まにこ

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3/1/2025, 12:47:23 AM

酔った勢いだった、とか、ノリでやってしまった、とか。
いくらでも御託を並べることはできた。
しかし、最終的にそれを受け入れると決めたのは自分だ。
心の奥底に秘めたる思いを暴かれてしまった。
否、醜い己の感情を見て見ぬふりをしていただけだ。
「あれを無かったことにはさせません」
いつの間にいたのか、後ろからギュッと抱き締められる。
擽ったいような、それでいて身を委ねてしまいたいような、そんな心持ちがした。
とくとくと、二人の鼓動が柔らかく重なる。
「……温かいね」
「はい」
もっと温かくなりましょう、お兄ちゃん
耳元でそっと囁かれる。

2/28/2025, 1:40:05 AM

何だ、この可愛い生き物は。
初めは中々警戒心を解いてくれなかったこの少年も、今では己の膝の上ですぅすぅと寝息をたてて眠ってくれるまでになった。
ふんわり柔らかな髪をそっと撫でる。
気持ち良いのか、撫でている手に頭をぐいぐいと押し付けてきた。
心の奥で毛糸玉がころころと転がるような柔らかな気持ちになる。

2/27/2025, 2:40:58 AM

○月×日
「鍛錬」と云う言葉を使えばすぐに乗ってくると思っていた。
案の定、瞳を輝かせながら話に食いつく。
内心溜息をつきつつも、そんなことはおくびにも出さずに「鍛錬」を開始することにした。

一日目
いつも通り、陥没している。
まずは指の腹でその周りを触れるか触れないかのギリギリを攻める。
くすぐったいと何度も口にしているがそれは徹底的に無視。
そこがほんのり桃色に色付いてきたところで「鍛錬」を終える。

二日目
今日も今日とて陥没している。
指の腹で昨日よりも少し愛撫を長めに行う。
相変わらずくすぐったい、と言っていたものの、漏れる吐息に甘やかな声色が混じり出している。
奥に潜まっていた芯がじくじくと熱を帯びているようだ。

三日目
少し顔を出しているように見える。
指の腹で片方を撫でつつ、もう片方は舌先で啄く。
上げる声には艶がかかっているようだ。
じっとりと舐めてやると、どうやら下半身も疼くようで太腿をもじもじさせているのが見えた。
それには気付かないフリをして、より丹念に舌先で奥を解いていく。

2/25/2025, 11:04:02 PM

私一人ではここまで辿り着くことはできなかった。
あなたの協力があってこそ、今に至っているわけだ。
ほんのり淡い桃色に色付くそこは、勇者の侵入を期待して待っていてくれる。
冒険のための下準備はしっかりと済ませた。
手始めにまずは指を一本、少しずつ少しずつ掘り進めていく。
甘い吐息が漏れるのを確認しつつ、ゆっくりと奥へ奥へ勇者は進む。
やがて最初の宝物を見つけたことを、甘やかな声が教えてくれた。
「ここ、ですね」
ニコリと微笑み、汗ばむ額に口付けを落とす。

俺たちの冒険はまだ始まったばかりだ―――

2/25/2025, 3:47:03 AM

「これ、あげます」
突然降って湧いた不審者と呼ばれても仕方ない私のことを兄と慕ってくれるこの子。
照れ臭いのか視線はこちらに向けられないものの、手はしっかりとこちらに突き出していた。
「……花?」
「そうです、私の大好きな花」
ん、ん、とぐいぐい向けられた一輪の花は淡い桃色に色付いていた。
「ありがとう、とっても嬉しいよ」
心からまろびでた感謝の言葉。
誰かから常に殺意を向けられていた私にとって、それはあまりにもあたたかくて、やさしいものだった。

後に、それが彼なりの私へのプロポーズだったのだと知ることになるがまだそれは大分先のこと。

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