22時17分

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3/19/2025, 6:16:14 AM

大好きな雪が降ったからと、子供たちは歓喜の顔をしている。
一方親は曇り顔だ。これは降り積もる香りがする。交通網が麻痺しないか否か。先行き不透明な将来に重ねて、大粒の雪が解けて雨になりやしないか。そればかり考えている。
結果は昼になるまでお預けだ。

※晴れました。

3/18/2025, 12:40:27 AM

叶わぬ夢はどこに落ちているのかな。
この場合、自分に限定する必要はない。名の知らぬ人間のモノでも構わない。そうでなければ四つ葉のクローバーなんて見つけられないように、可能性を広げる条件に拡幅する。

緑地帯の歩行者用道路を歩いていた。
このまま進めば荒川の河川敷へたどり着く。昔は水害の氾濫で荒れ狂ったことが由来の荒川。と聞き及んだ。
歩いている少年以外、誰もいない。歩行者用の名折れである。誰もいないし誰もすれ違わない。
緑園化された花園を見やった。まだ本格的な春は来ていない。でも分かるのだ。何処となく花の香りが、鼻でキャッチしたから。
幻香ではない。今に見てろと。誰かが零した叶わぬ夢。それを糧にして、一ヶ月もしないうちに、春は現れるはずだ。

3/17/2025, 9:55:52 AM

花の香りとともに。

最近、花の香りというものを嗅いでいないような気がする。もうすぐ春がやってくるというのに……。このままでは春はやって来ないかもしれない。
天候予想をみるに、数日後には降雪の予報らしい。えっ、雪が降るのかよ、と僕は仰天。先日降った雪が名残り雪だと決めつけていたのだ。

そういうわけで、近所を散歩してみることにした。
仕事中、ここには居ない。ここにはコンビニがあったな、ここには駐車場があったな。などと、脳内の地図を更新する作業。家に地図はあるが、スマホで充分と力不足。散策気分の能天気。天気はどんどん春のアスレチック。
こんな所に店なんてあったけ?
ふーん、よく知らんな。と、新店舗の匂いは落ち着かない。

適当に歩くと、さくら通りとかなんだか言って、まだ枯れ木の山の賑わいという出で立ちの、桜並木の下のバミリを目撃した。
地面に直接貼るテープである。陣取り合戦の奴である。ここは出店不可、ここはOK。そんな感じに自治体が自治厨をやっている。
出店不可の理由を探すと玄関先だったり、駐車場の出入口だったりする。それでここにテントを張れないというわけだ。
結局花の匂いは嗅げず仕舞いだが、その予感はするな。冬ならもう暮れているのに明るげだ。日暮れの時刻はずれ込んだな、と、まだある昼空を見通す。
そこにあるのは蒼の匂い。

3/16/2025, 9:35:36 AM

心のざわめき。

まだ五日も経っていない事件だが、とある生配信者が外で襲われて死亡する事件があった。
場所は高田馬場駅から南へ300メートル。近くに美味いそば屋があるらしい。
ニュース程度の知識でしかないが、被害者は女性で山手線一周企画として、生配信をしながら歩いていたようだ。配信なのだから、おおよその場所どころかどこの通りを歩いているかまでリアルタイムでわかってしまう。そこを、襲われたということだ。

最初は無差別的なものだと飛ばし記事があったのだが、その日の夜には雨降って地固まるというように事実が固まってきて、「2人には面識がある」ということでホッとした。
被害者は死んで、不幸の念はあるのだが、無差別的なものなら悲劇は広がっていくリスクがある。事件はそこで終わった、バッドエンドで筆を置いたと、僕は撫で下ろした夜である。

加害者、被害者の関係は、金の縺れに起因するらしい。金貸しというわけだ。配信者になる以前に遡る。彼女はガールズバーで働いていて、男は客として訪れた。そこからの縁らしい。
女は様々な名目で無心。男は単なる客を離れ、消費者金融と自身の貯金で420万ほど彼女に貢いだ。女が配信者となり、月100万ほど稼ぐ有名配信者になっても金を返さず、とうとう男は凶行に及んだと。

上半身にかけて刃を振り下ろす数は30ヶ所以上らしい。まさしくメッタ刺しで、首や顔にも及んだ。絶命した後も死体を蹴り上げて仰向けにさせて、踏んだり蹴ったり。それで鬱憤を晴らし懲りたのか、彼女の自撮り配信中のスマホを取り上げて、現場を映し続けた。意味深な時間、それで現行犯逮捕。
刺殺現場には、ペットボトル飲料や死者に手向けた花束などのお供え物が置かれたようだが、配信界隈ではそれをネタにして、バイトテロのような迷惑配信があった。
ということで、有志が撤去した。その者も配信者だが、SNSで事後報告といったものなので良心的ではなかろうか。
金の縺れは縁の切れ目。
疑似恋愛に多額の金を注ぎ込む系は、酷い結末になりやすいなぁ、と思うこの頃。

3/14/2025, 9:39:52 AM

透明な夜をモチーフにしたアクアリウムに、何千、何万もの生物が泳いでいる。
水槽の深さは十メートル超で、客は海底から空を見上げるような構図になっている。
小魚は群を作って、透明度の高い清らかな水流を作っている。水に棲む龍のような、神秘的な水族館だった。
そこに一滴の黒を加えれば、夜になるだろうか。この大きな世界なのだから、何滴も加えてもまだ、透明な夜になるだろうか。
まっ黒な夜の底なし沼。身体に沈みながらも歩を進めて、次の楽園へ向かった。魚を肴にして、昼メシは何にしようと考える脳。
出口からでた。水族館の近くに海鮮丼屋があって、店の入口から乱れる列を作っていたのを見かけた。ちょうど入館料と同額だった。水族館が空いていたのはこれが理由だろうか。

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