高い空に モクモクの雲
広い海に もこもこ浮かぶ
白と青の コントラスト
いつまでも 見ていたい
真夏のパノラマ
夏の太陽
大きな入道雲が空に映える
海と白い砂浜
横目に自転車をこいでいく
風が気持ちいい
木陰に入れば、せせらぎの音
木々の涼しさと、水の冷たさがよぎる
蝉時雨をあとにして、帰路につく
縁側に置いてある蚊取り線香
扇風機を回してスイカを食べる
チリン、と風鈴の音がした
今日は夏祭り、花火も上がる
浴衣を着て、かき氷を食べよう
コップの中の炭酸が、シュワシュワと弾けた
カラン、と氷の音がした
魔法の鍵を手に入れた。
鈍く金色に輝いて古めかしい。
持ち手の部分は翼の形をしており、細やかな彫刻と、読めない文字が刻まれている。
その中心に付いている赤い石を指でこすると…
『 』
謎の呪文。口が勝手に唱えだす。
!!!
鍵から虹色の光があふれ、それは扉へと姿を変えていった。
鍵穴の形をした扉が現れた。
よし、あと少しだ…
行きたい場所を思い浮かべて、
ドアを開ければそこは――――
なんて、小説の世界ではどこへでも飛んで行けるさ!あとは君の想像におまかせで!
彼女は青く美しい。海の一部。
水中を自在に泳ぐ姿は、純粋無垢そのものだった。
あぁ、目を凝らさないと見失ってしまいそう…
水しぶきを上げる尾、太陽に反射する鱗が眩しい。
揺らめく水面から顔を出す。見つめられて、心臓が飛び出るかと思った…
あ、笑った。
―――これが彼女との最後の思い出だ。
島でのバカンス。
偶然助けた人魚。
次の日も会いに来たので、歌を聴かせてあげた。
でも、そう。
俺は王子様ではないし、彼女もお姫様じゃなかった。彼女はそっと海の底へ帰って行った。
現実はおとぎ話みたいにはいかないんだな。
『サンカヨウ』
別名、スケルトンフラワー。雨に濡れるとガラス細工のように透明になる神秘の花。
母がいちばん好きだった花らしい。
この花がきっかけで出会ったと父は教えてくれた。
白い花弁は散りやすく、条件が揃わないと透明な姿は見られない。それから毎年、その小さな神秘を求めて二人で山に通うようになったそうだ。
そんな母は、私が生まれてすぐ天国に行ってしまった。だからかな…その花が咲くところに不思議と母がいる気がして。透き通る花をじっと見つめて。
今は父と二人。今度は私が通っている。
母が大好きだったガラスの花を探しに…