お題:「さようならを言う前に」
遠花火
破裂と共に
流れ星
お題:「空模様」
1番好きなお題なのに。
何故これ程までに納得いかないのだろう。
書いては止まり、果ては消し。
カーソルがピコピコして、黒に顔が映る。
数秒の時差があって、
気づく。
それはそうだ。
夜中にどれだけ頭を抱え、
どれだけ記憶を辿れど納得する訳はないのだ。
何故なら。
君の美しさを表現する方法は、
いつだってその瞬間でないと“葉”が散るからだ。
「生き急ぎ」
まーわれまわれ
イソガバマワレ
やらねば成らぬ
あちらへお行き
まーわれまわれ
イソガバマワレ
堕ちても知らぬぞ
こちらへおいで
まーわれまわれ
イソガバマワレ
やらねば成らぬ
そちらへお行き
まーわれまわれ
イソガバマワレ
堕ちても知らぬぞ
ここらでおいで
・ ・ ・
気後れ
手遅れ
氣を付けて
地に着け
足着け
手を付けて
早足
差し足
落とし穴!
ドカン
------------------キリトリ線----------------------
お題:「鏡」
下
を
向
い
て、生きていた。
人と目を合わせた経験がなかった。
ついさっきまでは。
・
・
・
「すごいじゃん」
思 オモテをあげた。
わ
ず
それまで人は、敵だった。
なんて
なんで
柔らかな顔をしている ?
もっと好奇の目を向けているモノでは?
バカにしているのではないのか?
今まで見ていたものはなんだった?
今まで馬鹿だ阿呆だと騒ぎ立てたのは一体誰だったのだ?
その日、久々に鏡を見た。
前の見えない髪。
すぐ逸らしたくなる目。
ひん曲がった口。
前に出た顎。
偏った肩。
握り方のわからない手。
仁王立ち。
巻き爪。
息を吸っている。
息を吐いている。
息を吸っている。
息を吐いている。
初めて、自分というものと目が合った気がした。
そうか、きっと。今まで見ていたものは。
---- だったのだ。
それならば。
誰にもバレないように、
スポンジをカートに押し入れた。
お題:「いつまでも捨てられないもの」
いつぶりだろうか。
このタンスを開くのは。
えぇっと、最後に開いたのはたしか
「中学2年?いや、3年の夏ぐらいか、」
ぶつぶつと漏れた音が、窓から流れる蝉の声に被さる。
ガラ
ガラ
「おぉ...」
小学校の頃よく手紙や日記を交換していた名残があった。
「よくやったよなぁ」
-ジリジリジリジリジリ
-ミーンミンミンミーン
-ぶおーーーーーーーー
扇風機に紙が飛ばされそうになりながら、
懐かしさを辿る。
「酷い字」
小学校でいつからかやらなくなったそれを、
つい中学まで見返していたのだ。
いつから、やらなくなってしまったんだっけ。
“大人”と言う文字がチラつく。
昔はキラキラしていたその言葉も、
今や泥に塗れている。
ため息。
一枚しか無いお気に入りの便箋
溜まってしまったお気に入りの封筒
お気に入りばっかのシール帳
微妙なのばっか残ったシール
パンパンのチャック付きファイル
案外薄いプロフ帳
デコられすぎた交換日記ノート
6ページ目以降が白紙のノート
-ジリジリジリジリジリ
-ミーンミンミンミーン
-ぶおーーーーーーーー
「棺桶に入れてくれって書こうかな」
ふと、最後の一枚を手に取った。
「8/17 14:00 感じたことで一句」
夏時雨
隠れた青を
呼び醒ます
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お題:「誇らしさ」
※スッキリしない終わり方です
[これまでの人生で1番 誇れる事はなんですか?]
(なんだこの質問は。)
素直に出た言葉だった。
『えーオレはやっぱアレっすかね!アレアレ!』
自分より二回りも違う若造が、既に筆を取っている。
『僕はやっぱその、子どもが生まれた時、、、とかかなぁ?』
遠慮がちな雰囲気を出しつつもはにかんでいるのが良く伝わってくる。
当の自分に目をやれば、
紙すら手に取れないでいた。
『こう言うのって、高校生までかと思ってましたよー。めんどくさいっすね!』
『まぁそうだよねぇ。なんでも、新任の社長の意向で。こう言うのが大事だとかなんとか』
『前世で校長でもやってたんすかね?ww』
「かもな(笑)」
なんて笑って、内心冷や汗が止まらない。
嫉妬や焦燥だけならまだしも、
希死念慮の影が差している。
良い家柄に生まれた訳ではない
良い学校を出た訳でもない
得意な事は自信を持っては言えないし
趣味も微妙
結婚もしていない
当然子どももいない
万年係長。
あぁ。
誇れる事は?
「ない」
めまいがする
今すぐ倒れそうだ
救急車を出してくれ
そのまま一生寝たきりにさせてくれ
『係長は?かけました?』
切り裂く様な声がした。
「ありすぎて困ってるよ!なんてね。(笑)」
『wwwwそりゃそうですよね!wwww』
その眩しさにまた一つ、影を落とした。