久我城ぬいろ

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4/2/2024, 2:07:54 PM

大切なもの

「大切なもの」って、
失った後に初めて理解するらしい。
そんなの嫌だ。
もっと早く、
誰か教えてくれれば良かったのに。

3/28/2024, 3:41:38 PM

見つめられると

他人の目が怖くなったのはいつからだろう。
「他人の目」というのはそのままの意味で、体の部位としての眼だ。
他人の私を見る目は、どこか冷たくて、私を突き放しているような目に見える。
他人が私をどう思っているかわからないから、本当のことは知らない。
それとも、知らないからなのか。
いつ、誰に見られているか分からない。
そんな恐怖感が頭にこびりついている。

だから、「見られても怖くない」相手は久しぶりに感じた。
彼の視線は、怖くない。
今は特に、周りの視線がきつくなっているように感じるのに、不思議だ。
それどころか、見つめられると心地良さを感じるなんて。

人の温もりって、こういうことなのかな……兄さま。

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自創作 硝煙は笑う より
目が怖い人 優子
彼     西浦
兄さま   高嶋

3/27/2024, 2:34:30 PM

My heart

「なんで心臓とか心って、ハートの形で表すんだろうな」
突然、隣の相棒が言う。
「なんでって……そりゃ、心臓の形がハートに似てるからじゃないの?」
「いや、心臓はそうかもしれないが、『心』はおかしいだろ。形とかねーし」
「そんなこと言われてもなぁ……」
そんなことに疑問ももたなかった私は、相棒の話にあまり集中していなかった。
そんなことも構わず、彼は話を続けているが……

翌日。
「なぁ、あん時のハートの話さ、オレ分かったんだよ」
「ハートの話……?ってなんだっけ」
「うぉい!あれだよ、心ってハートの形で表すよなって話!!」
「あー、あったねそんな話」
まさかまだ考えていたとは思わなかった。そんなに悩むような話でもなくないか。

「────『心』は『愛』なんだよ!」

「はぁ?愛?」
「そう。人間誰しも、心臓も心も愛も、なきゃ生きていけない。だから、共通してハートマークで表す」
「なんで知ったような口調なんだよ……」
「でも、これが一番しっくり来たんだって」
愛。
また「中二病」だとか言われそうだが、最近愛を実感した覚えはない。
生きていくには愛が必要。なら、私は?
……そう自分に問うと、自身を見失ってしまいそうだ。

この話は、私を良い気分にさせるものじゃなさそうだし。
とりあえず今のところは忘れてしまおう。
────心も愛も心臓も、今の私には複雑で重すぎる。

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自創作 To My Imaginary より

3/26/2024, 2:06:15 PM

ないものねだり

俺には技量がない。
俺には話術がない。
俺には根性がない。
俺には人望がない。
俺には仲間がない。
俺には生命がない。

俺には何もない。あるもの全部、彼奴に持っていかれた。
だが、後悔もない。捧げた、という方が正しいのか。
ただ、一つだけ、どうしても、欲しかったものがある。
今更言っても、ないものねだりになるだけでも。
一つだけだったら、罰当たりにはならないと信じて。

お前のその、眩しいほどの希望を。
少しだけ分けてほしくて。

3/23/2024, 3:26:28 PM

特別な存在

ずっと、誰かにとっての特別な存在になりたかった。
誰かの人生に関われるって、とても素敵なことだと思うから。
誰かの、貴方の、その物語のメインキャストになりたくて。
気を引く方法なら知っているから。

気付いた時にはもう遅かった。
その視線が、私の利用価値にしか向いていないことに。
「頭良い」「可愛い」「優しい」……って。
全部、そうやって口ずさむ自分自身を褒めているんだね?
でも、それでもいいよ。
特別な存在になれなくても、
誰かの人生に関われるって、とても素敵なことだと思うから。

……あれ。
私の人生は、結局誰のものなんだっけ。

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