かなで

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11/11/2022, 1:07:39 PM

飛べない翼

肩こりが酷い夫が、実家からマッサージ器具を借りてきた。肩に乗せてスイッチを入れると指くらいの突起がウィンウィン動くやつ。

夫はそれを肩甲骨あたりから肩にかけて機械の位置を変えながらグリグリとマッサージ。
特に肩甲骨の辺りが凝っているらしく、そんなに強く当てていて大丈夫なのかというくらいグリグリ当てていた。

翌日、夫の白Tの背中に何やら黄色いシミができている。なしたのこれ?と指摘するとなんかヒリヒリするという。そっとめくってみると…なんと背骨に近い肩甲骨周りの2ヶ所の皮がむけていたのだ!
コナンに登場してもらうまでもなく理由はわかった。犯人はマッサージ器!(をグリグリ当てていた夫)
皮むけてるわーと伝えると、え?どんな感じ?写真撮って、と言うのでスマホでパシャリ。
それを見た夫の一言「羽がもがれた!」
オイ。君はいつ堕天したんだい。それとも私は鳥人間と連れ添ったのか?
そんな沈黙の私をよそに、羽が無くなった、地上に降りたという話をする夫の背中を消毒し、ガーゼを当てるのでした。
ちなみに全治1週間。今もうっすら跡が残ってます。
ご利用は計画的に、というか正しく使用して!


かなで

11/10/2022, 11:49:35 AM

ススキ

ススキをみてると思い出すことがある。
近所の空き地にススキ野原があり
それをたくさんとって束にして
ほうきを作って遊んでいた。

おままごとの時のお掃除や
レレレのオジサンごっこ
時には魔女の小道具の空飛ぶほうきにも。

魔女ごっこをした後
家に帰るまでずっとすすきのほうきを
またいだままぴょんぴょん飛びながら
帰ったっけ。
「今、いつもより飛べたかも!」と
ドキドキしたりもした。
もしかしてほんの数センチ空に
近くなってたのかもと
そんな夢をみる魔女見習い

11/8/2022, 7:08:02 AM

あなたとわたし

この言葉を聞いた時、頭に浮かんだのは
「大きなクリの木の下で」である。

もちろん歌も歌えるのだが、一番の驚きは振り付けも憶えているところだ。
三つ子の魂…などとよく言われるが
その言葉を実際に納得せざる得ない。

さてこの振り付けだが、披露する機会は子供が小さい時は一緒に踊って微笑ましい親子ね、だが高校生の子供がいる今となっては
披露することもなかなかない。
家族の前で突然すれば「かーちゃんどうした?」といわれるのがオチだ。
だが、かーちゃんはたまに踊りたいのだよ。大きなクリの木の下でも、アンパンマンマーチもたまに踊りたいのだよ!
踊り子としての血?がザワつく、でもひとりぼっちはつまらないのだ。
やるか、うん。諦めろ家族よ。君の妻は母はこんな人なのだよ。
歌いながらやろうっと。1回動画みてみよ。
そう誓う夕暮れ。



かなで


11/6/2022, 3:19:52 PM

柔らかい雨

春から初夏にかけての雨は
細かくて地に纏うかのような
包み込む雨で
ふんわりしてあたたかい
土に畑に降ると
細かい水滴が染み込まずに
細かく白く光っている
クモの巣が水の粒をつけて
模様が浮き出てくる
アスファルトはほんのり黒くなり
その暖かさで白く煙りたつ
歩道を歩く







11/5/2022, 11:03:57 AM

一筋の光


幼稚園の時、おゆうぎ会で七匹の子ヤギの劇をすることになった。
私は子ヤギの役で、オオカミさんにだまされ食べられちゃって、その後オオカミさんが猟師さんに懲らしめられ、最後に子ヤギ達が草むらからピョンピョンと飛び出てきて、エンディングという流れだったと思う。
(まあおなかを切って、子ヤギを出すという描写にはできなかったんだろうな…)
毎日毎日劇の練習をして、両親が見に来る事も楽しみで、家でもピョンピョンと飛び回 わっていたっけ。
ところがおゆうぎ会当日。私は熱を出してしまい、薬でなんとか解熱したものの、劇の最初には間に合わなかったのだ。
最後のシーンだけでも出してあげたいと
親も幼稚園側も考えてくれて、最後の草むら から飛び出す場面だけ出られることになった。
先生に案内され、暗闇の中ダンボールの草の裏に隠れる。周りが見えない怖さも緊張も手のひらの中にギュッと閉じ込めて。
間もなくステージがスポットライトに照らされて、子ヤギ達が順番にピョンピョン飛び出していく。
自分の番になりピョンと力一杯飛び出した。その時の上から差し込んだ光を私は今でも憶えている。客席の両親の笑顔と共に。


かなで






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