明日、もし晴れたら、君と散歩をしよう。
君の足がなくても、僕が手を貸すから。
君の目がなくても、僕が情景を伝えるから。
君の声がなくても、僕がたくさん話すから。
君の元気がなくても、僕の元気を分けるから。
君の体温が低くても、僕が温もりを分けるから。
「ね、明日は外に出ようよ」
心の中の、君が言う。
寝たきりの僕に向かって、君が言う。
僕がかつて君に言った言葉をそのまま、君が言う。
「なんで死んだんだよ」
薄暗い病室でひとり、可憐な少女が写る写真を握りしめて、言葉が落ちた。
8/1/2024, 12:26:55 PM