ウツギ

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3/24/2024, 9:05:18 AM

特別な存在。

そんなものになれたなら、どれだけ良いか。

3/23/2024, 7:28:26 AM

僕は不真面目で、君は真面目。

僕はちゃんと髪を切って黒縁の眼鏡を掛けていて、君はカラコンに染髪、ピアスまでしている。
見た目だけで言うなら、僕は真面目で、君は不真面目。

けれど、成績は見た目と真逆だ。
僕は数学で20点を取るし、君は90点を取る。
君は国語で100点を取るし、僕は30点を取る。


「賢いのに、なんでバカに見せてるの?」
いつだったか、そう訊いた時がある。

君は笑って、「そりゃあ、めちゃくちゃバカっぽい奴が賢かったら、すげーってなるでしょ? それ狙い」と語った。

「んふ、バカみたいなことするね」
「そーそー、でも全力でバカなことするのって楽しいからさ」
君は銀縁の眼鏡をあげて、ぎっしりと計算式で埋められたノートをめくりながら得意げに言う。

多分、そういうところが君の真面目たる理由だろう。
そして、僕のノートが空白で埋まっていることが、僕が不真面目たる理由だ。

すごくバカらしい話だけれど、その対比がすこしだけ面白い。

3/22/2024, 7:15:32 AM

深夜三時。
街が寝静まるその時間、僕はひっそりと公園へ向かう。

僕は誰の存在も感じない、その時間が好きだった。
ひとりぼっちで、邪魔するものなんて何もない。


「にゃあ」


鳴き声が聞こえて、足元を見る。
可愛らしい猫が、こちらを見上げて佇んでいた。

「なんだよ、これじゃあ二人ぼっちじゃん」
「みゃあ」

猫は、同意するように僕の膝に乗り上げる。
顎を撫でてやれば、気持ちよさそうに目を閉じた。
今日はしばらくは動けそうにないようだ。

3/21/2024, 3:34:18 AM

夢が醒める前に、君の手を握らせてほしい。
醒めれば二度と触れられない、子ども体温の君の手を。

じんわり、僕の胸も温まるから。

3/19/2024, 8:58:43 PM

あの人を見ると、胸が高鳴るの。

彼女は頬に手を添え、にこやかに微笑んだ。
結局のところ、それは恋じゃなくて病気のはじまりを告げる鐘、動悸であったワケだけれど。

彼女は一瞬の熱に浮かされて、少しでも幸せだったのだろうか。

恋愛脳の彼女だから、どこかで違いは悟っていたと思う。

それでも気づかないふりをしたくて、「胸が高鳴る」なんて普段は言わないような言葉を吐いたのかな。


植物状態になった今も、胸の高鳴りは覚えてくれるといいな。

ひっそりと薄暗い病室で、彼女の胸に手を当てる。

どくん、どくん、どくん。

まだ、動いてるみたいだ。


「よかった」


どうせなら、心臓を取り替えっこできたら良いのにね。

僕の心臓をあげるよ、と口をついて出そうなくらい、太陽みたいに笑う君を見たいんだ。

ああ、僕じゃない誰かに向ける君の笑顔でさえ、もう恋しくなっている。

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