誰そ彼時、貴方が誰か私は知らない。
何だかとっても懐かしいような、それでも私は貴方を知らない。
嗚呼、お隣のタケ爺ちゃんか。
何だか早く家に帰りたいなあなあんて思う。
「お家に帰らないと」
「何言ってるんだ、お前の家はここじゃないか」
タケ爺ちゃんは眉を顰めて私を諌める。
私の家はここじゃない、山向こうのもっと緑の深まった所。
「母さんが待ってるの」
「お前の母さんはとっくになしになってるだろう」
タケ爺ちゃん、何でこんなに意地悪言うの。
誰そ彼時、貴方が誰か私は知らない。
10/1/2024, 11:29:11 PM