1000年先も
詩を書いてたら ちょっと嫌かもな
私はもっと可能性であって欲しい
私が倒れる時も そこが草原であると嬉しい
私が泣く時も それは幸せのラッパであって欲しい
ワガママかもしれないけどさ
1000年先も 私じゃなくていい
勿忘草(わすれなぐさ)(2回目)
最初は足首ほどだった
それが胸騒ぎとともに波風を立てて
いつの間にか膝上ほどに達していた
きっとあと数分で腰にまで来る
どうしてこうなっちゃったんだろ
(君と、隣にいたかっただけなのに)
……
…………
こんな真っ直ぐなこと言ったの、久々かも
とってもとってもかっこ悪い
きっと言の木が水を掬って
余計な言の葉を実らせたからだ
きっと詩が詩を感じ取って
新しいひらめきを与えようとしているからだ
これは木でもなく花のない草でもなく
青く小さな花なんだ
一面に浮かぶこの色は
勿忘草の毒なんだ
私はこの水の飲み方を知っている
いつか水位が口を越えた時
私はようやく
あなたを
ブランコ(2回目)
ねえ先生、私はもう書けないの?
このまま大人になればなるほど、書けなくなるの?
だから少しずつ、書くことが無くなっているの?
……私って才能ないのかな
それとも、私は幸せになっちゃいけなかった?
幸せだから、不幸せじゃないから
苦しくないから書けないの?
苦しさが無垢にならなくなったから書けないの?
先生、私怖いの
……ブランコに乗ってる時ね
子供の頃
ブランコ、すぐ酔っちゃうから嫌だったの
でも子どもだから、嫌でも乗っちゃうの
色んな理由と気持ちがあってね
例えば、ブランコで一周ってできるのかな、とか
でも今は、そんな夢叶えられないの
思いつきもしないし、やろうともしないの
だって酔っちゃうから
だからこうして座っちゃってるの
……ねえ、先生
私、どうしたらいいの
私っていつ消えればいいの
私はいつ、ブランコから降りればいいの
教えてくださいませんか、先生
安心と不安(2回目)
どしたの急に連絡してー……
すっごく久しぶりじゃん
何年ぶり?
……1年ちょっとくらい?
ほんと久しぶりだね
……あー、そうだっけか
思い出した、中秋の名月以来だ
懐かしいね〜……
で、どしたのほんと
……うん、ちょっとなら大丈夫だよ
…………
……ん、私?
あー、えっと、そう
就職したよ。
今は社会人。
すっごいよねー、私たち
もう本当に大人になっちゃったね
まだちゃんと実感はないけどさ
なんだろ……子供の頃の感覚もないっていうか
思い出せないよね、もう
……あ、そこは結局やめたの
どうせならもっと広い世界をみよっかなーって思って
だから、地元のところはやめにしたの
シティーガールだよ、立派な
あははっ、茶化すなよもー
君は変わってないんだね。
……ん?どした?
……?そっか
……あ、それ聞いちゃう?
実はねー、なんとねー
……ふふ、できました
即嘘って言うのやめなー
ほんとだから。マジだから
今度紹介するよ
まじカッコイイから。
…………あははっ!
それ言えてる
……ああ、それだけ?
……うんうん
……あはっ、嬉しいこと言うね
うん
そうだね
あ、君はどうなの?最近
…………
なるほどね
いいじゃん、なんだかワクワクするね
……うん
頑張って
応援してる
あ、今度こっちおいでよ
飲みに行こ
なんだかんだ、そういうのしたことなかったじゃん
……え?
あー、そこは寛容な人だから大丈夫よ
…………
……………………
おー、一丁前に言うじゃん
わかってるわかってる、心配してくれてるんだよね
うん、じゃあ飲みはなしで
…………
…………
……うん、とにかく応援してる
久々に連絡してくれてありがと
……え?
そりゃ急だったからびっくりしたよ
……うん
……あははっ
よし、じゃあまたね
お互い明日早いんでしょ
うん
あははっ
そういうこと言うのなら
もっと前からだったでしょー
じゃ、またね〜
おやすみなさい
逆光(2回目)
舞台装置が音を立てた
きっと女優が下りたんだ
スポットライトは白いのに
赤いドレスは色褪せない
2度目の舞台
2度目の逆光
いつか立ったはずの晴れ舞台
いつか目にしたはずの鴉の逆光
乱反射した光彩陸離の瞼
手術でしか見られないオーロラ
腕すら伸ばすことを許さない
圧倒的な火
幕が降りても舞台は暗くならない
拍手喝采を浴びながら、彼女は自分をBrushする
眩しすぎて意味がわからないんだ
あなたの事も、自分の言っていることも
教えたがりの逆光が
今日も後ろを照らすんだ