ブランコ
僕はそれに乗れない
酔っちゃうから
酷く錆びた鉄の振り子を 彼女は勢いよく押し出した
ブランコが宙に浮く
彼女が笑う
それを見るだけで十分なんだ
それだけで 僕は心地良い
僕はそれに乗れない
嫌なことを思い出すから
どうせみんな 夜の公園でブランコに座って
地に足つかない御伽噺を聴かせるんでしょ
僕の心を見もしないで
僕が宙に浮く姿を 見もしないで
自分に酔う姿見ると 酔っちゃうんだよね
いつものお決まりの形式のように
詩を紡ぐように振り子は動く
ねえ 一体何のために動いてるの?
君は誰なの?今振り子は 誰が漕いでいるの?
彼女は笑う
よいはまださめない
旅路の果てに
ここは何処なのでしょう
真白な空間で 私はふとそんなことを思いました
わかった きっとここは 絵を描くところなんだわ
だってこんなにも真っ白で まるでキャンパスで
好きなように色を塗れるのですから
だから私は 思うがままに色を塗るのです
綺麗で確実な虹色を
ここは何処だろう
色のない空間で 僕はそんなことを思った
でも ここは多分 僕の標本たる場所だ
だって こんなにも彩りがなくて 僕だけがいて
好きにされるがままに 僕は閉じ込められているから
だから僕は 過去を謎る様に紡ぐんだ
嫌悪で透明な虹色を
旅路の果てに出会った世界で
私たちはどんな虹を立てられるのだろう
旅路の果てに行き着いた世界で
僕らはどんな宝物をご拝見出来るのだろう
少なくとも 君が果てで終わるほど 僕な私じゃない
あなたに届けたい
詩を謳い始めて早何年
言の葉を吹き続けて早何年
草原に漂う清らかな風は 私の憧れ
いつもは外に出たがらない彼女も
僕がお話を紡ぐ時だけは
お弁当と風呂敷を敷いて 聞いてくれる
太陽は暖かく 風は気持ちよく
退屈なはずの時間が 妙にこそばゆい
当たり前の日々では 決してないから
だから 僕はそんな時間も あなたに届けたい
I LOVE...
眠たい瞼を擦りましょう
寝て忘れたい夢を描きましょう
数年に等しい隔たりがあろうと
きっと君は笑って この詩を読んでくれるのだから
お話なんてとうの昔で
もう終わった不思議の国で
名前の無い物語なのだけれど
隠された真実はいつも目の前にあって
僕はそれをいつも 見つけることが出来なかったから
だから今それを詩にしましょう
忘れたくない思い出を少しずつ
忘れるための旅路を
きっと僕は笑って 泣きながら前へ進めるのだから
fin.
夢なんて見ないで
それできっと、貴方はどちらを愛しているので?
頭の中で声がする
いつか いつかの夕焼けと
陽の当たるグラウンドと人々の姿と
ああ これは夏の夢
いつか いつかの走馬灯
寝て忘れたい自傷の末の走馬灯
結局貴方は自分を愛しているのではなくて?
頭の前で声がする
誰かいるようじゃ前には進めない
進めない 進めない 進めない 進みたくない
忘れないでよね
貴方の前で声がする
はっと前を向く、
忘れないでよね、ね、で よ ね
貴方のせいだから、貴方のせいだから
分かるでしょ?
誰を愛していたかとか
もう分かんないくらい
今の私には きっと詩に是たくなるくらい 走馬灯
街へ
踵を鳴らせ
踵を鳴らせ
朝も昼も
夜も鳴らせ
僕じゃない世界へ
足を伸ばして
君の世界へ
音色に惹かれて
轢かれて
おっとと、
危ないじゃないか。
ここで前見て歩いちゃダメだよ。
間違ってもぶつかりたくないならね。
さあ踵を鳴らせ
踵を鳴らせ
朝も昼も
夜も鳴らせ
街へ繰り出せ
前を向かずに
待ち合わせるな
葦を街へ