ブランコ
僕はそれに乗れない
酔っちゃうから
酷く錆びた鉄の振り子を 彼女は勢いよく押し出した
ブランコが宙に浮く
彼女が笑う
それを見るだけで十分なんだ
それだけで 僕は心地良い
僕はそれに乗れない
嫌なことを思い出すから
どうせみんな 夜の公園でブランコに座って
地に足つかない御伽噺を聴かせるんでしょ
僕の心を見もしないで
僕が宙に浮く姿を 見もしないで
自分に酔う姿見ると 酔っちゃうんだよね
いつものお決まりの形式のように
詩を紡ぐように振り子は動く
ねえ 一体何のために動いてるの?
君は誰なの?今振り子は 誰が漕いでいるの?
彼女は笑う
よいはまださめない
2/1/2024, 4:37:06 PM