わさび

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10/12/2024, 6:02:50 AM

お題:「カーテン」


見上げた空に、鼻にくるような陽射しが突き刺さる。

ハックション!

天の道はまだ遠く。
眼前にどデカい蜘蛛の巣が、フィルターをかけている。

ハックション!

清々しいほど澄み渡る青に架かったイトは、魔を差して美を誘う。
見惚れる事はないが、忘れる事もできない。

カシャッ

9/30/2024, 5:24:29 AM

ぬるくて息を詰まらせるような空気が、
窓を開けても変わらずに続いている。

秋の匂いでお腹が空いて、
口へ運んだものの味が、
いつもより濃い。
表現不能なこのつっかえを、
包み込んでくれるような。


ゲホッ。ゲホ

9/18/2024, 3:13:46 PM

お題:「夜景」

「やっ、失敬失敬」

なんて言ってこちらにもたれるこのヤニ酒臭いおっさんは、俺と同い年だってんだから。
目を逸らしていたい。

『タクシー呼びますよー』

棒読みで呟き、息を止め、スマホを開く。

便利になったもんだ。
息止めながらタクシー停められんだから(笑)
そう言えば。なんだっけか。
ナ○ツの塙さんがドラマに出た時、棒読み過ぎて棒棒鶏とか言われてたって話だったな。

少し隣を見て。

いやぁ。コイツはどこも臭くて敵わねぇやな。

『タクシーのお代、いつも通り取りますねー』

仲介手数料も取ってやろうか。
...いかんいかん。

タイミング良く、目の前にタクシーが停まった。

『お願いします』

毎週金曜、夜も更け。
窓から見える店などは、車のスピードでライトが
塗りつぶしている。
そんな街に焦がれる奴は、とっくに寝ている。

『ありがとうございましたー。』

ぶおおおお

『着きましたよー』

起きろよ。
?あ。今日はすげぇまるいなぁ。
そういや、9月だったか。なんてか、

長き月の世は恐らく、
あなたに盾突き、寄り添う。
夜の景。

9/16/2024, 1:51:56 PM

お題:「空が泣く」


「うわっ!」

何かが旋毛にクリティカルヒットした。
ちょっと痛い。
右手で押さえながら上を見ると、分厚い雲がこちらを見下ろしていた。

家まであと10分。
リュック入れたおニューの折り畳み傘。
足早になった。

チッ。赤じゃねぇか

加えて車が多い。
イヤホンから流れるお気に入りの曲が五月蝿い。
心なしか頭を打つ粒は増えている気がする。








心 君






『問いは、無視されてしまう。
きっと、西陽が照らす方へ虹がかかることも』



ゲッ。ここで強くなんのかよ!

家まであと10歩。
走って屋根に入る。

このまま大洪水にでもなって、明日休めねーかな。

ガチャン


『そして。』






君に降る。

9/15/2024, 12:28:08 AM

お題:「命」


秋。春一番が吹いて、
炎陽は清々しく照っている。

椿の花が白地に堕ちて、私は。


貴方に命乞いをするだろう










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