酔った勢いだった、とか、ノリでやってしまった、とか。
いくらでも御託を並べることはできた。
しかし、最終的にそれを受け入れると決めたのは自分だ。
心の奥底に秘めたる思いを暴かれてしまった。
否、醜い己の感情を見て見ぬふりをしていただけだ。
「あれを無かったことにはさせません」
いつの間にいたのか、後ろからギュッと抱き締められる。
擽ったいような、それでいて身を委ねてしまいたいような、そんな心持ちがした。
とくとくと、二人の鼓動が柔らかく重なる。
「……温かいね」
「はい」
もっと温かくなりましょう、お兄ちゃん
耳元でそっと囁かれる。
3/1/2025, 12:47:23 AM