Ryu

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3/13/2024, 5:00:24 PM

助手席は私。
あなたの運転でドライブしたね。
もっとたくさん、温泉とか行きたかったな。
ずっとあなたの隣で、ナビしてたかったな。

自分を責めないで。
仕事明けで疲れてたのは知ってる。
私を家に送り届けるために、無理させちゃったんだね。
いつものあなたなら、あのトラックも避けられたよね。
知ってるよ。

どうしてかな。
ここから離れられない。
あなたの車の助手席から。
あの事故の日から、あなたは運転するのをやめてしまったから、私はずっと動かない車の助手席に座ったまま。
またあの頃のようにドライブしたいけど、きっとあなたは笑顔を見せてくれないよね。

ホントはね、私も免許持ってたんだ。
持ってないって嘘ついて、いつもあなたに運転させてた。
ごめんね。
ずっと助手席に座っていたかったから。
助手席から見るあなたの横顔が好きだったから。
あなたが連れて行ってくれる場所に、ずっとついていきたかったから。

いつか、この助手席に、私の知らない誰かが座る日が来たら、その時やっと、私はこの場所を離れられるのかも。
それを望んでるわけじゃない。
でも、もしそれで、あなたの笑顔が戻るのなら…。
あなたが愛したこの車に、あなたがまた乗ってくれるのなら…。

事故で大破したこの車を、たくさんのお金を使って元通りに修理したのは、それだけあなたがこの車を愛している証。
そう思っていたある日、突然あなたが運転席に乗り込んできて、車をスタートさせた。
思い詰めた顔。
その顔を見た時、あなたがこの車を修理した本当の理由が分かった気がした。
でも、私には何も出来ない。

二人の思い出の海へ。
崖下に海原が見える。
あなたは、車を止めて、泣いている。
そうか。
今のあなたの苦しみは、きっと想像を絶するもの。
私の両親は、きっとあなたを許さない。
助手席から手を伸ばしたけど、あなたには届かなかった。

これが本当の最後のドライブ。
あなたの想いを受け取って、私が消えてゆく。
ひとしきり泣いて、私にさよならを告げたあなた。
私はこれを待っていたのかもしれない。
あなたの決断と覚悟を。
強く生きて。闘って。
あなたの思うままに。

さようなら。
あなたの車の助手席で、いつも私は幸せでした。

3/13/2024, 1:49:59 AM

少年の好奇心は 青い海を越える
世界の秘密を知りたいと 小さなベッドの上で

ネットを繋げれば 見えなかった世界が見える
でももっと知りたい 満たされない想いを抱えて

彼のパジャマは空色 窓の外にはビルの壁
この壁の向こうに 本当の青空が広がっている

いつか母親に連れられて 海辺の公園を歩いた
あの時の母の涙の理由を 今も彼は知らない

こんなちっぽけな体で 大きな世界を夢描いた
見えない鎖で繋がれた 小さなベッドの上で

オバケはいるのかな 宇宙人に会えるかな
猫と話が出来るかな 僕の病気は治るかな

少年の好奇心は 世界の果てまで飛んでゆく
誰にも邪魔されず 両手を広げて パジャマのままで

もっと知りたい 世界の隠しごと
もっと知りたい お母さんの隠しごと
もっと知りたい 壁の向こうの空の色
もっと知りたい もっともっと生きていたい

もうすぐ春が来て 草木が芽吹く季節に
少年は新しい世界で 冒険の始まりを迎える

空色のパジャマを 真新しい制服に着替えて…

3/11/2024, 1:38:06 PM

今日という日が、平穏なまま終わることに感謝を。

13年の歳月が、あの日の絶望をほんの少しでも癒やしてくれていますように。

いつかまた、平穏な日常が一瞬にして奪われるような出来事があっても、立ち直り歩き出す強さを、我々が持っていますように。

夕御飯を食べて、お風呂に入って、明日も早いのでもうすぐ寝ます。
今日も私は幸せでした。
いつものように、眠りにつくことが出来るから。
今この時を、家族と過ごすことが出来るから。

