Ryu

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4/17/2024, 11:35:38 PM

あんなに見事な散り様を見せてくれるのは、桜くらいのもんじゃないだろうか。
桜の雨が降り注ぎ、視界が白く霞むほどに、有終の美を飾る。
満開に咲き誇って人の心を浮つかせていたのは、ほんの一瞬の幻のようだ。
つわものどもが夢の跡。
そして、日常が始まる。

こうして桜は必ず散ってしまうので、受験の失敗を「桜散る」と形容するのはいかがなものかと。
咲き続ける桜があったら、合格祈願で日本中から受験生が集まるだろう。
いや、その前に、花見の酔客であふれかえるかな。
それとも、咲いて散るから愛おしいのであって、一年中咲いていたら人は興味を失くすかもしれないな。
「桜咲く」瞬間も無くなる訳だし。

桜の樹の下には屍体が埋まっている件。
一本一本の根本に埋まっていたらどれだけの数になるかって話と、なんであれだけ人の目を引く場所でそんな危険なことをするかって話。
坂口安吾か梶井基次郎かって話もあるかな。
どちらも読んでないけど。
いずれにせよ、美しいものは妬まれる、ってことじゃないのかな。
桜には何の罪もない。

染井吉野さんだけがもてはやされる問題はどうだ。
詳しくはないが、時期をずらしていろんな桜が咲く。
そっちの桜で花見をしている人はあまり見ない気が。
咲き誇り方の違いだろうか。
花は花、咲けばどんな花だって美しく香る。
そんな風に思えたのは社会人になってからで、学生の頃はまったく興味が無かった。
総じて「草っぱ」って呼んでた。

先日見に行ったネモフィラも綺麗だったな。
その花に見とれる君の横顔の方が…なんて相手はいないが、家族の幸せそうな笑顔が満開だったから。

4/17/2024, 12:18:42 AM

夢を見るのはタダだから、どーせならデッカイ夢を見てやろう。
給料が上がって新しい車買って家族で旅行して美味しいもん食べて。
…あんまりデカくないな。
でも、リアルな夢だから仕方ない。

どーでもいい話だけど、よくヒーローものの作品に出てくる悪役ボスは、世界征服を目指してたりする。
彼らは世界のトップに立つことを夢見てる訳だ。
その志しは立派だな。
もしも、ワンオペの支配者が世界を牛耳ったら、少なくとも各国の紛争は無くなるだろう。
全部その人のものになる訳だから。

どんな悪巧みがあるのかは知らんけど、約200ある国のうちのたったひとつを我がものにしてふんぞり返ってるおっさんよりは夢があるな。
ヒーローが倒せなかった未来も見てみたい気がする。
いや、何とか怪人やショッカー的なものに改造されてしまうのは嫌だけど。

もっとどーでもいい話だけど、いつか、動物と話せる日が来ることを夢見てる。
バウリンガルを進化させて、対話が出来る機能を付けて、出来れば猫用を作って欲しい。
ニャウリンガルじゃダメ。
彼らが日々、何を考えて暮らしているのか、気になって仕方がない。
なんで自分を避けるのかも聞いてみたい。

猫は一生に一度だけ人間の言葉を使う、というのを聞いたことがある。
んな訳ない、とも思うが、これまた夢のある話じゃないだろうか。
我が家の猫は、いったいどんな言葉を伝えてくれるんだろう。
「あいつ嫌い!」とかじゃなければいいが。

人は夢を見る。
夢を見た分だけ成長する。
そうなりたいと努力するから。
モチベーションは大切だ。
悪役ボスのモチベを見習いたいもんだ。
戦闘員ショッカーのモチベは理解出来ないが。

さて今日も、新車と旅行とグルメのためにしっかり仕事しよう。
夢見る心があれば、メンドい仕事も苦にならない。
…うん、たぶん、きっと、そのはず。

4/16/2024, 12:09:55 AM

起きて。
こんなにあなたを呼んでいるのに、あなたは今も夢の中。
現実に戻りたくないのね。それでも呼び続ける。
無視されたって叩かれたって、あなたが目を覚ますのを見届けるまでは。
目覚まし時計の届かぬ想い。

最近、私のことをあんまり見てくれなくなったね。
いつも一緒にいる小柄なあのコを見つめてばかり。
以前はあんなに笑顔や泣き顔を見せてくれていたのに。
私といても、もう楽しくないのかな。寂しいな。
液晶テレビの届かぬ想い。

うるさい奴だって思ってるでしょ。
湿っぽくて、荒っぽい奴だって。
もっと静かで大人しいコに乗り換えたいの?
それとも、私よりお金のかからないあのコ?
私が一番、あなたに似合う服を知ってるんだけどな。
洗濯機の届かぬ想い。

飲み過ぎは良くないよ。
何か嫌なことがあったのかもしれないけど、さっきからお酒しか飲んでない。
もっと、野菜とか果物とか、体にイイものも食べないと。
キンキンに冷やして、飲みたくなるビールにしちゃう私がいけないのかな。
冷蔵庫の届かぬ想い。

だんだんあなたが嫌いになってくる。
どうしてそんな、人を傷付けるようなことばかり言うの。
本当のあなたはそんなんじゃない。
見も知らぬ相手に、罵詈雑言を吐くのはやめて。
ホントは寂しいだけなんでしょ。
私達の中には、もっと楽しい世界が広がっているのに。
パソコン、スマホの届かぬ想い。

