clover

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9/12/2022, 3:12:45 PM

3歳年上の彼氏……大好きで、大好きで、周りが見えなくなっていた17歳の夏。18になったら結婚しようと言われて、その気になっていた。


「家の事何も出来ない子が、何が結婚よ」

母はそう言って大反対した。なんで分かってくれないの。なんで、なんで!!!

母を攻めるだけしか、その怒りのやり場がなかった。

ある日、母が病に倒れた。私が高校も卒業しないうちに結婚なんて言ったからだろうか……そんなことは無いと思いながらも、ほんの少しだけ申し訳ない気持ちになった。

彼と会っていても、母のことが心配で心ここに在らず……

「ごめん……今日は帰るわ」

そう言い残して病室に向かう。
カーテンをそっと開けて母の顔を見ると、嬉しそうに微笑んでいた。

「来てくれたぁ。みかんあるけど食べる?」

「うん、食べる」

美味しそうにみかんを頬張る私を見て、母は口角を上げた。

「いつの間にか大人になってたね。だけどやっぱり……世の中は広いよ。いろいろ見てごらん。見てほしいな」

母は言葉を選びながら、私に向かって言ったように思う。その奥に見える気持ちが、なんとも私の心を揺さぶった。


学校が終わると病院に行って、しばらく彼と会わない日が続いてた。そして、久しぶりの電話だと言うのに私は酷いことを言った。


「ごめん、好きだけど別れよう」

本当に子どもだったんだと思う。好きなら貫き通せたはずなのに、母の反対を押し切ってまでの気待ちが生まれて来なかった。


〖好きならなんで別れるの?〗っていう彼の言葉も、ウザったくて、そういう時もある……なんて、本当に馬鹿なの?私って思う。

だけど、彼といた時間は本物で、恋愛に恋した年齢だったとは思うけど……本気の恋だった。

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【お題】本気の恋

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9/11/2022, 10:50:40 PM

カレンダーにバツの印をつけて、その日を待つ。


「今どきスマホあるのに」

妹がため息混じりで言った。
目に見えた方が現実味があって、ワクワク感もあって……いつでも確認できる。スマホの便利な事くらい私も知ってる。

だけど私はあえて、バツを付ける。
離れて暮らすあの人に、ようやく会えるんだから、カレンダー以外にも書きたいくらいよ。


当日、私はめいいっぱいのオシャレをして出かけた。

カレンダーのバツが並ぶ中で、今日ははなまるが、ピカピカに光って見えた。


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【お題】カレンダー

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9/5/2022, 8:24:54 PM

極度のあがり症の私は、先生に当てられて答えが分かっていても、答えられないでいた。

誰かに何かを言われても、首を縦か横に振るだけ。よくそれで、社会人が務まるねー、なんて唯一の友達にも言われている始末。


そんな私にも好きな人が出来た。
パン屋で働く彼は、いくつくらいだろう…ひとつずつ丁寧にパンの生地を手で丸めながら焼いていく姿が素敵だった。

見てるだけで良いって思っていたけど、もう少し近くで見たくてパン屋に通うようになって行った。

2週間が過ぎた頃、クロワッサンを買いにパン屋に行った。

「いらっしゃいませ。家、近いですか?よく来て下さるから」

「…」

クロワッサンをトレーに入れながら頷く私を見て彼は微笑んだ。

会計を済ませて早く帰ろう…

「300円のお釣りです。また来てくださいね」

「…」

彼は少し天井を見て、すぐに私の方を見て微笑みながら

「僕のパン、美味しいですか?」

「はい!!!」

「声でかっ。それだけ美味しいって思って頂いていると!ありがとうございます」

彼との会話で体がポカポカしてきたのと、驚きが沸点に到達して、思わず口が開いてしまった。


私…変われるかも?
また、ここに来ますね。


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【お題】貝殻
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9/4/2022, 8:02:33 PM

何をしてても楽しい。
何を見ても笑える。
毎日が長く感じて、早く大人になりたかった。

大人になったら、ドラマみたいな恋をして、素敵なキャリアウーマンになって…なんて夢を持っていた。

目の前にいる20代前半らしき女の子達をみつめながら、今の私はどうよと言わんばかりのため息が無意識に出た。

時々、自分で殻を作りがちなところも分かっている…何をするにも自分次第という事も。若さに嫉妬しているだけだってことも。

だったらあとは、出る勇気。
いくつになってもやりたいこと、諦めるなんておかしいよね。

年齢は関係ない。
出来ることから始めてみようと思う。


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【お題】きらめき

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9/3/2022, 3:56:02 PM

「明日のイベントのチケットまだ作ってなかった…」

「だったら私がつくるよ」

パソコンで駆使して作ったチケットをプリンアウトして、次の日に手渡した。

「これ、昨日、別の人が作ってくれました」
「あ、そうなの?!」

心の中で、片膝ががくんと傾いた。


「明日までに、時間変更したもので書類が作れるか聞いてくれるかな?」

「わかりました」

待ってもなかなか返事が来なかっから、自分から再度どうなっているか聞いてみた。

「あー! できると言われたので、やってもらって提出しましたよ」

私の頭の中で、両膝が地面にのめり込むほどガクッと心が折れた。


いらなくなったらその旨を伝える、
聞いて確認したなら、結果を報告する。
なんで、そんな事も出来ないのか…

理性を失いかけて、は???って、
大声をあげる所だった。


そういったところから…
人間関係は壊れて行くのだと思う。


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【お題】些細なことでも

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