22時17分

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3/12/2025, 9:44:14 AM

星。

地上に望遠鏡を設置しているから見渡せないのだ。
地上からでは真上の夜空や地平線より上の夜空のみしか見えない。日の沈んだ先の、地平線より下の範囲は、地面に生息している人間ではどうあがいても見えない。何があろうとも。

何があろうとも?
そんなことはない。
望遠鏡を宇宙に飛ばせばいいのだ。地上から打ち上げて宇宙へ。
宇宙開発では、すでにそれをやっている。宇宙望遠鏡と呼ばれる代物がある。ハッブル宇宙望遠鏡。重さ11トンの筒状で、長さは13メートルもある。宇宙にあるので天候による影響を受けない。これが地上のそれとは違った。雲がなくても水蒸気の邪魔はされない。
それを覗く視点は人工衛星。もちろん宇宙船にいる研究者だ。
何も見えない所にピントを合わせ、望遠鏡を覗いてみた。そんな所に星なんてあるわけない。でも、予想に反してそこに星はあった。それも一つではない。無数の星々が散らばっている。
肉眼では見えないというだけだ。光は届かなくても星はある。ということだ。

星の正体は、ただの石ころなのだと。答えは近くにあるように知識は近くをより拡大する。
顕微鏡で微生物をみるように世界をミクロの世界にして、ミカヅキモを探すようなものだ。明るさで判断してはならない。

3/11/2025, 9:50:03 AM

願いが1つ叶うならば、しろ◯んが広まってほしい。
最近、スクラビングバブルとコラボしたんだって。
トイレ洗浄のルンバの合の子みたいな感じのやつ。
コラボCMでやってたんだけどね、しろ◯んが部屋の掃除をして、ゴロゴロと絨毯の上で気持ちよく転がってたんだ。いやされるな〜。
僕のデスクトップPCの壁紙は、週休7日……いや、「週きゅ〜7日」だっ。
これも絨毯の上で寝そべっていて、周りにお菓子やゲームやジュースやポテチなどを置いてのんびりしてるの〜。いやされるな〜。

3/10/2025, 9:56:55 AM

嗚呼、なんて殺生なお題だ。
こんな独立語に何か書けだなんて、無茶振りにもほどがある。語源に頼るほかない。

「嗚呼」を調べて三千里。
中国語から来たそうだ。借用語と呼ばれるもので、輸入品か逆輸入されたらしい。
それで、明治時代あたりの有名な文豪たちによって、ひらがなとカタカナ、漢字などの言葉遊びが転じて「ああ」を漢字表記にした。
当て字だそうだ。特に何の脈絡もない。
きっと意味を持たそうとしたのだ。何の意味もない、ため息に精魂込めた感情で言う無名声優のように。ひと言の登場だとしても、自分の声をのせることに達成感を覚えたいと、人は思ってしまうものだ。
本来はただ時間を無為にするだけの、一拍だったと思う。誰もがその漢字を使ったから、そういうわけで、「嗚呼」と書くようになった。

鳴くように呼ぶ、でよいのだろうか。
いや、単なる当て字なのだから意味なんて知るかか。現代人はよく何かに事欠いて、視界に入ってきた事柄に対してジャッジメントする。
まあ、現在では見かけないかな。そもそも文章中に「ああ」なんて言葉を忍ばせることさえやらなくなった。
ため息だらけで湯けむりになり、熱水噴出孔になり、温泉が湧きだし、SNSの街ができ、それで事件が起きているのだから、心中お察しする。

小説内で時折見かける台詞でもある。
あまり見かけないものだから、作成途中に挿入された作者独自の栞かな、と思ったりもする。作者と登場人物の心情がシンクロするのだ。
その際、一体何の模様だろう。栞の押し花の話である。
きっと栞だった紙に模様を付与する魔法のような、ひらがなの「ああ」は白紙だったのかな、って。
そんなことを思ったりする。

3/9/2025, 8:46:38 AM

秘密の場所にも白いものは降り積もっているのかな。
空から落ちてくる大粒の雪を眺めて、自分だけしか知らない場所を脳裏に浮かばせている。
秘密の場所――それは、人それぞれに思い浮かんだかすかな記憶。
誰も使わない歩道橋の下。
がらんと人気のない音のする校門前。
昭和の地主が死んで土地だけ残った畑。
森。林。神社。
大きな石に奉る注連縄。
この中にはね、神様が宿っているんだ。という。
その理論からすれば、きっと空にだって神様は居るはず。この雪を降らせたものは、きっといる。自然と落ちてきた……わけではない。

明日から春の陽気が来る。
だから、この雪は名残り雪となるだろう。
日が変わる夜になれば止み、朝方には降り積もった白いものは儚く解けていくのだ。

3/7/2025, 9:17:42 AM

風が運ぶものは見えない。
香気を感じるために、何が溶けているのかと目を閉じてみた。
「大いなる遺産、かな」
日が落ちるのを当たり前だと思えるような人物にはなりたくないなぁ、と目を開けると、べつの世界からやってきた風がやさしく肌を撫でる。

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