こんなに尽くしてやってるのに、いったい何が不満なんだ?
高い食事もしただろ? ブランドバッグも買ってやった。
誰が見ても理想の彼氏じゃないか。
あんまり会えない?
仕事が忙しいんだよ、分かるだろ、それくらい。

あなたから私への、届かぬ想い。
私からあなたへの、届かぬ想い。

電化製品みたいに、気軽に買い替えられたらいいのにな。
高性能で高級品かもしれないけど、愛着が湧かないままじゃきっと続けられない。
周りにはきっと理解してもらえないけど、欠点のない人の欠点は、その欠点に気付かないこと。
そろそろさよならを考えないと。

届かなかった想いを届けよう。
そして、世界が回りだす。

4/15/2024, 12:00:16 AM

神様、もう少し一日を長くしてもらえませんか。
日々のお題に追いつけなくなりそーです。
もしくは、私に文才をください。

神様、ウチの猫に、私はイイ奴だと伝えてもらえませんか。
こんなに愛でているのに、家族で私だけ嫌われています。
鼻をグリグリする愛で方の問題でしょうか。

神様、お金の心配が尽きません。
ネガティブな情報が多すぎて、将来の人生設計が不安だらけです。
プール付きの豪邸に住む夢は、却下すべきでしょうか。

神様、LINEは使えませんか。
願い事は次から次へと生まれてきて、もっと確実な連絡手段が欲しいです。
インスタのDMなら使えます?

神様、本当にどこかにいらっしゃいますか?
存在を感じられないことが多すぎます。
今日も世界のどこかで、罪のない子供達が泣いています。

神様、今日もイイ天気ですね。
今度一緒に釣りにでも行きませんか。
最近の世界事情について、のんびり語りませんか。

神様、プール付きの豪邸はいりません。
でも、あなたとのホットラインは必要な世の中だと思います。
もう一度、つなぎ直してもらえませんか?

神様、信じるものしか救わないってホントですか?
それ以外を排除したりしませんよね?
そんなことを声高に叫ぶ男が、昨日駅前にいたんで。

神様、やっぱり人間は、あなたがいなくても何とかなりそーです。
皆、心の中にあなたを感じて、それだけで幸せに生きていけると気付きました。
誰の心にもあなたは存在していて、つまりあなたは我々そのものなんですね。

神様へ。
世界を変える力を持っている、神様へ。
人々を、幸せにも不幸にも出来る、神様へ。
明日、世界を終わらせることが出来る、神様へ。

今日も一日、仕事を頑張りましょう!

4/13/2024, 5:17:18 PM

失意の果てで、優しさに出会った。
不器用な優しさだった。
それでも、私のことを心から愛してくれた。
暴力の限りを尽くし、事故であっけなく死んでいった夫とは、まったく別の存在だった。
でもだからこそ、どう接していけばいいのか、慎重になる自分がいた。

ある日彼が、一匹の子犬を連れてきた。
飼ってくれないか、と言う。
私の心を癒やすために、彼は努力を惜しまなかった。
子犬にはすでに名前が付いていて、それは彼の名前によく似ていた。
僕がいない時は、この子を僕だと思って、彼はそう言って笑った。

それから当然のように、彼との交際が始まったが、彼はデートの度に、他の誰かを連れてきた。
二人で会うことはなく、誰かしらを紹介され、三人や四人で食事をしたり、映画を観たり。
それは彼の友達だったり、職場の同僚だったり、同じ人と何度か会うこともあった。

二ヶ月ほど、そんなデートが続いて、最初のうちは「二人きりで会うのが恥ずかしいのかな」などと考えて、紹介されるままに楽しい時間を過ごしていたが、次第に不満が募ってくる。
ある日、彼に電話をして、次は二人きりで会いたいと告げた。

その日は快晴だった。
そして、彼は来なかった。電話にも出ない。
二時間待ち、裏切られた気持ちで家路についた。

慎重に付き合ってきたつもりなのに。
どこで間違えてしまったんだろう。
あの優しさは嘘だったのか。
彼がくれた子犬は、部屋の中を楽しそうに走り回っている。
名前を呼ぶと、切なさがこみ上げてきた。
彼によく似た名前。

夜、彼が以前紹介してくれた彼の友達から電話があった。
今日の午後、彼は病院で息を引き取ったという。
聞けば、私と出会った頃、すでに余命二ヶ月の告知を受けていたらしい。
そして、彼から、「自分がいなくなったら、自分の代わりに彼女を支えてあげて欲しい」と、お願いされていたと。

馬鹿げている。
どうして自分には何も話してくれなかったのか。
パートナーを二度も失う悲劇を、説明するに堪えなかったのか。
だから、自分以外の誰かと会わせて、その人と私が結ばれる未来を勝手に思い描いていたのか。
馬鹿げている。
人を馬鹿にするのも、いい加減にして欲しい。

一晩泣き疲れて、朝方ちょっと眠りに落ちた。
目覚めると、窓の外には昨日と同じ快晴の空。
散歩日和だ。
服を着替えて、彼の名を呼んだ。
彼が連れてきた時より少しだけ大きくなった子犬が、尻尾を振って走ってくる。

「僕がいない時は、この子を僕だと思って」
他人に託しても、一番そばには自分がいたかったのね。
不器用に見えて結構策略家だったのかも、なんて、今さら彼の内面を少しだけ知れたような気がして、泣きながら微笑んだ。

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