私の手を取り くるくると廻る世界とあなた
とぅらったった とぅらったった
誰もとめられない とまらない
とぅらったった とぅらったった
この先が地獄と知りつつ
とぅらったった とぅらったった
あなたとならばどこまでも
一度僕の手からすり抜けるように消えてしまった貴方。
絶対に見つける見つける見つける見つける見つける見つける見つける見つける見つける見つける見つける見つける
もう一度巡り会えたら、なんて悠長なことは言わない。
必ず見つけ出す。そしてもう二度と離さない。
既に死んでいたって構うものか。焼いて粉にして酒で飲んでやる。
少なくともお互いに憎からず思っていたはずなんだ。
だからわざわざ言葉にする必要なんて無い、そう思い込んでいた。
やっと好きな人とひとつになれた喜びは計り知れない。
胸の中があたたかいもので満たされ、これからの二人の未来に柔らかな光が差した。そう思っていた。
果たして翌日には抜け殻の布団と枕元に一枚の詫び状。
愚かだった。あの人はずっと不安だったのに言葉で約束を交わさなかったから、代償として煙のように消えてしまった。
追い掛ける、必ず探し出す。謝りたい、愛を伝えたい。
あの人の行き先なんてわかりっこないのに、奇跡はもう一度起こると信じてやまなかった。
誰そ彼時、貴方が誰か私は知らない。
何だかとっても懐かしいような、それでも私は貴方を知らない。
嗚呼、お隣のタケ爺ちゃんか。
何だか早く家に帰りたいなあなあんて思う。
「お家に帰らないと」
「何言ってるんだ、お前の家はここじゃないか」
タケ爺ちゃんは眉を顰めて私を諌める。
私の家はここじゃない、山向こうのもっと緑の深まった所。
「母さんが待ってるの」
「お前の母さんはとっくになしになってるだろう」
タケ爺ちゃん、何でこんなに意地悪言うの。
誰そ彼時、貴方が誰か私は知らない。
私の後にはレールがある。
曲がりくねったり傷が付いていたり、中々まっすぐに伸びた道は見つからない。
そして前を見ると先は闇闇闇、歩いてみないとレールがあるのかどうかさえ分からない。
それでも私は進んでいく。
手探りで恐る恐るでも、たとえレールから滑り落ちたとしても。
転んで傷だらけになってでも決して歩みを止めるな。
多分生きていくってこういうこと、なのかもしれない。