3/11/2024, 3:46:53 AM

ユニセフ募金を、毎月銀行引き落としで続けている。
いつからやってるのかも忘れたし、忘れてしまうほどの金額。
でも、始めた当初は、世界の子供達を救いたい、みたいな野望を持っていた。
そんなん無理だとは分かっちゃいるが。

慎ましい生活の中から、ほんの少しのお金を捻出して世界の子供達へ。
かたや、国家予算の大半を注ぎ込んで、軍事力を強化して、たくさんの戦争孤児を作り出している。
こんなことを続けて、本当に苦しんでいる子供達を救うことが出来るのか、疑問だらけだ。
そして、人間は矛盾だらけ。

「愛と平和」選手権でも開いて、優勝者を世界のトップに据えて欲しい。
もしくは、「愛と平和」検定にパス出来ない指導者は格下げにするとか。
世界のすべての国々でこれが採用になったら、私達の毎日はどんな風に変わるんだろう。
未来を担う子供達がすくすくと大人になり、世界を支えるヒューマンパワーは限りなく膨らんで、地球が抱える諸問題なんかすべて解決してくれたりして。
…まあ、夢物語だが。

そこまでの野望は無いにしても、募金はこのまま続けよう。
何の足しになっているのかも不明だが、そのお金でたった一人でも子供の命が救えるのなら、もうそれは、自分をヒーローと呼んでもいいんじゃないだろうか。
人知れず、愛と平和を守るヒーロー。
ユニセフの名のもとに、今日も世界に救いの手を差し伸べる。

ヒーローだって、かつては子供だった。
守ってくれる存在がいたから、大人になり、子供達を守る存在になった。
どこぞの大統領だって同じはず。
子供だった時代に、たくさんの大人達に守られていたんじゃないだろうか。
自分もそんな大人になりたいと、願うことはなかったのだろうか。
…それとも、国が違えば目を瞑るのか。

すべては救えない。
それどころか、救っている実感もない。
それでも、世界の何処かで起きている現実をスルーすることが出来ないんなら、やれることをやるしかない。
その行動によって、ほんの少しでも世界に愛と平和がもたらされるなら、やるしかない。

…とは言っても、まずは我が子を守れる親でありたい。

3/10/2024, 5:32:30 AM

思えば、よく笑ったし、よく泣いた。
どっちが多かったかなんて分かりようがないし、分かったところで今さらどーでもいいことだけど、笑って泣いてを繰り返すのが人生、みたいなところもあるから?それだけでもう、人生満喫してるってことかな。

ちなみに、昔から涙もろくてよく泣く。
男は涙を見せぬもの、なんて、まったくその根拠が分からない。
泣きたければ泣いて何が悪い、のスタンス。
強さと涙は関係ないし、感情揺さぶられて流す涙ほど人間らしいものはないと思ってる。
まあ、泣き虫の言い訳だ。

過ぎ去った日々にはいろんな思い出が詰まってて、それは今この時も作られ続けてる。
時の流れを止めることは出来ないから、どんどん過ぎ去ってしまう時間に無情さも感じるけど、この止められない時間のおかげで、どんな絶望の淵にいる人間にも、いつか必ず元の場所に戻ってくる希望を与えてくれる。
時は最大の癒やしだ。
もちろん、その時間を使って、立ち直ろうとする気持ちが必要になるんだろうけど、人間にはその強さがある。
時間さえあれば、きっと立ち直れる。

過ぎ去った日々の中にだけ、存在する人達。
会えない人、会いたい人、会いたくない人、忘れてしまった人。
思えば、ホントにたくさんの人達と関わり合ってきた。
彼らは今頃どこでどうしているのだろうか。
一度は確かに互いの人生に触れ合ったのに、もうこの先出会うことのない人達。
不思議だな。
ホントにあの人達は存在していたのかな。
…なんて思うほど、おぼろげな記憶の中に沈んでいる。

日々は過ぎ去っても、まだこの人生には先があるようだ。
これからも、たくさん笑ってたくさん泣いて、時間に癒やされ、たくさんの新たな人達と出会って、残りの人生を満喫したい。
いつかこれらの日々が、すべて過ぎ去りしものになるまで。

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