かなで

Open App
5/30/2024, 2:33:35 PM

終わりなき旅 


今の人生で 終わりなき旅は御免だ 


魂魄レベルでなら、どの時代に生まれ変わろうが 

それなりに楽しめるのではないだろうか

 
 一区切りずつの人生の記憶は、その都度リセット 
  
それがまた生を受けた場所で姿を変え、数珠繫ぎで紡いでいく 


そんな、「終わりなき旅」なら、 
 


気が楽だ 




前世の記憶がないから、 

それに雁字搦めになることも、惑わされることもないだろう

 


前の続きだと、自覚して生きてないだろうから  



 
 

5/29/2024, 11:39:36 AM

「ごめんね」 
 

 ▷「わたしも同じ気持ちだったの」
 ▶「ごめんね 気持ちは嬉しいけれど」
 
 
「ごめんね、っと……はぁ」
 
ときめき仕様の告白の画面が 
 
また同じ選択肢を選んでタップする
 
主人公の後ろ姿のイラストにグレーがかかって、哀愁を立た酔わせて、その後の進路を簡潔に表示させていた
 
 
脱力感が半端ない


……これで、何回目だろう 




どんなに頑張っても、セーブからやり直しても、

私のもとへ来るのは、何故か「目当てじゃないキャラ」 


また、メインキャラのひとりが来たー  

いや、メインキャラもいいんですよ!王道だし! 
でも、ピンとこなかったのよー、やっぱり、自分の好みがはっきりしちゃってるから、妥協出来ず、すまん!


私が狙ってるのは、隠しキャラの「◯◯先生」なんだよ  


剣道部顧問で熱血漢で声が大きくて大食漢で、 

これが惹かれずにいられますかっていう! 

ここまで来るのに、一度赤点を取りまくって、補講を受けるイベントを発生させて、あとはめっちゃ周りのメインキャラたちと波風を立てず、平等に扱い、爆弾処理に業務デートをし、ときめくイベントの発生を選択肢で防ぎ、数々の四季折々の青春を犠牲にして、地味に地味に「勉強」一色で必死でレベル上げして、イベントの最後に先生が出てくるように努力してきたのー!!


なんて、けなげなの 



なのに、なんで勝手に好感度上げてコッチ来ちゃうかな?!  

だぁー!また、やり直し!!  

私の貴重な時間を返せw
  
縁側でゴロンと庭に面して体勢を傾けると、

「何か、重要なイベントを見落としたんじゃないか?」  


さっきまで庭で剣道の素振りをしていた幼馴染が振り返って、塀から顔を覗かせて声を投げてきた 


「えぇー! 最後の文化祭では主役を演じたし、クリスマスイベも好感度低めキャラとプレゼント交換したよ?正月だって、別のキャラと……」 
 
思い返してはブツブツと答えると、

「発生させないといけないイベントは発生させたのか?」
  
 幼馴染は、いつもどおりに塀をひょいと乗り越えて庭に立っていた

「えー、うーん?多分……」 

「きっと、揃っていない筈だ。だから、狙っていたルートに入らず、他のヤツが来るんだろう」 


私は見慣れたエンドロールの画面を睨みながら溜息をついてゲーム機から手を離した 

「あー、もー!ゲームの世界でも恋って簡単じゃないのね……向いてないわ、私。」 
 
起き上がって三角座りになった
 

「いいのか?ここで諦めて……先生キャラが目当てだったんだろう?」 

「え……まぁ、そうだけど」  

ここで諦めたらアルバムが埋まらないけれど
  

「どういうところが良いんだ?言ってみろ」 


じっーと、幼馴染に顔を覗き込まれる 
 
なんか、圧感じるの、気の所為?
  
「え……ね、熱血漢で元気、なとこ?」
 

へんに緊張するじゃん、何、この空気!!  
顔に熱が集まっている気がしてきた
 
告白してるみたいじゃん!
  
 
「……ほぅ」
  

まさか、アンタにちょっと性格が似てるから必死でゲームで狙ってたというのは、いくらなんでもバレてない、よね? 
 

恥ずかしさから真下に顔を向けて真っ赤な顔を隠れてたら、途端に影が覆いかぶさってきた


顔を上げると、  

いつの間にか、真正面に拳ひとつ分まで距離を縮められ、
 

   

 

「落としてみろ」  




 


 
ごめんね、

     

先に落ちたのはこっちです 


 
 

 
「参りましたっ!!」

5/27/2024, 12:02:30 PM

天国と地獄 


私は、やすやすと「天国」には行けないだろう

善い行いばかりしてきたと胸を張って言えないから


でも、人道に対する「罪」は犯したことはない 

だから、今のところは「地獄」にも行けないだろう

辿り着くとしたら、
 
「天国と地獄」の間の「煉獄」という場所だろうか   

今までの行いを償いきるまで浄化の炎によって焼かれ苦しむ 

つまり、永遠ではないのだ 


 
死んでからのことは、誰にも知る手がかりはない 

本当に「天国」や「煉獄」や「地獄」があるのかも誰にも分からない

でも、逝くなら、今までの全てを浄化して、
リセットされて生まれ変われるのなら、その道がいい 

生まれ変わることがあるのか、そこもわからないけれど

5/26/2024, 12:19:21 PM

月に願いを  


今宵は更待月 

夜が深くなるのを 静かに待って  
 
蒼白く光輝く 待ち焦がれし月
 
ただ ただ  見上げて 君を思ふ  

  
暁月夜になるまで 願掛けのように    


無事を願っていたいのに   

帰ってくれるなら、一番に出迎えたいのに

 
この身体は言うことを聞いてはくれぬ  

 
眩しくて 眼を開けると 聴きたい声は耳には届かず  

今日も静寂の中で 一日がはじまる  


また 夜更けまでが 待ち遠しい






  
  

5/22/2024, 10:55:02 AM

 
 
    
  
 
 「また明日」 

 
今日を一区切りして

誰にもわからない「明日」へ 

少しばかりの渇望を込めて 

明日の、これから先の未来の私達に託す 
 
また明日から始まると疑わない毎日  

でも、その明日が来ないかもしれない


いつも大抵は社交辞令で使ってしまう言葉 


これからは、もう少し大事に使おう 

気持ちを込めて


……少しでも、それが叶うようにと。

Next