次はどこへ行こう、
何をしよう、
そういう話だけで時間が過ぎる
そこで決める内容はさして重要じゃない
決めなきゃ、と言いながら
だらだらと話している時間
それが一番欲しいもの
大袈裟に聞こえるだろうか
常套句と言われるだろうか
それでも、本当なのだ
一緒にいられれば、それで良いんだ
『君と一緒に』
光がどうとか、
眩しい人だとか、
そういったことは思ったことがない。
人は光に例えられない。
君だってそうだ。
君も人に過ぎないし、眩しくもない。
それでも君に会えた時、
僕の世界は一気に照らされる。
ただ愛おしさと慈しみに包まれる時間。
いつまでも続いて欲しいと願う心地よい日常。
そして、それでも終わりが来てしまい、
次を心待ちにする間隙。
君自身は光でないのに
君と会うことは
僕にとって日の出なのだ。
『日の出』
ただの節目。
しかし、それ故に行われる営みには意義がある。
節目を見なければ過去はぼやける。
振り返った時に見える旗を標に
私たちは過去を想起する。
気張る必要は無い、
しかし大切に残しておきたい。
そういうものだと思っています。
『良いお年を』!
クラリネット吹きだったあの頃。
プレッシャーから逃げたくて、
いつも小さな家庭科準備室に篭って練習していた。
ある日、何を思ったのか、ふとベランダに出て、
だだっ広いグラウンドに向かって練習をした。
入道雲の見下ろす夏空の下、
ちっぽけな私が
懸命に旋律を張り上げていた。
誰か、誰か私の音を聴いてくれ。
殻に籠って自己完結してた私の叫びは、
その時だけ誰かに向けて奏でる、演奏になっていた。
結局私は大した功績も残さず、
クラリネットを続けることはなかったけれど。
あの弱々しい、不安げな、けれど必死な音が
誰かの心に留まっていたならと
今でも想像したりする。
『上手くいかなくたっていい。』
完全完璧って、定義すると完璧じゃなくなるよね