暗がりの中で
子供の頃ドラえもんのように
押し入れで暮らしてみたかった私は
押し入れの中身を全て出し
自分の布団を敷いて
懐中電灯を持ち込んだことがある。
暗がりの中、かすかに光る灯りを
元にマンガを読んだっけ。
自分一人の空間は怖いようで
なんだか少し大人になったような
気がしていた。
今思うとすごい惨状だよなぁ
押し入れの中身は全て出して
押し入れの中から
妖しげな笑い声
母はどんな顔をしてただろうか
こっぴどく叱られた記憶は
あります
始まりはいつも
私の一日の始まりはいつも
息子に声をかけることから始まる。
そろそろ起きなさい。
うーん…
もう起きないと遅刻だよ。
もう起きたよ、わかってるって
起きてるなら部屋から出なさい
あー…
そして今日も今日とて
バタバタと慌てて準備している。
あらまぁ。髪後ろはねてるわ
大丈夫かしら?一人暮らししたら
ちゃんと起きれるのかしら
声をかけてる段階で甘いのよね。
と今日もグルグル頭の中
でもなぁ
私も何度も母に起こしてもらって
二度寝して
なんで起こしてくれなかったの!って
言い合いして
それも今思えば楽しかったんだよな
そんな朝
放課後
あの時あなたはどんな顔をしていたの
窓から射す月明かりが眩しくて
あなたの表情がわからなかった。
好きの思いが溢れそうで
でも言えなくて
あの時思いを伝えていたら
私達はなにかが始まっていたのかな
あの時君はなんて顔をしていたの
月明かりが照らす思い詰めた表情で
引き寄せたくなりそうで
でも手をのばせなくて
あの時思いを伝えていたら
僕達はなにかが始まっていたのかな
あの放課後はきっとずっと忘れない
今は別な人が隣にいても
あの溢れだしそうな感情は
あの時の
私の
僕の
精一杯の恋だった
かなで
涙の理由
お腹がすいた
オムツ替えて
寂しい
ここにいるよ
抱っこしてゆらゆら
大丈夫だよ
転んだ
びっくりした
おもちゃとられた
けんかした
ぎゅとして話をきくよ
大丈夫だよ
悔しい
上手くいかない
理不尽
もどかしい
憤る
もう大きくて抱っこはできないね
ぎゅっとしたら怒るかな
でもね きっとね
大丈夫
ちゃんとあなたなら
進めるよ
今までだって乗り越えてきた
かなで
束の間の休息
仕事が休みの日
朝から朝食を作り、夫と息子のお弁当を
作って送り出す。
家事をこなし一息つく。
ふたりが帰ってくるまでの
間が束の間の休息、なのかしら?
さあ何しよう?