明日は新学期、久しぶりにみんなに会える気持ちもあるが小学校生活最後の夏休みが終わることが虚しかった。夜更かしもできなくなっちゃうや、急いで支度しよ、
色がない世界で湘南の潮風が運ぶ初夏の匂いがするような気がした。藤沢市立本町小学校は海のさわやかな雰囲気がただよう学校だ。私もこの学校に通う生徒だが最近困ったことがある。「色が見える」それは学校内だけで起こる現象で、ちらちらと桜の花びらが散るように色が地面に落ちてはまた空から振って来て、悩ましいことに授業中にも次から次へと振ってくるので全く授業に集中できないのだ。
「佐野、佐野紅葉」
「はっはい」
クラスメイト達が笑っている。
「なんだその返事は、ちゃんと授業に集中しなさい。」
「ふぃ」
ほら、いつもこの通り。この現象のせいでクラスメイトの注目の的になって
しまったものだから、本当に困ったことだと思う。色が見え始めたのは低学年の頃からだった。その頃は、少し黒板が緑色に見えるくらいの違和感で全く気にならないからよかったが、最近隣の六年四組に「松戸静矢」という名前の日焼けが良く似合う男子が転校してきたという情報を耳にしてから急にくっきりと色が見えるようになってしまい、今この状態だ。あと一時間だし頑張ろうかと身を起こし、もう一度担任の授業に耳を傾けた。
やっと終った。国語が苦手な私には地獄のような時間だった。「心の時間」の進み方というのはこのような事を表しているのだろうか。そんなくだらないことをぽかぁーっと考えている間にも突然事件は起こる。本当に突然のことだった。
『ドサッ』
急に隣の席の服部が倒れた。
「えっ...」
あたりの動きが急に時間が止まったかのようにゆっくりになった。
「はっ服部、大丈夫か」
慌ただしさのよそに大人の威厳を見せた先生は服部を保健室に連れていった。周りの生徒があわただしくしている中、私はこの状況をまだあまり深刻な問題だと思っていなかった。次は約三分後、川村が倒れた。みんなが「変な病なんじゃないか」と噂し始めた。しばらくしてからまたクラスメイトが倒れた。矢井田だ。ドサドサと次々に倒れていく生徒を見るうち次第に恐ろしく思えてきて私は教室を飛び出した。
「もっ紅葉、どうしたの」
「おいてくなよ卑怯者」
数名が私に向かって色々突っ込んでくるが、そんなことはどうでもよい。それよりも恐怖が勝ってしまい、そそくさと荷物も持たずに教室を後にした。ふいに、四組を盗み見た。
「えっ」
さすがに声を出さずにはいられなかった。四組の生徒の大半が教室の中で倒れていた。中本、田中、佐々木、星宮...全員私にとっては関係が少ない生徒だが、それだとしても同じ学年、同じ事をしている仲間だ。そういえば松戸はどこだろう...私にはどうでもいいことだろうがもしかしたら色が見える原因と松戸、そして謎の病にかかわりがあるのかもしれない。もしそうだったらどうでもよくないような気もしてきた。今日はいつもよりも色が見える。風に運ばれはらはらと舞うその残像を私は辿ってまた走り出した。
いつもの帰り道、通学路なのに今日に限ってものすごく長い道のりに思えた。遠くには一つの人影が見える。早くこの現実から逃げ出したい。怖い、誰か助けて...私の気持ちが伝わったのか誰かが私に声をかけてきた。
「おい、三組のヤツ、お前も逃げてきたんか」
特徴的な関西弁、見覚えのある日焼けした脚、驚くほど早く私のもとへ駆け寄ってきたのはさっきの人影。そして、転校生の松戸だ。
「へへっ...」
「なんだよ、変な笑い方してそれよりお前、これが見えるか」
松戸がそう言って指をさした方向に目をやるとさっきまで必死に追いかけていた色の残像がカーブミラーにまとわりつき、ギシギシと不気味な音を立てている。しばらく経つと妖しげな残像はたちまち消えて音を立てることもなく完全になじんだ。そして、ビックリすることにカーブミラーがたちまち鮮やかなだいだい色になり、あたりに生い茂ってる雑草までもが色を取り戻していた。
「これが...色...」
息をのんで立ち尽くしている私の隣で松戸は得意げな笑みを浮かべた。私は呆然とカーブミラーを見つめる透明の鏡面ににこれまでの世界にはなかったはずの、暖かく柔らかな光が反射していた。その光は、まるで世界を色で鮮やかにする魔法のように思えた。初夏の日差しが照り付けるどこにでもありそうなアスファルトの道路は、色を失った世界の中で、まるで生命の息吹が宿る「色のオアシス」になったかのようだった。しかし、松戸の視線はすでに遠くの空へ向けられている。「まだ、ほんの一欠片だ。次の色を探しに行こうぜ。」その言葉に、私は再び顔を上げた。
