6/23/2024, 7:11:40 PM
子供の頃は良かった。
うちの祖母はそう言った。
世間のしがらみに囚われず、素直に人の言うことを認められる子供は良い。そして、それは大人になると途端に難しくなることなのだと教えてくれた。
大人の付き合い、とはよく言ったもので、祖母はたまに、友人と会話する時とは違う声音で電話口に向かっている時がある。
後で聞くと、会社のきらいなひと、と言っていた。
それから僕の頭を撫でて、子供はいいわね、と溢した。
みんなに対して元気が良くて、素直で、従順で、可愛くて。
私もそうなりたい、祖母は、少し悲しそうな顔で呟いた。
6/1/2024, 5:43:14 PM
梅雨は嫌いだ。
髪が、湿気でぼさぼさになるから。
朝に頑張ってセットをしても、家を出たら、ぼん!
途端にやる気がなくなって、どうしようもない。
それに翌日の朝に準備する気力がなくなるのだ。
だから私は、じめじめの梅雨が嫌いだ。
5/23/2024, 9:00:46 AM
「また明日」
そう言って別れた帰り道、君は事故に遭った。
横断歩道を渡っていたところ、飲酒運転のトラックに突っ込まれたそうだ。
集中治療室に入った君の「生」を示すのは波打つ電子版だけ。
また明日、会えても君に意識がないと意味ないだろ。
ひとりで呟いても、いつも返ってくるはずの声はなかった。
5/21/2024, 12:59:44 AM
理想のあなた、いや、理想の私はすごいぞ!
理想の中だから、小説みたいに要素もりもりなんだ。
多分、気持ち悪いぐらいに。
まず詰まらず言葉が出せて、友達がたくさんいて、ちゃんと夢を叶えてる。
ほら、すごい!
夢のまた夢、そのさらに夢のはなし。
5/8/2024, 2:36:31 AM
初恋の日、それ即ち、初告白の日であり、失恋の日。
でも諦めなかったおかげで、それはプロポーズ大成功の日になった。