久我城ぬいろ

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特別な存在

ずっと、誰かにとっての特別な存在になりたかった。
誰かの人生に関われるって、とても素敵なことだと思うから。
誰かの、貴方の、その物語のメインキャストになりたくて。
気を引く方法なら知っているから。

気付いた時にはもう遅かった。
その視線が、私の利用価値にしか向いていないことに。
「頭良い」「可愛い」「優しい」……って。
全部、そうやって口ずさむ自分自身を褒めているんだね?
でも、それでもいいよ。
特別な存在になれなくても、
誰かの人生に関われるって、とても素敵なことだと思うから。

……あれ。
私の人生は、結局誰のものなんだっけ。

3/23/2024, 3:26:28 PM