、遠くから救急車のサイレンが聞こえてくる。

僕の城へ、たくさんの大人達が踏み込んできた。
許しがたいが、助けて欲しい。
鉄棒で作られた迷路を抜けて、救世主は現れる。
ノートルダムの鐘が鳴り、民衆は大聖堂へと吸い込まれていき、僕は白馬の引く馬車に乗せられて、ナイチンゲールの待つ聖トーマス病院へ。
…ああ、少し頭を打ったようだ。

ジャングルジムの思い出。
小学生時代の、日常のひとコマ。
軽い脳震盪と、右膝の擦り傷。
一日病院で過ごして、次の日は何事もなかったように学校へ。

僕のあだ名は、「ジャングルの王様ジム」、略して「ジムキング」となっていた。
…うん、悪くない。

9/22/2024, 2:39:10 PM

扉の向こうから、彼女の声が聞こえる。
あの日、突然の交通事故で死んでしまったはずなのに。
間違いなくそれは、彼女の声だった。
少し悲しげな、優しい声。
僕は、扉を開けた。

留守番電話の応答メッセージ。
こんなところに君の声が残っていた。
声だけでなく、この部屋には君を思い出させるものがたくさん残っている。
二人で買った家具やインテリアは、君の好みで選んだものがほとんどだから。

ソファに体を沈め、あの頃を想う。
二人並んで座って、少し悲しいホラー映画を観たね。
怖がりながら泣いていた君が可愛かった。
主人公がヒロインと死別するシーンで、僕の手をギュッと握りしめてくれた君。
僕が泣いていたのは、映画のせいばかりじゃなかったんだよ。

こんなサヨナラがあるとは思わなかった。
映画の中だけの、演出された展開だと思っていた。
もう一度、僕の手を取って、あの笑顔を見せてくれないかな。
もっと君の声が聞きたいよ。
ずっと君のそばで眠りたいよ。
何故僕は、ここにいるんだろう。
あの日僕は、突然の交通事故で死んでしまったはずなのに。

彼女の声が聞こえる。
誰かと笑い合っている。
幸せそうに、僕のいない世界で。

9/21/2024, 1:35:19 PM

街は彩られ 君は色めいて
こんな季節に不似合いな 情熱を燃やす恋の始まり
君が笑った 君の夢を見た
ただそれだけの誘惑でも 想いは募り身悶える秋恋

枯れ葉散る前に想いを伝えよう
枯れ葉散るとともに この恋が散らぬように
君がまるで僕に興味を持っていないとしても
明日からの僕に少しでも視線を向けてもらえるように

秋は恋の終わりの季節だって
意地悪な友達は訳知り顔で言う
街路樹がアーティストを気取る季節に
うまくいく恋愛はドラマの中だけだって

街は彩られ 僕は色めいて
こんな季節に成就させる 実りある果実のような秋恋
僕が祈った 秋晴れの空に
いわし雲が浮かんでいた のどかな魚達が泳いでいた

枯れ葉散る前の色づいた通りを
僕と君が肩を並べて 歩く日をずっと夢見てる
「少し寒いね」と身を寄せる君を温めるように
ポケットの中でつないだ手を離してしまわないように

秋恋は少し切なくて それでも優しくて
秋恋が実るのならば 次の季節も二人で
ずっと一緒にいたい ずっと君と二人で
秋空のような女心に 振り回されたって

9/20/2024, 11:45:28 AM

やっぱりこの年になると、若い気持ちを大事にしたいと思う…のは私だけだろうか。
いや、もちろん無理があるのは分かっちゃいるが、体は年相応であって仕方ないにしても、心ん中ぐらいは少しでも新鮮な状態を保ちたい。
誰かと話す時でも、こうして文章を綴る時でも、年老いた気持ちになる言葉は出来るだけ使いたくない。
とは言っても、今の若者言葉を吸収するつもりも毛頭ないが。

まあ、元々どこか、大人になりきれない自分がいるんだろう。
見た目ではなく、精神的に、知識的に、心情的に。
同い年の同僚と話していても、気後れを感じることがある。
自分は世間知らずなんじゃないかと不安になるくらい。
でも、興味を持てないことに知識が薄いのは当然の話。
そして、人の興味は千差万別。正解なんてない。

最近では、アニメとかアイドルとか、いわゆるオタクって文化が受け入れられてきて、これを趣味だと宣言することに何の抵抗も無くなっている気がする。
自分が若い頃は、その上の世代の目が気になって、アニメの話とかあんまり出来なかったような…ああ、「自分の若い頃」とか言い出したらオッサン確定だな。
いやまあ、確定してるには違いないんだけど。
やっぱり、「時間よ止まれ」と願わずにはいられない…ああ、これは前回のお題か。

…話がとっ散らかってきた。
要するに、可能な限り若返りたいってこと。
いや、これは不可逆だろうから、気持ちだけでも若いつもりでいたい。
そんな気持ちを大事にしたい。
そして今、若さを持て余しているような人達に、「光陰矢の如し」どころか、「光陰マグナムの弾丸の如し」であることを、お伝えしておきたい。

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