Nijiame

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2/3/2024, 6:59:47 PM

1000年先も


もし

馬鹿馬鹿しい事だけど

私が紡いだ詩が 1000年先も残っていたら

私は 少しは何かができたのでしょうか

何か残せたのでしょうか

劣化しないデジタルの時代において

私の詩は 消えずに残り続けるのでしょうか


ええ もちろん

私たちの信念は変わりませんとも

今を精一杯 我武者羅に 格好良く

周りにとって馬鹿げていて

自分にとって誇らしい

そんなものを本気で追い求める

それが私たちの 当初からある生き様なのですから

1000年先なんて 誤差ですって、ね

2/2/2024, 5:22:34 PM

勿忘草(わすれなぐさ)



黄金の瞬きは流れ

木の葉はざあざあ

風はびゅーびゅーと唸っていて

眩いだけの視覚できない空間に

勿忘草の香りを聴いた 気がした



どうして私は覚えていないのだろう

花の想いも 土の手触りも

全部 全部

残っていたはずなのに

どうして私は忘れているのだろう



流れ出た雫は盆に帰らない

ならばせめて 少しずつ摘み取ろう

忘れないように 忘れないように

2/1/2024, 4:37:06 PM

ブランコ


僕はそれに乗れない

酔っちゃうから

酷く錆びた鉄の振り子を 彼女は勢いよく押し出した

ブランコが宙に浮く

彼女が笑う

それを見るだけで十分なんだ

それだけで 僕は心地良い



僕はそれに乗れない

嫌なことを思い出すから

どうせみんな 夜の公園でブランコに座って

地に足つかない御伽噺を聴かせるんでしょ

僕の心を見もしないで

僕が宙に浮く姿を 見もしないで

自分に酔う姿見ると 酔っちゃうんだよね



いつものお決まりの形式のように

詩を紡ぐように振り子は動く

ねえ 一体何のために動いてるの?

君は誰なの?今振り子は 誰が漕いでいるの?



彼女は笑う

よいはまださめない

1/31/2024, 5:27:40 PM

旅路の果てに


ここは何処なのでしょう

真白な空間で 私はふとそんなことを思いました

わかった きっとここは 絵を描くところなんだわ

だってこんなにも真っ白で まるでキャンパスで

好きなように色を塗れるのですから

だから私は 思うがままに色を塗るのです

綺麗で確実な虹色を



ここは何処だろう

色のない空間で 僕はそんなことを思った

でも ここは多分 僕の標本たる場所だ

だって こんなにも彩りがなくて 僕だけがいて

好きにされるがままに 僕は閉じ込められているから

だから僕は 過去を謎る様に紡ぐんだ

嫌悪で透明な虹色を



旅路の果てに出会った世界で

私たちはどんな虹を立てられるのだろう

旅路の果てに行き着いた世界で

僕らはどんな宝物をご拝見出来るのだろう

少なくとも 君が果てで終わるほど 僕な私じゃない

1/30/2024, 6:16:54 PM

あなたに届けたい


詩を謳い始めて早何年

言の葉を吹き続けて早何年

草原に漂う清らかな風は 私の憧れ


いつもは外に出たがらない彼女も

僕がお話を紡ぐ時だけは

お弁当と風呂敷を敷いて 聞いてくれる


太陽は暖かく 風は気持ちよく

退屈なはずの時間が 妙にこそばゆい

当たり前の日々では 決してないから


だから 僕はそんな時間も あなたに届けたい

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