無性に濡れたい時がある。
頭から足まで、理由もなく水浸しになりたい。
無性に叫びたい時がある。
日頃の鬱憤全部まとめて、吐き出したいのだ。
声に出せない辛さが、募る、募る、募る。
だから、行動に移っちゃうんだよね。
家のものを全てぶっ壊して、ついでに自分も壊れてくれよって。
ああ、もう壊れてるのかも。
なにか、理由もないけれど、とにかく、無性に叫びたい。
たぶん、きっと、存在意義なんてない。
鳥みたいに空を飛べても、僕の無能感は拭えない。
魚みたいに海を泳げても、僕の虚無感は消えない。
ぬるい言葉で紡がれる慰めは効かない。
甘えだ、と辛い言葉で紡がれる叱咤も効かない。
たぶん、きっと、僕はいつ死んでも良いのだ。
あなたが死んだら、周りの人が悲しみます。
でもさ、引きこもってニートになって、消費しかしない人間なんて必要かな。
どうせ見放されるなら、今のうちに消えたほうが良いと思うんだ。
周りの人も、「やっと死んでくれた」より「生きていてくれたら」って思うほうが、多分いい。
今日も、鏡の中に自分に問う。
「君は今日を生きれそうかい?」
死にたいわけじゃないけど、生きていたくもない。
そんな虚脱感に悩まされる今日この頃。
僕は入学前まで心を弾ませていた学校ですら、やめそうだ。
心の健康って、何より元気なことだと思うの。
だから、ちょーっと上を向いてご覧なさい。
昼だったら太陽が見える。
夜だったら月、星が見える。
もしかしたら、飛行機やヘリコプターが飛んでるかも。
ね、ちょっとは元気になった?
人って、上を3秒見つめるとポジティブな気持ちになるんだよ。
だから、たまには上を見ない?
空が晴れていたら、きっと君の心も晴れるよ。
明日、もし晴れたら、君と散歩をしよう。
君の足がなくても、僕が手を貸すから。
君の目がなくても、僕が情景を伝えるから。
君の声がなくても、僕がたくさん話すから。
君の元気がなくても、僕の元気を分けるから。
君の体温が低くても、僕が温もりを分けるから。
「ね、明日は外に出ようよ」
心の中の、君が言う。
寝たきりの僕に向かって、君が言う。
僕がかつて君に言った言葉をそのまま、君が言う。
「なんで死んだんだよ」
薄暗い病室でひとり、可憐な少女が写る写真を握りしめて、言葉が落ちた。