アオハルとバスケ【学校の創作作文で作ったよ!】
またね、いつものように別れの挨拶をした。彼といる時間はとても楽しくてすぐに時間が過ぎていくような気がした。
「ごめんなさい」
付き合ってから一年も経たない頃だった。彼から別れを告げられた。
「どうして、私なんか酷いことしちゃった?」
「ごめんなさい」
彼はそうとしか言わない。優しくて素直な人だった。その時の別れ際の返事はいつもとは違った。
「さようなら」
バカな私にもその意味が分かった。自然と溢れる涙を拭い、その場を急いで離れた。
今でも、あの時の青を思い出すと自然と嫌な記憶が込み上げてフラッシュバックする。彼の笑顔がパラパラと日めくりカレンダーのように鮮やかに蘇る。
「さようなら」
頭の中によぎる彼の言葉を私は一生忘れることはない。
アオハルとバスケ 【テーマなんだっけごめんなさいだったかなぁ?】
ガタンゴトン、小田急線の電車の音がこじんまりとした商店街に響き渡る。ここは私の最寄駅だ。こんなにレンガ作りの落ち着いた雰囲気なのに一駅先の終点駅に行くともう、そこはもう、私たちからしたらビルが立ち並ぶ大都会だ。今日は六月下旬、学校行事で鎌倉を訪れていた。今はその帰りの電車に乗っているところだ。ゆれゆらと揺れる電車の中、何十人もの人がこの密室で揺れている。その中には彼も…。そう、彼の名前は佐々木。天然紳士のクールイケメンで私のスキピだ。ただ、私たち、電車で揺れているだけなのに彼だけが一つの星のようにキラキラと光っているように見えた。まるで、私たち織姫と彦星みたい…。そんなことを考えてたらもう駅に着いた。夢みたいだった。また、彼と一緒に二人きりで帰れる時が来るとは思わなかった。雨と晴れ、冬と夏、前と後ろの違いはあるが、人が誰一人いないことには変わりない。たらりと垂れた汗を手で拭った瞬間彼が振り返った。そして目とまつ毛の間に目一杯の余白をあけ、とても驚いた顔をしていた。私、変なことしたか?そんなことを考えると彼と目線が合ってしまった。
バチっ💥
線香花火が散ったような音が鳴った。
彼はフイッとすぐに目線を逸らしてしまったが、その形の整った耳には少しだけ茜色が刺している気がした。
そして、あの時の情景がまた重なって見えた。
アオハルとバスケ
【過去のやつを見ると物語が繋がるように…🤩】
キラキラと輝く漆黒の夜空に街の明かりが淡い灯りを浮かべる。キュポッとペンの蓋を取りきゅっと音を立てて字を線にする。そう、七夕は日本中の織姫の心を救う「願いこと⭐️ホイホイ叶えるぜDays」なのだ。私はもちろん彼のことを書く。通称彦星、4組の佐々木くんだ。彼は紳士、天然、クールの三本持ち合せ。
もう、カッコ良すぎて罪だと思うレベルだ。こんな私が彼に見合うはずがない。でも、だからと言って諦めたくはない。私はこれまでの三ヶ月違うクラスになっても彼の記憶から忘れ去られないように必死に良い女子アピールをしている。短冊の最後の一枚を取り願ことを書き込む「あの人と進展がありますように。」私は彼のイラストを書き込み、遊び心で矢印を引っ張り、誰かわかるかな…?
と、書いた。書くんじゃなかった。自分で言うのもあれだが、私はイラストがそこそこ上手いので、絵柄で自分の短冊だとバレてクラスの男子に数名にみられた。そりゃまたすっごく目立つところにかけていたので、「いつかバレるだろう」と、スリルを楽しんでいたのかもしれない。
「3組のあの子と話すキッカケができますように 佐々木」
放課後の暗く、微かに残った淡い光の中私の短冊は隣にあるそれに構わず昼間と同様にひらひらと揺れ続けた。
アオハルとバスケ
↓とっても面白い⁉︎
解説なので興味のない人はどうぞ飛ばしてください…。
【今日は7月7日、七夕をモチーフにした物語を描いてみたよ^ - ^実は、これ実話でまじでクラスのやつに見られたんだよねwwまぁ、彼の短冊が隣にあるってのは当分フィクションだけど😅違うクラスになっちゃった佐々木との恋応援してくれると嬉しいです!】(バスケやってて苗字が佐々木でグレー色のジャケットを羽織っている人は急遽黒いジャケットを羽織っている3組短めポニテ女子へ、)