茹で落花生

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12/26/2025, 12:56:13 PM

美しい雪明かりの夜の事。

一匹の子鹿がおぼつかない足取りで
何処かへと向かっている。

だが、すぐに倒れた。

誰かが悲しむわけでもなく、
弔うわけでもない。

あるのは美しい雪明かりの夜だけである。

12/25/2025, 4:38:18 PM


その墓には一人の男が入っている。
だが名は刻まれていない。

誰も彼の名を知らない。
話によれば、彼は神父だったとのこと。

妻や子を持たず、裕福でもないが
毎日祈りだけは捧げていた。

人と関わることも無く、誰も関心を持たず、
今や名もなき墓となった、
孤独な人。

そして、その墓の前で別の神父が祈りを捧げている
彼もまた孤独な人だ。




12/24/2025, 10:41:11 AM

男はあの遠い日のぬくもりを忘れることができない。

彼はその日始めて本当の安息感を得た。
金木犀の木の下での出来事である。

秘色色のドレスを着たあの女性を。
名すら知らず、会ったのは一度だけだというのに。

時は流れ、
街を去る電車の窓から金木犀の木が見えた。
そこには誰もいなかった。

12/23/2025, 10:18:38 AM

聖なる夜。

男はおそらく凍えながら、
去年のクリスマスを思い出しているだろう。

モミの木は美しく飾り付けられ、
"きよしこの夜"を歌う聖歌隊。
そして、ディナーテーブルの真ん中には
キャンドルが置かれ、火がゆらゆらと揺れている。

家族団欒で過ごした日を。
男はこんな事は予想もしていなかった。

将校が笛を咥える。
敵陣地への突撃の合図なのである。
笛がなる前の静寂。

そして笛が吹かれた。
彼等は死ににいくようなものなのだ。

同刻
上層部はクリスマスを祝っている。
テーブルの真ん中にはキャンドルが置かれ、
火がゆらゆらと揺れている。







12/22/2025, 12:40:14 PM

気づけば私は回廊にいた。
なぜこんな場所にいるのかはわからない。

あたりは真っ暗で左右のろうそくが、
石畳の通路だけを照らしている。

それは地平線の向こうまで続いているように見えた。

しばらく歩くと中年の男が立っているのが見えた。
すると男は言った。目を合わせずに。
「お前は悪魔の子だ」

何を意味しているのかはわからなかった。

しばらく歩くと今度は女性が立っていた。
彼女は言った。目を合わせず。
「お婆ちゃんが逝ったんだって。」

何を意味しているのかはわからなかった。

また歩く。
どこに向かっているのか、
なぜ歩くのかもわからず。
足音はしない。疲れもしない。

それからも大勢の人に出会った。
小さな男の子、若い女性、
老人、老婆、新生児。

ついに、終わりへとたどり着いた。
そこには男が立っていた。

「まだわからないか?」

彼は私の目を見つめながらそう言った。



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