Nijiame

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7/11/2025, 1:54:53 PM

心だけ、逃避行


風鈴を飾りたいの

からんからんって音がして

でもけど乾いた音じゃない

みずみずしい音を聞きたいの

ほら、蝉の声もそう

ミンミンミンって五月蝿いけど

鳴かない夏も、うざったいじゃん

夏の音を聞きたいの

それでも風鈴はうるさくて

ベランダなんかに吊るせない

音のない蒸し暑いワンルーム

きっとここは隔離施設

空は原因不明のホワイトノイズ

世界は終わりを迎えちゃった

きっと最期はラッパが鳴る

そんな幻聴で夏を旅するの


嗚呼、風鈴がぶらさがる

嗚呼、夏の音を軋ませて

6/22/2025, 3:57:04 PM

どこにも行かないで



通知のバイブが心臓まで響いて

早鐘の合間を鋭く刺して

さらに胸がきゅっとして

苦しい深夜 あなたの返事待ち


いつも時間を空けて返すから

スマホを触る片腕だけ起きてる

力無い細目で低充電の薄暗くなる画面を慌ててタップ

できるかできないか 意識がちらつく


吐きそうなほどネオンなのに

飲みたいほど血液が回るの

明日は平日って知ってるけど

もう少しこのまま ふりをさせてよ

6/11/2025, 3:29:34 PM

雨音に包まれて


図書館も

傘の中も

あなたとだけの思い出

捲る音と

歩く音と

私たちだけの声


雨音に包まれて

追憶は五感全てにノイズをかける

忘れてしまうほど些細な日々を

私はトラウマのように、鮮明に

5/21/2025, 6:56:12 PM

Sunrise


寂しさを太陽で埋めつくして
できないんでしょ、なら最初からしないで
そういうのは月の十八番なの
あつくならないで視界から消えて
夜どこに行くか分かっているはずなのに
"どこかへ"消えて欲しいと思う矛盾
それで言ったら月だって
見ていないのに寄り添いたいんでしょ
ほんとにそんな想像したことないくせに
フレアが無い分、実物を想像できるからかな
あれに寄り添いたいとは思わないもん
穏やかにベッドに身を預けて
海にもぐる苦しい感覚に欲求を満たしながら
どうせ来る朝を朝ぼらけに感じるの
不幸という空気を毛布で保温しながら
どうせ来る朝を嫌いなふりするの

5/19/2025, 4:07:17 PM

どうしても…


書ける時しか書けやしない

言の葉を作る木に風が

ちょうどよく吹いてくれないから

いつも嫌な ばかり


かける言葉が出てきてくれない

人生をかけて愛したはずなのに

きっと

かけるためのものもなくなって


私は次に何を書けばいいの?

その答えはこれからあるとも言えるし

今までの中にしかないとも言えるし

次を無くすための書け事だとも言えるんだろうね


韻が逆に追う方になった自由律の詩

賢ぶるヒューマノイドのような言葉も飽きてきた頃

流石にもう出てこないと思った感情が

ふとした夜に夢遊する


ただただ好きなだけだったのになあ

何年経っても…何十年経っても……

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