かなで

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11/4/2022, 12:15:46 PM

哀愁をそそる


私の中では秋の公園

小さい頃近くの公園で遊んで
だんだん人数が減っていく
最後の方になると1人になりたくなくて
家に帰りたくなる
まだ遊びたい
でも日も暮れるのが早くなってきて
なにかに追われるように
家路に向かう足も
呼吸も白く速くなる

夏ならまだまだ遊びたくて
そうそうに始まった手持ち花火の匂いとか
盆踊りの町内会の集まりの音とか
楽しい夕暮れなのに
秋というだけで同じ公園が帰り道が
急に小さく狭く感じたのだ

そして家に着いてドアを開けると
その名前のつけられない
息苦しいような狭さが
暖かさでほどけていく
今思えばあの閉塞が哀愁と
よべるものなのかもしれない



かなで



11/2/2022, 10:17:24 AM

眠りにつく前に

眠りにつく前に思い出すのは
谷川俊太郎さんの朝のリレーという
詩です。
世界中の朝をみんなでリレーを
している、みんなで地球を守ってる
みたいな詩なのですが
わたしが送った朝を誰が
受け取ってくれている
そう思うとなんだかくすぐったい

そして目覚めた時
誰かから朝を受け取っているのだ

よし!今日も地球を守るぞ
なんてたいそれたことは
出来ないけど
ここにいる意味を今日も
ふんわり考える

眠れない夜は
わたしが夜の警備を残業していると
思うようにしようかしらね

10/31/2022, 10:06:25 AM

理想郷

理想郷って
「ここは理想郷だ!」って
感じるのかな
最高だ、と思っていても
慣れてくると不満は出る気が
するし
そしたら一気に色褪せるのかな

それとも
あの時いた場所は理想郷だったなと
思い返すのだろうか

私は寝る前に「今日は何事もなく、
家族が元気で自分も元気。いい一日
だった」と思って眠るようにしている

ということはわたしが眠りに落ちる
瞬間が理想郷になるのかな



かなで

10/30/2022, 1:03:39 PM

懐かしく思うこと

故郷の実家から
学校までの通学路

春は草の匂いと
少しの不安と期待感
新しい少し大きな制服

夏は青い空と
袖についた絵の具の
鮮やかさに気づき笑う

秋は乾いた風と
落ち葉を踏みしめる
音とローファーの底に伝わる感覚

冬は鼻奥に感じる締めつけと
握りしめる缶のココアの熱
息の白さすら景色となる

故郷に帰ったら歩いてみようかな
きっともう同じ感覚では
ないけれど
道のどこかにあの頃の
思い出が転がっているのかも
しれない


かなで




10/29/2022, 10:35:47 AM

もうひとつの物語

私の一番古い記憶。
それは保育園の床下の空間に
友達と3人で探検ごっこをしたこと。
床が持ち上がるところがあり
そこを外して中に入った。
暗くてパイプだらけだったけど
ジャングルジムみたいだった
先に光が差し込み出口だ!と
進んだら仁王立ちした先生が
すごい顔で待っていた

先生からしてみたら
お昼寝していたはずの
子供たちがいないわ
床板はどうやったのかズレてるわ
出てきた子供たちは
ホコリまみれだわ
なかなかの惨状だったろうな
迎えに来た母が
先生に対して
頭を何度も下げていた場面を
覚えてる。

大人にとっては散々な出来事
でも子供にとっては
すごい冒険の出来事

視点が変われば
物語はいくつも存在する



かなで









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