22時17分

Open App
1/13/2025, 6:54:46 AM

あの夢のつづきを紡ぎたい。
そうやって、どこかへやったプロットを探そうとした。
おでこに貼り付けた幻想不快なノッカーで、頭蓋骨をノックしようとした。
脳内に響き渡る幻音感。
甘い囁き、どら焼きを食べるやわらかい口当たり。なめらかさ。
プロットは見つからなかったが、別にどうでも良いと感じた。意識はそちらに傾きかけていた。

つまり、甘い囁きに傾いて、プロット通りにゆかなくなったのだ。だから、夢は途絶え、夢のつづきを所望するのだろう。

1/11/2025, 9:04:10 AM

未来への鍵はどこかになくした。
それでも未来には行ける。
何もしなくても。立ち止まっていても。
鍵穴は無理に開けなくてもいいんだ。
そう思ったが最後、精神の時の扉に閉じ込められて、ミイラになるまで飢餓に苦しむんだ。

1/10/2025, 9:35:48 AM

星のかけら。

世にも珍しい、星のかけらを運搬するワイバーンに興味があった。
背に乗りたい。
星のかけらに紛れて、どこへ行こうとするのか知りたいと考えた。

星のかけらを運ぶのだから、きっと図体は大きいだろう。人ひとり乗せたところでバレっこない。
そういう想像をして、星のかけらの集まる通称「星屑の砂浜」で待ち伏せをした。

半月ほど、じっとしていた。
砂の色と海の色、どちらも夕刻になって太陽の光で飴色になるくらいまで、じっとしていた。
その龍は夜空が広がる方角よりやって来た。
太古の昔より集まる星屑の砂浜に、身体ごと突入させた。タカのように滑空して、地に接するとすぐにモグラになった。
砂糖の山に一匙掬い取るような豪快さ。
誰かの意思で一匙の気分であるワイバーンは、そのまま持ち上げられ、大量の星のかけらを背に抱き、また夜空に羽ばたく。

到着地はきっと新たな星だ。
鷹揚とした背に乗った、星のかけらに溶け込んだ小さな彼は、離島が浮遊するときの重力加速度を感じつつ、不安定さの揺り籠に耐えていた。
飛翔時間中、細やかに星のかけらは落とされていく。宇宙に散らばる星々、そうか、これが夜空が美しい理由なのだ。
ワイバーンによってふるい落とされ、最終的に乗せられた大きな星のかけらを使って、新たな星を作り出しているんだ……。
しかし、興味のあった者にとって、その期待感ほどのものではなかったと到着してから思った。

確かに星を作っていた。
しかし、それはまだ夜空で瞬くような星の形をしておらず、ゴツゴツとした岩の大地が広がっているだけだった。

「うわっ」

突然、ワイバーンは空中で宙返りをした。
それで背に乗る大きな星のかけらとともに、新たな大地に降り立った。
大きな星のかけらは、落とされた衝撃で砂になった。
少年は無事だった。
星砂の砂浜がクッションとなって、高所からの衝撃を緩和したのだ。

ワイバーンは宙返りをした後、飛んでいった。
流れ星みたいに見えて、始まりの神が目にしたものと同質だと魅了された。

1/9/2025, 7:01:40 AM

Ring Ring…

変わったお題だが、電話の音だろう。
しかし、今の電話の音は華やかな曲の一部となっており、昔のようにリンリンとなんて言わなくなった。

昔は、電話の音に関して英語のように聞こえていたのだろう。
今は、多様性がどうたらといって、「Ring Ring…」の読み方は多数あれど、正式名称は皆ど忘れしたようになっている。日本人が英語をしゃべれないでいる要因だ。

1/8/2025, 9:31:37 AM

追い風に乗って、夜の海で船旅をしていた。
舳先にランタンでも付けているかのように、一隻の小さな小舟は漂っている。周辺は明るい気でいる。

見上げれば、三日月が。
小舟の正体は、三日月でもある。

漕ぐ。
くたびれた木製のオールで、濡れた夜の一部を削る。
海の奥深さに比べたら何百年分の一瞬なのに、想像通りに重く、そして動かない。
費用対効果。めっちゃ低くて叶わない。それで「老人と海」のように、強敵に出逢ったら死角でこの舟は大破。漂流することになるだろう。
危険を想像したら危険が囁いてくる。
体力を使うな。

違うと首を振った。
それでも漕ぐ、漕ぐ……漕ぐしかないんだ。
月は優雅だが、一方地上は向かい風に転じている。

遠くに島影が見える。
島か本土か分かるのは、夜が明けたら。

Next